【滋賀に気づいた人interview#017】
システムエンジニアとして東京で働く日々に疲れを感じていたとき、ふとテレビで見た田舎暮らしの映像。
これが自分の求める暮らしだと気づいた谷口さんは、地元・滋賀で農家として再出発することを決意しました。
その思いを叶えた今、谷口さん一家は自然いっぱいの環境の中で穏やかな暮らしを楽しんでいます。
農家をやってみたい!衝動的に行動開始
__移住を考えたきっかけを教えてください
浩基さん:親の仕事は転勤が多く、小学6年生から彦根市で育ちました。大学卒業後は大阪と東京でシステムエンジニアとして働いていましたが、満員電車に長時間揺られる生活に疲れも感じて。仕事は、やりがいもあったんですが、31歳で結婚して「これから家族をつくっていくぞ!」と、考えたときに東京での生活が想像できなかったんです。東京はどこにいっても人は多いし、家賃も高くて……そんな時、あるテレビ番組をふと目にして。東京から田舎に引っ越して、農業に挑戦する人を紹介した番組だったんですけど、それが自分の心を動かしてくれて。地元で農業をやってみたい!と思い立ち、東京にある「しがIJU相談センター」に相談にいきました。
__珠姫さんはその話を聞いてどう思われたんですか?
珠姫さん:私自身も愛知県出身で、のんびりした環境で育ったので、田舎で暮らすということには賛成でした。でも、農業をすると聞いて「本気なの?」と、正直驚きました。いきなり農業にチャレンジして、家族が生活していけるのか、収入が確保できるのかという点は不安でしたね。
移住相談員の親身なサポートが背中を後押し
__全くの畑違いの仕事に転職をするのは簡単な決断ではないと思いますが…
浩基さん:そうですね。「しがIJU相談センター」の相談員さんが親身に相談にのってくれたことは心強かったです。農家がしたいという想いを伝えると、東近江市で就農支援をしている「NPO法人愛のまちエコ倶楽部」を紹介してくれました。そこで支援していたのが梨農家と葡萄農家だったんです。
__それで梨農家なんですね。
梨農家の福原さんを紹介していただき、直接話を聞かせてもらいました。「果樹園芸は芸術だ」と話されていた言葉がとても印象的で。冬に枝を剪定する作業は、どんな実がみのるかをイメージしながら行うんですよ。美しい実が育つよう工夫しながら作業していく。それがとてもおもしろくて。
__移住までのプロセスは?
浩基さん:まずは、休日ごとに東京から東近江市に梨づくりの修行に通い、梨農家さんのもとで作業を一から学びました。寒い中での作業は慣れない身には辛いものでしたが、仕事を覚えていくのは楽しかったです。通いだしてから約半年で東近江へ移住しました。その半年後には子どもも生まれて。僕たち家族の新しいスタートは、ここから始まりました。
※「滋賀に気づいた人interview」は『しがトコ』が企画・取材を担当し制作しています。この記事は、滋賀県公式の移住ポータルサイト『滋賀ぐらし』で公開されています。