【沖島ふなずし漬け体験(樽開け)/滋賀県近江八幡市】
あの時に漬けたフナたちはどうなっているの?
美味しくできただろうか……。
この夏から樽の中で眠っていた「ふなずし」が
いよいよ完成すると聞きつけて、
12月の粉雪が舞う、寒いある日。沖島漁港を訪れました!
しがトコでは2022年7月、
琵琶湖汽船、沖島漁協、県の水産課がタッグを組んだ
人気企画「鮒ずし漬け体験」に参加。
その後、フナを漬けた樽は沖島で預かってもらっていました。
その時の様子はこちら
>> https://shigatoco.com/toco/funazushitaiken/
そして12月。
島で預かっている樽を一斉に開ける
“樽あけ”がおこなわれるとの連絡を受けて
ふたたび沖島へ行ってきました!
港から船で10分。びわ湖の有人島、沖島へ
沖島へは、近江八幡市・堀切港から船で向かいます。
吹きつける風も冷たく、冬の訪れを感じます。
漬けたのは7月。
鮒ずしたちはいったいどんな状態になっているのでしょう。
沖島までは船で10分。
あっという間に沖島に到着します。
到着した作業場では、すでにみなさんがテキパキと
作業を進めていました。
ちなみに、奥に見える半円のゲートが船着き場。
まさに港の目と鼻の先で作業がおこなわれています。
「しがトコさんの樽はこちらですね」
琵琶湖汽船の森さんが、運んできてくれました。
感動の再会です…!
完成した鮒ずしが、どのように樽から出されるのか、
梱包までの様子をレポートします!
それぞれがまるで別物。樽ごとの個性が感じられる
まずは、緑色のパレットに樽の中身を取り出す作業から。
黄色の樽につけられたガムテープが
「名札」の役割を果たしていて、
中身を取り違えることのないよう
作業ごとにフナたちを追いかけていきます。
蓋を開けると、ふわっと香りがたちのぼりました。
鮒ずしというと、においがキツイ…
そんなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、
この時感じたのは、フルーティーな梨のような香り!
よいしょ!とひっくり返して出てきたのがこちら。
まるで熟成中のチーズのような形です。
この白い部分は、「飯(いい)」と呼ばれ、
フナと一緒に漬けられた、炊いたごはんです。
チラッと見えているのはフナのしっぽか顔か…
ここから、飯をはずしていく作業が始まります。
発酵の進み方によって、飯の具合もさまざま。
とろりとやわらかいものから、固めのものまで。
しがトコの樽は、どちらかというと固めで、
お米の粒がしっかりと残っています。
飯から出されたフナたちはこちら。
名札のガムテープがこちらのパレットに移ります。
成形から片付けまで。流れるようなスピードでおこなわれる作業
飯で成形をしていきます。
樽によって、香りややわらかさ、飯の色まで
それぞれの個性が際立ちます。
同じ樽のフナでも、漬けられていた位置によって
発酵の進み方が違ったり…まさに自然の神秘ですね。
大量に出る飯は、パレットから
大きなバケツにまとめられ、次々に運ばれていきます。
使用していた樽もすぐ洗浄へ。
ここに来る前は樽が大量に並んでいる様子を想像していましたが、
このスピードで次々に片付けていくので
作業場はすっきりとしています。
取り出したフナは、真空パックされて梱包へ
建物の中では、梱包チームがなめらかな手つきで
作業をおこなっています。
まずはフナをラップで包みます。
続いてビニール袋へ。
一匹ずつていねいに入れられていきます。
次は真空詰めにする機械の中へ。
袋の入り口を止めて…
機械の蓋を閉じます。
ブーーン…と機械音が鳴り、フナを入れた袋がふくらみます。
これは機械の中の空気を抜いているため。
その様子を見ていると「バシュン!!」と大きな音が!
一気に真空パックが完成します。
その横では、発送ダンボールが次々に組み立てられています。
レトロでまるいフォントが可愛い!
最後は送り状が貼られ、“樽のオーナー”のもとへ
出発します。
樽からフナが出されてから梱包まで
素晴らしい連携で作業が進んでいました。
鮒ずしと一緒に事務所へ帰りました
しがトコのフナたちも、私たちの帰りの乗船にあわせて
梱包していただきました!
樽から出して飯をまとわせ、梱包したフナたち。
ずっしりと重い感覚が手に伝わってきます。
沖島から出発する船に、鮒ずしも乗船。
しがトコ編集部と共に、事務所へと向かいます。
守山市のしがトコ事務所に到着!
「とび太くん」と「鮒ずし」という、
滋賀のアイコンが夢のコラボです。
開けてみると、こんな感じでぎっしり!
「鮒ずしの美味しい食べ方」のチラシも一緒に
もらえるので安心です。
冷凍すると発酵が止まるので、好きなタイミングで
最高の鮒ずしが味わえます。
しがトコ編集部でも、メンバーで分けて楽しみます。
びわ湖のめぐみの真ん中にある、豊かな島・沖島
近江八幡市・堀切港に到着し、振り返ると
山々に雪を降らせる雲がかかっているのが見えます。
取材したこの日は、滋賀県内の山々で冠雪のたよりが
届きはじめた12月2日。
毎年このくらいの時期に樽あけがおこなわれているそう。
春には琵琶湖からフナがあがり、
夏に漬け、冬の始まりにその滋味を受けとる。
長い歴史がはぐくんできた「びわ湖の味」を
ゆっくり噛みしめようと思います。
(文・写真:しがトコ編集部 土岡菜摘)
『鮒ずし作り体験クルーズ』の情報
- 会場住所
- 滋賀県近江八幡市沖島町
- イベント詳細
- hhttps://www.biwakokisen.co.jp/season_event/2426/
- 沖島漁業協同組合
- http://www.biwako-okishima.com/index.html
- 琵琶湖汽船
- https://www.biwakokisen.co.jp/
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