【伊と咲の/滋賀県長浜市】
古民家ならではのゆったりとした時間の流れに身を任せ
視線の先に広がる雄大な奥琵琶湖の景色に満たされる。
料理はこだわりの十割蕎麦に、
琵琶湖で捕れる手長エビや地元食材をふんだんに。
一度訪れたら、必ずまた来たくなる
琵琶湖のほとりにあるお蕎麦屋さんをご紹介します。
“古民家×琵琶湖”が奏でる贅沢時間
琵琶湖沿いを走る湖岸道路を北上し
長浜市の「片山漁港」のすぐそばにある『伊と咲の』は
店主の松井「伊」佐雄さんと「咲」子さんの
夫婦ふたりが営むお蕎麦屋さんです。
どっしりとした佇まいの古民家を改装し
2020年にお店をオープンしました。
建物の柱などが赤いのは「べんがら塗り」で
湖北地域の古民家によく見られる特徴のひとつ。
大正レトロでまとめられた店内はゆったりと落ち着く空間に。
剥き出しの梁や天井にもべんがら塗りが使われています。
琵琶湖側は大きく切り取った窓で開放感も抜群!
特等席はもちろん窓際のカウンター。
とくにこの日は穏やかな天気で
鏡のようにキラキラと輝く湖面は何時間見ていても飽きません。
ぼーっと景色を見てるだけなのにすごく贅沢な時間。
目の前に見えるのは
琵琶湖の北端の特徴的な形を作り出してる「葛籠尾崎(つづらおざき)」。
遠くには琵琶湖に浮かぶ神の住む島「竹生島」も望めます。
こだわりの十割そばに地元野菜
人気メニューは「天ぷら盛り蕎麦つゆ比べ」。
蕎麦つゆは、わさびと辛味大根の2種類で食べ比べできます。
色鮮やかな天ぷらの盛り合わせ付き。
その時期に美味しい蕎麦粉を厳選して使用し
打ち立て、ゆでたてにこだわって提供する十割蕎麦。
蕎麦の甘みと弾力がたまりません!
蕎麦に添える天ぷらや副菜には
地元の食材をできるだけ使っています。
真っ赤な手長エビは琵琶湖で捕れるもの。
近年は漁獲量が減っていて、提供できる数にも限りがあるそう。
琵琶湖の恵みも感じられる天ぷら盛り合わせです。
ぬくもりある手書き文字のメニューは奥様の咲子さん直筆。
小鉢やデザートもついた「ららランチ」も女性に人気です。
ひとめ惚れした滋賀で、地域に愛されながら共に
「春はこの窓から、琵琶湖と桜の共演が楽しめますよ」
と話すのは、宝塚市から移住しお店を開いた店主の松井伊佐雄さん。
夫婦ともに医療系の仕事に従事していましたが
子供たちも巣立ち、50代半ばに差しかかったころから
「ふたりで健康を提供できるお店をしたい」と考えるようになりました。
「関西から九州まで、お店をする場所を探してて
滋賀で最初に紹介してもらったのがこの古民家。
3年間探してたなかで、この場所は運命を感じました」。
咲子さんがお店の立地以上に気に入ったのが
この地域にすむオオワシの存在。
「山本山のおばあちゃん」の愛称で親しまれ
これまで26シーズン連続で冬に長浜市へと越冬するオオワシです。
「この姿かっこよすぎません?タイミングが良ければ、
窓の外にオオワシの姿が見えることもあるんですよ」。
咲子さんのオオワシ愛は語り始めると止まらなくなるほど。
オオワシの存在を知らなかった人も咲子さんの話で
その魅力に気付かされることも多いよう。
お店には愛好家らが撮影した迫力満点の
オオワシの写真もたくさん置いてあるので
ぜひその勇姿もみてください。
美味しい料理とともに、地域の魅力も伝えてくれる
おふたりの人柄に惹かれ、度々訪れるリピーターも多い人気店。
桜だけでなく、夏は新緑、秋は紅葉、冬はオオワシと
四季折々の絶景も、何度も訪れたくなる要因です。
ご夫婦ふたりでもてなすには限りもあり
予約だけで早々に完売してしまう日もあるので
お店を訪れる前には予約することをおすすめします。
(取材・写真・文 しがトコ編集部)
『伊と咲の』の店舗詳細
- 住所
- 滋賀県長浜市高月町片山27
- 営業時間
- 11:00~14:30 ※蕎麦がなくなり次第閉店
- 定休日
- 火~木曜日
- 電話番号
- 0749-59-3206
- https://www.instagram.com/itoeno_osoba_10wari/
『伊と咲の』のリール動画はこちら!