カルチャー

西川貴教さんが地元滋賀に愛の叱咤! 熱弁が止まらない大津まち歩きに密着しました

西川貴教さん街歩き

【西川貴教さんまち歩き】

「滋賀ふるさと観光大使」でもある西川貴教さんが、
秋晴れのある日、やってきたのは滋賀の県庁所在地・大津市。

JR大津駅前から始まる“まち歩き”のライブ配信に、
しがトコ編集部でも同行させてもらいました。

しかし! その“まち歩き”取材の中で西川さんから出てきた言葉は、
ただのまち歩きではなく、本気で滋賀を想う言葉の数々。
目の前にある「課題」に向き合い、街の人と意見を交わす。
そんな西川さんの姿に思わず泣ける取材班。

西川さんが真剣に見つめる大津の姿。
そこには、滋賀の未来への希望と、愛が詰まっていました。

大津の新しい楽しみかた提案『SLOW OTSU』

SLOW OTSU

今回の番組はYoutubeライブで配信された
「西川貴教の『SLOW OTSU』 ~真面目に、ぐうたらしよう!~」というもの。

JR大津駅前からびわ湖エリアで実施される観光イベントの一つとして、
文化の日、11月3日に生配信されました。

まずはJR大津駅前からスタート

まち歩きの案内人清水さんと

出発地点の大津駅前。
西川さんがまず話を聞いたのは、
大津市役所 観光推進課の清水さん。

「大津の街がかかえる課題を解決するための”実証実験”が裏テーマ。
今日はその課題と取り組みについて、ご紹介させていただきます!」
と、まち歩きの案内人をつとめます。

駅前には人がたくさん
今回ひっそりと行われたまち歩きですが、
「え!あれもしかして西川さん?」「なんでここに?!」
西川さんの姿を見かけて集まる人で、大津駅前はザワザワ。

まち歩きのようす
熱気あふれる大津駅前を後にして、
さっそくまち歩きスタートです。

新しい施設と昔ながらの商店街は共存できる?

TERAMACHI BASE
最初に訪れたのは、2021年4月にオープンした「TERAMACHI BASE」。
大津市職員の藤原さんが西川さんを出迎えます。
ここは、シェアキッチン・シェア工房・シェアオフィス、お店が集まる複合施設。
大津駅前商店街を活性化させようと、
大津市職員の有志4人が町家を借り上げてスタートしたそう。

藤原さん
「大津で事業をするのは難しいという
ネガティブなイメージを変えたかったんです。
TERAMACHI BASEが、面白い人たちをつなげる
ハブのような存在になれたら」と話す藤原さん。

西川貴教さん
熱心に話を聞いていた西川さん、
新しい取り組みでとても素晴らしいことだと感心しながらも
「ただ、商店街で昔から頑張ってこられた方との共存は難しいんじゃないですか?」
と長年、滋賀でコンサートやイベントなどを企画してこられた
西川さんだからこその質問が。

古くから営む商店街のお店は、新しい店舗をどう思うのでしょうか?

「TERAMACHI BASE」の隣にある
老舗の佃煮屋「大津屋」さんに話を伺いました。

老舗の佃煮屋が、この街に思うこと

商店街の店
創業して94年、今年85歳になるという店主は
「昔は80軒ほどお店があり、とても賑やかな商店街だったんです。
高齢化が進んで、ここ10年ほどで商売をやめていく人が増えましたね。
こうして若い人と会えると嬉しいし、活気が生まれます」と歓迎ムード。

西川さんと店主の会話
「こうして理解してくださる方がいるのは心強い!
一生懸命に活動している方の励みになっていますよ」と話す西川さん。
その横から「ぜひ食べてみてください」と、店主から佃煮のプレゼントが。

佃煮のプレゼント
「ホンモロコにイサザ、うわ~!エビ豆や!
滋賀県民の食卓には必ず並びますね。よくお弁当に入ってた!
煮汁が米に侵食してまっ茶色になるんですよね(笑)」
と思わず”滋賀県民あるある”も飛び出します。

記念撮影
一緒にこの商店街を盛り上げていきましょう!と記念にパチリ。

シャッター店舗を有効活用するアイデアとは?

商店街を歩く
次に訪れたのは、大津市中心部にある丸屋町商店街。
ここからの案内役は、大津町家研究家代表の柴山さんです。

空き家が多い商店街
シャッターをしめている店が多い現状を見て、西川さんは
「子供のころに訪れた大津は、活気があって人がたくさんいて
なんでも売っているイメージでした。
祝日ということもあるんでしょうけど…」とショックを受けた様子。

空き家を活用して何ができるのか?その課題を解決するべく、
シャッター店舗の有効活用のため「SLOW OTSU」開催に合わせて
1か月間限定でオープンしている「ぶれいく柳」へ立ち寄りました。

空き店舗をギャラリーに

ぶれいく柳

入り口では、左からぶれいく柳の森さん、
近江麦酒の山下さん、彦根市の湖岸沿いの複合施設
VOID A PART」の一角にアトリエをかまえる
ハコミドリの周防さんが出迎えます。

店内では滋賀で活動している作家の作品を展示販売する
「湖国のクレイジーな作家展」と、多様なデザインの
ボトルを集めた「古今東西マイボトル展」を開催中。

マイボトルがずらり
店内に入り、壁一面に立てかけられたマイボトルを眺めていた
西川さんでしたが、「これは!」とおもむろに手を伸ばし…

マイボトルを愛用
「僕、これの大きいやつ愛用してますよ!」

西川さんが見つけたのは、筋膜リリースのデザインボトル。
さすが、カラダ作りに余念がありません。

ノンアルコール
カウンターで販売されているノンアルコールビールは
大津に醸造所をかまえる近江麦酒のもの。

「これ14キロカロリーなんですね。…脂質は0.1g!
減量期なんで脂質には神経をとがらせているんです」と、
ラベルの成分表を確認する西川さん。

これなら心置きなく飲める!と、ノンアルビールを
おいしそうにゴクゴクと。

ノンアルコールビールを飲む西川さん
そして、このままポスターになってしまいそうな完成度(横顔が神々しい!)。

「ほんのり甘くて…いい意味でビールっぽくない。
香ばしい感じが後味に残る。麹のうまみを感じます」。

さらに店内奥へと進み、作家の展示販売スペースへ。

商店街に見る、アートの可能性

ギャラリーで作家と話す西川さん
家屋解体時の廃ガラスと草花を使ったハコミドリの作品を紹介。
「きれいなもんやなぁ。こういうものが生活に彩りを添えてくれますよね」。

さまざまな取り組みについて、熱心に耳を傾けていた西川さん。
「シャッター商店街をどう活かしますか?」との質問に、
鋭いアイデアを返してくれました。

滋賀の未来を話す西川さん
「僕らが商店街をキュレーションしてはどうかと思うんです。
たとえば、商店街全てをギャラリーにしても面白いかも。
作家さんには滋賀に移住して活動し、商売してもらうんです。
これまでは見えてこなかった税収が生まれる可能性もあるかも」。

具体的なアイデアに一同、感服。
滋賀の未来を本気で考えてくださっているんだ、と驚きました。

集合写真

最後は「ぶれいく柳」に集まったみなさんで、記念撮影を。

びわ湖畔『なぎさ公園』のさまざまな問題を、どう解決できる?

なぎさ公園

青い空と湖のグラデーションが美しい、最高の”びわ湖日和”。
散歩やピクニックを楽しむ人がたくさんいるびわ湖畔「なぎさ公園」が
まち歩きの終着です。さあ、ここでは、どんな課題があるのでしょうか?

まずひとつめは”琵琶湖以外見るモノがない”問題。

地元の人と話す西川さん
その問題を解決するため「SLOW OTSU」期間中のみの一大イベントである
「湖上Cafe」と「湖上MARKET」を実施するのだそう。

「フロートを浮かべ、”琵琶湖に浮かぶ街”をつくります。
その上でマルシェやカフェ、ヨガなどを楽しんでいただきます」
と、湖上マーケットを手がける岡崎さん(左から2番目)。

また、大津港周辺にはびわ湖のヨシを使って大きなパビリオンを設置予定。
制作を担当するのは、世界各地で設計活動を行う建築家の大野さんです。

びわ湖のショヒのパビリオン
「びわ湖のヨシは、湖岸の侵食防止や水質改善などに役立っていて、
昔はよしぶき屋根に、今でもすだれに活用されている素材です」。

模型を手に持つ
手に持っているのは模型で、パビリオンは11月17日に完成予定とのこと。
「大津港にはあまり座ってゆっくり場所がないのですが、
比叡山と琵琶湖の両方を楽しめる絶好のスポット。
ゆっくり座って楽しんでいただきたいです」と話してくれました。

そしてふたつめのびわ湖畔の課題は”なぎさ公園が広すぎる”問題。

なんと全長5km!観光スポットは点在するものの移動手段がない…。

シェアサイクル
その課題を解決したのが、こちら、シェアサイクルです!

「SLOW OTSU」期間中はなぎさ公園の全エリアとJR大津駅を繋ぐ
自動運転バスの運行を実施するとともに、駐車料金の値下げも!
とっても太っ腹な試み。アクセスが悪いからと諦めていた方も、気軽に訪れることができますね。

西川さんも大絶賛した”びわ湖の水が飲める”給水スポット登場!

びわ湖の給水スポット
そして西川さんがとくに感動していたのが、こちらの給水スポット。

びわ湖を自転車で一周する「ビワイチ」など、
アクティビティを楽しむためにびわ湖を訪れる人に向けて給水スポットを設置。

びわ湖の水を冷水に
びわ湖の水を浄化して冷水にしたものを、24時間無料で飲めるのだとか!
1日5リットルは水を飲むという西川さんも、このアイデアを大絶賛!

「ライブがあるときはこの辺りを走るので、すごく助かります。
水もしっかり冷たくておいしい!」

びわ湖の水を飲む西川さん

「これ、すごくいいですよ!もっと増やしましょうよ。
自由なデザインを認めて、広告とか協賛企業をつけてもいいかも」
とアイデアが止まらない様子でした。

そして最後は”夜が暗すぎる”問題です。

なぎさ公園は灯りが少なく、すぐそばはびわ湖が広がっているため
夜は本当に暗く「ちょっと怖い」と感じてしまうほど。


これを解決するため、大津港近隣の公園にある
巨大クスノキにプロジェクションマッピングを投影します。

手に持つ写真はイメージですが、とっても幻想的!
ファミリーはもちろん、デートスポットにもなりそうです。

また、大津港やなぎさ公園に加え
びわ湖ホールやプリンスホテル、柳が先湖畔公園もライトアップを開催するそう!
夜に少しお散歩したり、走ってみたり。
新しい賑わいを生むきっかけになりそうです!

「SLOW OTSU」の取り組みは、
大津市の”課題”から生まれたアイデアだからこそ
かゆい所に手が届く、膝を打つようなものばかりでした。

滋賀のクリエイターや企業の皆さんの
楽しみながら解決しようとする姿勢に感動し、
しがトコも、「滋賀のローカルメディア」として
もっとできることはないか?と感化されつつも、
新しい大津の魅力を知ることができた1日でした!

今回のまち歩きの様子は「SLOW OTSU」公式YouTubeにて、動画で公開中です!
西川貴教さんが、地元を本気でなんとかしようと奮闘する姿と
愛ある叱咤を、ぜひまち歩き動画でごらんくださいね。

(取材・文:しがトコ編集部  写真:山崎純敬)

西川貴教さん「大津まち歩き」動画アーカイブはこちらから

>>>西川貴教さんと真面目に街ブラ【大津駅前編】
駅前の賑わいづくり・市職員らが自腹で町家改修?

>>>西川貴教さんと真面目に街ブラ【商店街編】
西川さんなら、シャッター店舗をどう活用する?

>>>西川貴教さんと真面目に街ブラ【なぎさ公園編】
琵琶湖畔のさまざまな問題をどう解決できる?

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<記事公開日:2021年11月12日>
<最終更新日:2021年11月21日>

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