【すし切り祭り/滋賀県守山市】
滋賀の伝統食『ふなずし』が主役という、
大変珍しく地域色豊かなお祭り。
「すし切り祭り」をご存知でしょうか?
守山市の下新川神社に伝わる例大祭で、
国の無形民俗文化財にも選定されている
伝統的な神事です。
神社の社伝によると、祭神の豊城入彦命が
この地に着いたときに、村人がふなずしを献上して
喜ばれたというのが始まりとされています。
祭りの本番は毎年5月5日。
裃(かみしも)を身に付けた若者二人が、
古式ゆかしく「すし切り」の神事を行います。
琵琶湖でとれた子持ちのふなの塩漬けを
大勢の人が見守る中、包丁と長い箸を使って切り分けます。
この時、手は一切触れてはいけません。
ふなの子がはみ出したり、身がよじれたりすると
村に災難がふりかかるといわれていて、
周囲の目とプレッシャーに耐えながら
すし切り役の二人は神妙に切り分けていきます。
すし切りの最中には観客からヤジも飛び交いますが、
よく聞いてみるとすし切りの大役を務める二人に対する
応援の気持ちが込められた温かいヤジだということがわかります。
実はこのお祭り、前日の夜の宵宮にも
とても面白い神事があります。
夜、太鼓を担いだ裸の青年団員らが
前の年に結婚した新婚家庭に
「嫁さん出~せ」と三回やってくるそうです!
三回目に嫁さんが現れ、酒を振る舞うと
大暴れした太鼓は神社へ帰っていきます。
これは新しく氏子となった人を迎え入れる儀式で、
毎年夜中まで繰り広げられるそうですよ。
地元住民により、長年大切に受け継がれてきた
全国的にも大変珍しいお祭りです。
(記事公開日:2017年5月3日/最終更新日:2024年5月1日)
2024年の「すし切り祭り」
- 日時
- 2024年5月5日(日・祝)
- 所在地
- 滋賀県守山市幸津川町1356番地
- Webサイト
- すし切り祭り(滋賀県観光情報)