カルチャー

俳優・寺島進が滋賀の”近江牛セリ会場”に来ていた!その理由とは?

【俳優・寺島進さんと近江牛】

ダミ声がこだまする近江牛のセリ会場。
市場のおっちゃんが集まる熱気ムンムンの空間で、
吊り下げられた近江牛の枝肉を見つめるその人は…。
俳優・寺島進さんが、なぜ滋賀県近江八幡市の
『滋賀食肉流通センター』にいるのか。それも近江牛のセリ会場に?!
真相を聞き出すべく、寺島進さんに取材してきました!

熱気に包まれた近江牛のセリ会場

滋賀食肉センター建物

牛肉のセリは、県内唯一の食肉流通センター、
近江八幡市にある『滋賀食肉流通センター』で毎週開かれています。

県内の牧場で育てられた牛や豚はここに運ばれ
“と畜”され、厳しい検査を受けた後に
セリにかけられて全国へと運ばれていきます。

近江牛セリ会場
会場に入ってすぐ、普段見慣れない光景に、
はっと息を呑んでしまいました。
視界に入ってきたのは
枝肉になった状態の近江牛。
足から吊るされている肉の塊です。
頭ではわかっていたものの、実際に目にすると迫力と同時に
なんだか考え深いものがあります。

電光掲示板

魚市場のセリなどでも耳にする、早口のだみ声で
牛の産地や等級、金額が矢継ぎ早に読み上げられます。
その内容は電光掲示板にも表示されています。

手元のボタン

業者さんの手元にはボタンがあり、1円単位で値段をつけているようです。
次々と流れていく肉と、そのたびに「ピンポーン」と鳴るブザーの音。
これがセリ?素人にはまったく肉の違いがわかりません!
品評会で最優秀賞を獲得した肉には
相場の2倍近くの値段がつけられていました。

俳優・寺島進さんをセリ会場で発見!

セリ会場の寺島進さん02
セリ会場をよくみると、黄色いオーラを放つあの人は!
いました!俳優の寺島進さん。
サングラスをあげて、机の上の資料を
熱心に見入っているようです。

セリ会場の寺島進さん03
ドラマさながらの渋い表情…。「近江牛」の文字がプリントされた
黄色いハッピさえも、おしゃれに見えてしまうから不思議です。

セリ会場の寺島進さん04

ドラマのワンシーンみたい!と思いながら、
シャッターを連写していたことをお許しください。

しかし、この表情。一体なにを考えているのでしょうか?
その答えは、その後の取材の席で判明しました。

「近江牛が好き」その熱い思いで、ここへ来た

囲み取材の様子
セリ会場の後、寺島さんが取材を受けてくれると聞き、
ぜひ、ここへ来た理由を聞きたい!と鼻息荒く取材会場へ。
(ちなみに、並んで座っている方々は近江牛の関係者さんだそうです)
「では、質問のあるかた」の問いかけに
真っ先に手をあげたしがトコ編集部なのです。
さあ、単刀直入に聞いてしまいます!

しがトコ編集部:どうして、俳優の寺島さんが滋賀の近江牛セリ会場に?

寺島:じつは、近江牛が大好きで。
牛肉は近江牛しか食べないぐらい好きなんですよ。

しがトコ編集部:まさか!「近江牛が好き」という理由だけで滋賀に?

寺島:はい。個人的な探求心だけで(笑)。
ずっと思ってたんですよ。いつも食べてる近江牛がどんなところで育って、
どうやって私たちの元へと届くのか?
“命の現場”を見たい。そう思ってたんですよ。

寺島進さんインタビュー02

しがトコ編集部:セリを見ていた時。とても渋い表情をしていましたが、
吊るされていた近江牛の枝肉を前に、何を思っていたのでしょうか?

寺島:なんか少しせつなくなりましたね。
あぁ、命をいただくってこういう事なのかと、神聖な気持ちで見てました。

しがトコ編集部:寺島さんと近江牛の出会いはいつでしょう?

寺島:いやぁ、もういつだったかは覚えてないなぁ。
時代劇の撮影の合間によく焼き肉屋とかで食べるんですよ。
滋賀に来ると必ず近江牛を食べますね。
今年の正月にも家族で滋賀に来ましたよ。

しがトコ編集部:近江牛、ご自宅ではどんな食べ方をします?

寺島:焼肉やすき焼きもいいけど、ホルモン鍋も旨い。
うちではホルモン鍋は僕の担当でね。ホルモンって噛み切れないイメージだけど、
近江牛はホルモンまでやわらかい!にんにく、しょうがをたっぷり入れるのが良いんだよ。

近江牛のステーキ
取材が終わって焼きたてのステーキが出てきました。

運ばれてきたステーキ

めっちゃ嬉しそうな表情です。
本当に近江牛好きなんだな。
近江牛も、こんな嬉しそうな顔で食べてもらえたら、
きっと喜ぶよね。この表情だけで、そんなことまで思わせてしまうほど
愛おしそうな顔をする寺島さんなのです。

満面の笑みの寺島進
カメラ目線をお願いしたら、
ちょっと照れながらも、
満面の笑みでポーズをしてくれました。

箸がすすむ寺島進

「食の現場を見ると、命をいただくってことに有難みを感じるよね」

近江牛が好き。そう思う人は、きっとたくさんいますよね。
でも、どんな環境で命が生まれ、育ち、流通されていくのか。
その現場を「この目でみたい」と、実際に行動する人は、
そう多くないのではないでしょうか。

このセリ会場の翌日には、牛肉の解体現場や牧場なども視察したのだそうです。
「解体現場で胃や腸が手作業で丁寧に水洗いされる光景も見つめていた」
と京都新聞でも紹介されていました。

日本アカデミー賞助演男優賞にも輝いた俳優の寺島進さん(54)が3日、滋賀県近江八幡市長光寺町の滋賀食肉センターを訪れた。近江牛が肉に変わる解体の全工程と職人技を見学し、命と食への感謝の気持ちを強くした。

参照:寺島進さん、滋賀の食肉センター訪問 「近江牛が日本一」 |京都新聞

命を食べるとはどういうことか?
「ありがたくいただく」とはどういうことか?
真摯に向き合うその姿から、
真面目でありたいという強い意志を感じ、
俳優としての凛とした佇まいは、
この心のあり方から生まれるのだなと、そんなことを思いました。

俳優の寺島進が、近江牛好きが高じて滋賀に来てる?!
えーそれ、ホンマに?じゃあ、取材してみようか。

そんな軽い気持ちでここに来てしまった自分になんだか喝を入れたくなるほど、
寺島さんの、まっすぐに向き合う姿勢が、大げさかもしれないのですが
ちょっと神々しくもあり…。まさかそんなことを感じるなんて
思ってもいなかった印象的な取材でした。

(写真・文  亀口美穂)

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