カルチャー

町屋がまるごと美術館『ボーダレス・アートミュージアムNO-MA』

NOMA外観

【ボーダレス・アートミュージアムNO-MA/滋賀県近江八幡市】

昭和初期の町屋をリノベーションした『ボーダレス・アートミュージアムNO-MA』は、
障がいのある人による造形表現や、現代アート作品など
様々な表現を分けへだてなく展示を行う美術館。

滋賀県近江八幡市・重要伝統的建造物群保存地区に溶け込む
町屋の和室や蔵を活かした展示空間は、
知人の家を訪れたような雰囲気。
リラックスしながら作品鑑賞ができる場所です。

昭和初期の町屋をリノベーションした美術館

NOMA外観

「美術館」というイメージで向かうと気づかずに通り過ぎてしまいそうなくらい、
風情ある街並みにとけこんでいる『ボーダレス・アートミュージアムNO-MA』。
昭和初期の町屋である野間邸をリノベーションして
2004年6月美術館として開館しました。

酵造業を営んでいた野間清六の建物を改築し、
その名前も美術館の「NO-MA」として引き継ぎました。

noma玄関

玄関につくと、靴を脱いでスリッパにはきかえて館内へ。
「靴を脱いで作品を鑑賞する」ということも特徴の一つです。

庭の景色や蔵も活用した展示空間

noma展示室

先ほど、玄関先から見えていたのはこの作品。
庭を背景にして陽気な仮面が飾られています。

NOMA展示空間

取材時に開催されていたのは
『アール・ブリュット‐日本人と自然- BEYOND』展。
(2023年10月7日(土)~ 12月17日(日)は
触の祭典『ユニバーサル・ミュージアム さわる!めぐる物語』が開催中!)

穴瀬生司作品

近づいて見てみると「み」、「せ」、「な」、「ち」などの文字が!
作者の穴瀬さんは、自身の名前にちなんだ
「あ・な・せ」というひらがなを作品に潜ませることが多いのだとか。
「あ」がどこにあるかわかりますか?
細かいところを見るのも楽しいですね!

大井康弘作品

こちらは、滋賀県在住の大井康弘(おおいやすひろ)さんの作品『ガネーシャ』。
ヒンドゥー教の神さま『ガネーシャ』の装飾品や
手などの体のパーツをどんどん重ねて制作しています。

NOMA中庭

中庭には外スリッパにはき替えて行くこともできます。
一旦外に出ることで生まれる「気分の切り替え」も“しかけ”のひとつ!

NOMA蔵

中庭の奥にある蔵!こちらも展覧会場です。

NOMA蔵

母屋での展示とは違い、天井が高く密閉された空間は蔵ならでは。
作品にぐっと引き込まれる雰囲気があります。

鶴川弘二作品

こちらは鶴川 弘二(つるかわこうじ)さんの作品。
ロウで作ったオブジェのようにも見えますが・・・
実はセロハンテープ!
使用済のペンを
セロハンテープで巻きつけて封印しているそう!

くつろぎながら作品鑑賞ができる2階展示室

再び母屋へ戻り2階の展示室へ。
ちゃぶ台もあって畳の間でゆっくり作品を眺めることができます。

NOMA作品鑑賞

作品との距離感が近いのもこの美術館の特徴。
近づいてじっくり細かいところまで見れば、作品の違った一面に気づくことも。

NOMA展示室2階

床の間にも作品が飾られていたり、
座敷机風の展示台があったりと、和の空間を生かした展示も見どころ。

NOMA展示室2階

窓格子や欄間(らんま)も作品の一部に!
1つ1つの作品が、場所との関わりを考えながら丁寧に展示されています。

NOMAライブラリー

2階の奥にあるライブラリースペース。
こじんまりした空間が妙に落ち着く(笑)。
アートに関する本を読んだり、庭の眺めてぼーっとしたり、
思い思いの好きな時間が過ごせます。

NOMA学芸員の横井悠さん

「“障がいのある人のアート”ではなく、
表現そのものに目を向けていただきたいと思っています」と、学芸員の横井悠さん。

さまざまな表現を分け隔てなく紹介することがNO-MAの展示コンセプト。
素直な気持ちで作品の前に立てば、驚きや発見、喜びを感じるに違いありません。

ゆったりとした雰囲気の町屋空間で「表現」にふれ、
自分なりの楽しみ方をぜひ体験してください。

(記事公開日:2022年3月21日/最終更新日:2023年11月6日)

『ボーダレス・アートミュージアムNO-MA』を地図でみる

観光スポット「八幡堀」から徒歩8分!

ボーダレス・アートミュージアムNO-MA

→大きい地図で見る

『ボーダレス・アートミュージアムNO-MA』のデータ

住所
〒523-0849  滋賀県近江八幡市永原町上16(旧野間邸)
→地図
電話番号
0748-36-5018
入場料
一般200~300円*/高大生150~250円*
*入館料は展覧会ごとに異なります。
(20名以上の団体は50円引き)
中学生以下・障害のある方と付添人1名無料
開館時間
11:00~17:00※企画展によって変更あり
休館日
月曜日(休日の場合はその翌平日)、展示替え期間、年末年始
公式サイト
https://www.no-ma.jp/
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