【滋賀から福井へ遊びに行こう!北陸新幹線の駅めぐり】
駅前には恐竜モニュメントが4体!
しかも、それぞれの恐竜が動いたり、奇声を発したり!!
そう、ここは滋賀県のおとなり、福井県にある「福井駅」。
しがトコ編集部では、福井の取材にやってきたのでした。
理由は『北陸新幹線』。
いよいよ2024年3月16日、北陸新幹線の金沢~敦賀間が開業します。
そして、その新幹線開業に合わせ、いま、福井県の駅前がとっても盛り上がってるんです!
そこで、福井県内にある北陸新幹線4つの新駅を巡って取材してきました。
今だからこそ、行ってみたくなる、福井のええトコ。
ぜひチェックしてみてください!
この記事の目次
その昔、敦賀はじつは滋賀県だった!?
私たち「滋賀のええトコ」を紹介する
インターネットメディア「しがトコ」で、
福井のことを紹介しようと思ったきっかけは、
滋賀県立公文書館で出会った、この、一枚の古地図でした。
これは、明治13(1880)年の頃の滋賀県管内全図。
北を左側に描いた地図ですが、滋賀県の全域を表している中で、
琵琶湖の北側が、日本海まで広がってます。
じつは、明治時代初期の数年間、
現在の福井県の敦賀市など「嶺南」と呼ばれる地域は
近畿圏との結びつきが強かったこともあり、滋賀県に属していました。
そう思うと、滋賀県にとって地元のような存在!
そんな近い存在なら、ぜひとも”ええトコ”を発信したい!
ということで、しがトコ編集部で、福井県に行くことにしました!
3月16日、北陸新幹線が敦賀までやって来ます!
滋賀県からは、JR琵琶湖線・湖西線でそれぞれ、
「敦賀行」があるため、「敦賀駅」までは乗換なしで行くことができます。
その「敦賀駅」まで、2024年3月16日に北陸新幹線が延伸するのです。
現在は東京から石川県の「金沢駅」まで来ている北陸新幹線が
福井県の「敦賀駅」まで延伸するにあたり、
福井県内には、4つの新幹線駅が誕生します。
滋賀から近い順に「敦賀駅」「越前たけふ駅」「福井駅」「芦原温泉駅」です。
各駅前では、新幹線の延伸に合わせ、
地域の特色を活かした施設が続々オープンしているとのこと。
新幹線に乗るだけでなく、駅前のみどころを巡るだけでも楽しめそう!
ということで、新幹線開業で盛り上がってる福井県を、
一足早く、滋賀から取材に行ってきました!
【その1:敦賀駅】その大きさは恐竜級!滋賀県に最も近い!
■敦賀駅、オルパーク、otta、ちえなみき
まず最初にやってきたのは、
滋賀から最も近い北陸新幹線の駅「敦賀駅」です。
ホームに降り立つなり遭遇したのは……き、恐竜?
日本最大の恐竜化石発掘現場があることなどで
“恐竜王国”とも呼ばれる福井県。
早速の恐竜王国らしいお出迎えですが、
新しくできた新幹線駅舎も恐竜級のド迫力!
高さがビルの12階に相当するという駅舎は
新幹線の駅としては国内最大規模を誇り、
その姿は巨大な翼竜が翼を広げているかのようです!
駅に隣接する敦賀駅交流施設『オルパーク』では、
観光案内やお土産の販売を行っているほか、
2階には無料で利用できる休憩スペースも。
また新スポットとして2022年に駅前に誕生したのが、
ホテルや飲食店を兼ね備えた複合施設『otta』です。
“世界や学びの広がり”がコンセプトの
otta内にある敦賀市の公設書店『ちえなみき』では、
書棚が木の枝のように広がっていて、
何気なく開けた引きだしの中に本が隠れていたりと、
宝探し気分で様々な本との出会いを楽しめます!
2階にはキッズスペースもあるほか、
館内では『中道源蔵茶舗 ちえなみき店』で注文した
スイーツやドリンクなどの飲食が可能です。
本の森でいただく『お濃茶ミルク』は
爽やかなお茶の香りとほどよい甘みでした!
■駅周辺には、平和堂、赤レンガ倉庫、気比の松原
駅から少し歩いてみると、滋賀県で暮らす私たちには馴染み深い、あのマークが……
そうです、ボクらの平和堂!
駅前に平和堂があるだけで、なんだか地元の気分です。
敦賀駅前から、観光地を巡る『ぐるっと敦賀周遊バス』などで海沿いに行けば、
異国情緒あふれる赤レンガ倉庫などが立ち並びます。
海沿いにあるのが、港町・敦賀ならではの名所。
日本三大松原のひとつ『気比の松原』です。
ここは、駐車場が海に面したビュースポット。
車から海を望むって、なんだかロマンチックですよね。
【その2:越前たけふ駅】紫式部ゆかりの地に立つ新駅
福井県は「嶺北」「嶺南」という二つの地域に分かれますが、
その境目が、交通の要衝・木ノ芽峠。
峠を越えた先にあるのが「越前たけふ駅」でした。
■越前たけふ駅、道の駅 越前たけふ
福井県内で唯一、在来線の駅から離れた場所に
新しく誕生した新幹線駅。
駅前には『道の駅 越前たけふ』が隣接しています。
道の駅では越前ガニや朝仕入れたばかりの鮮魚が
お手頃価格で販売されているほか、
2階の飲食店や休憩スペースが
新幹線ビューとなっているのも魅力的!
近くには高速道路の「武生IC」もあり、
自動車でのアクセスも便利です。
■越前そばの里
お昼ご飯におすすめなのが、
新駅から車で5分ほどのところにある
『越前そばの里』です。
越前そばの伝統と味を伝える施設内では
そば工場の見学やそば打ちが体験でき、
『そば処 越前屋』では
名物の越前そばもいただけます!
そばは風味と香りが豊かで、弾力が抜群!
シメのそば湯は溶き卵のようにまろやかです。
■紫式部公園
越前グルメを堪能したところで、
越前市でぜひ訪れてほしいスポットが
こちらの『紫式部公園』です。
NHK大河ドラマ『光る君へ』の主人公であり、
滋賀県の石山寺で『源氏物語』を起筆したとされるなど、
滋賀にもゆかりのある紫式部。
こちらの公園は紫式部が
青春時代を越前で過ごしたことを
記念してつくられたもので入園料は無料です。
平安時代の寝殿造庭園と釣殿が再現された
公園内を歩いていると気分はちょっぴり平安貴族。
さらに公園から徒歩約15分の『しきぶきぶんミュージアム』では
『光る君へ 越前 大河ドラマ館』が期間限定で開設されています。
【その3:福井駅】ダイナミックでダイナソー!
■恐竜だらけの福井駅
福井市にある「福井駅」は『福井県立恐竜博物館』に
最も近い新幹線駅とあって、あちこちが恐竜でいっぱい!
駅の西口では実物大の動く恐竜モニュメントたちが
鳴き声をあげて出迎えてくれました!
駅が丸ごと恐竜の時代にタイムスリップしたかのようです!
路面電車として市内を走る福井鉄道の車両も、
現代の街をドシンドシンと駆けまわる恐竜に思えてきます。
そんな恐竜づくしの「福井駅」ですが、
もちろん反対の東口も見どころ満載です。
駅に併設されている福井市観光交流センターの
屋上広場へとやってくると……
ここにも恐竜がいました。
しかも越前ガニをくわえる恐竜という、
福井らしい斬新な組みあわせ!
恐竜の赤ちゃんが寝ているベンチに腰かけ、
ここでちょっとひと休みです。
「ん、これはなんだろう?」
ふと、ベンチに謎のQRコードが
貼られていることに気づきました。
「とりあえずスマホで撮ってみよう」
カシャ
「う、うわああああ~~!!!!」
QRコードを読み込むと、
突然恐竜たちが目の前に出現しました!
た、食べられる~!
じつはこれは屋上広場の仕掛けのひとつ。
ベンチに貼られたQRコードをスマートフォンで読み込むと、
画面内にARで恐竜たちが出現する仕組みなのです。
これはワクワクしますね!
恐竜たちとのふれあいでお腹がすきました。
■ヨーロッパ軒総本店、福井城址、西武百貨店
福井駅のグルメでおすすめしたいのが
駅から徒歩約12分の『ヨーロッパ軒総本店』です。
注文したのは福井名物のソースカツ丼!
蓋を開けると、ふわりとソースの香りが……
ソースがたっぷりしみこんだカツはさくさくでジューシー。
薄切り肉を噛むたび、じゅわあっと旨味が口の中にあふれます!
市内で福井グルメを堪能した後は、
駅前にある『福井城址』を散策してみてはいかがでしょう。
城の跡地には福井県庁などが立ち、
その様相はさながら現代の天守閣です!
市内には桜の木があちこちに植えられていて、
春になると城址を囲む美しい桜並木が見られるそうです。
そして滋賀県民にはぜひ訪れてほしい
散策スポットがあとひとつ。
そう、西武です。
西武百貨店です!
滋賀にあった『西武大津店』は、2020年に惜しまれつつも閉店しました。
そのため、ここ『西武福井店』は、滋賀から最も近い西武です!
“西武ロス”の方はぜひ訪れてみてはいかがでしょう!
■東口からは一乗谷朝倉氏遺跡にも
福井城址や西武の福井駅西口の反対側には、
こんな案内もありました。
東口は、一乗谷口とも呼ばれてるそう。
この「一乗谷」というのは、戦国時代、越前に勢力を誇っていた朝倉氏の遺跡。
一乗谷城は、織田信長に滅ぼされましたが、
その遺跡からは当時の暮らしが分かる資料が数多く出土しています。
“日本のポンペイ”と言われるほど、
当時の暮らしの資料が数多く展示された『一乗谷朝倉氏遺跡博物館』。
福井駅からは、鉄道で16分、車でも20分程度の場所にあります。
【その4:芦原温泉駅】海と、温泉と、恐竜の駅
福井・北陸新幹線の駅巡りもいよいよ大詰め。
最後の「芦原(あわら)温泉駅」に着く前に
夕暮れを迎えたので、
寄り道して『東尋坊(とうじんぼう)』にやってきました。
■東尋坊
海にそそり立つ断崖絶壁で有名な『東尋坊』へは、
この後に紹介する「芦原温泉駅」からも
路線バスでのアクセスが可能です。
空をかすかに虹色に染めながら沈んでいく太陽。
柱状節理と呼ばれる独特な岩々にうちよせる日本海の荒波……
太古のロマンに浸っていると体が冷えてきたので、
芦原温泉街へと向かいます!
■芦原温泉 足湯「芦湯」、芦原温泉「くいしん坊」
芦原温泉街の最寄り駅でもある
えちぜん鉄道「あわら湯のまち駅」の駅前には、
無料で入浴できる足湯『芦湯』があります。
中には総ひのき造りの様々な湯船があり、
文字通り舟の形をした足湯も。
営業時間は7時から23時まで。
観光地を巡って到着が遅くなった後も
ゆったり湯を楽しめるので安心ですね!
もし芦原温泉で宿泊されるなら、
夕食は芦湯から徒歩約6分のお店
『くいしん坊』がおすすめです。
三国・越前産の海鮮メニューが実に豊富で、
どれにしようかなかなか決められません……!
迷った末に注文した「三国産活ばい貝刺身」は、
コリコリとした歯ごたえが心地良く、
磯の風味が身の甘みを引き立てる一品。
また県内の地酒もずらりとそろっていて、
すっきりした味わいが多い福井のお酒は
「日本酒、はじめてみようかな」と
思っている方にもおすすめです!
■芦原温泉駅
福井の観光地やグルメを堪能しきったところで、
いよいよ最後の「芦原温泉駅」に到着しました。
新幹線駅舎とともに新たに作られたのが、
西口に立つ駅直結施設『AFLARE(アフレア)』です。
施設内には観光案内所やカフェ、物販エリアが並び、
2階の『ふくいミゅ~ジアム』では県内の観光地などの
情報を発信しています。
中央の湯船に桶で湯を注ぐ仕草をすると、
福井の名産などの情報が浮かんでくる仕掛けも。
フロア内にはキッズスペースもあり、
家族で楽しみながら福井を学べる空間にもなっています。
新たにできた新幹線駅舎のほうに向かうと、
“東尋坊で温泉に浸かる恐竜”という
もはや何でもアリなモニュメントも。
「こんな光景もあったのかなぁ」と苦笑いしながら、
つい恐竜の時代に思いを馳せてしまいました。
そんな恐竜の時代から、未来へ。
北陸新幹線の開業で
福井はまた新たな時代へと一歩、
踏みだそうとしています。
北陸の魅力を発掘しにいこう!
恐竜も自然も駅も、
何もかもスケールが大きい福井県。
年間60万人以上が訪れる人気の『恐竜博物館』や、
戦国時代の町並みをそのまま再現した『復原町並』など、
今回の記事では紹介しきれなかったスポットが
まだまだたくさんあります。
今回は福井県だけに絞って紹介していましたが、
北陸新幹線は、その先に石川県、富山県、新潟県にも繋がっていて
「金沢駅」や「富山駅」も、魅力たっぷり。
能登半島地震からの復興支援として『北陸応援割』など
観光キャンペーンも実施される予定です。
北陸新幹線が敦賀まで延伸するのは、2024年3月16日。
それきっかけに、まずは滋賀から福井へ。
足を伸ばしてみませんか?
- 記事を書いた人
- 結城弘/滋賀県出身。小説家・ライター。滋賀が舞台として登場する小説『二十世紀電氣目録』『モボモガ』を執筆。趣味は旅行、レトロ建築、乗り(呑み)鉄、ご当地マグネット集め、地酒開拓。各SNS⇒ Twitter(X)/ Instagram/note