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アートでワイワイ遊んできました!成安造形大学で実施したモダニズムツアーをレポートします

しがトコPR【ワイワイわれらのモダニズム】

アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタインをはじめ、
滋賀県立近代美術館が所蔵する『モダンアート部門』の作品が
ただいま成安造形大学のキャンパス内のギャラリーで無料展示中!

5つの展示会場にわかれて、
「色」「かたち」「素材」「地域」など、
異なる雰囲気の展示作品は見どころもたっぷり!
無料展示なので、気になる作品を何度でも、
じっくり鑑賞できる贅沢な時間が過ごせます。

1日かけて楽しめる「ワイワイわれらのモダニズム」は、
11月26日(日)まで開催中。

この機会に、アートの空気を吸い込んで
五感をリフレッシュしてみませんか?

しがトコ編集部が実際にアート展示を巡ってみました!

リニューアルオープンを目指して、
現在長期休館中の滋賀県立近代美術館が、
アートの楽しさをもっと広く知ってもらうべく
所蔵作品を県内の施設で公開する「県内移動展示」を実施。
その第1弾として、成安造形大学にある
回遊式美術館「キャンパスが美術館」で、
モダンアート部門の作品を展示しています。

今回は近代美術館学芸員の渡辺亜由美さん、
成安造形大学の石川亮先生、馬場晋作先生に
展示作品を解説していただきながら、
しがトコ編集部でワイワイとアートをめぐってきました!
その様子をレポートいたします。


まずは受付けで名前を記入します。
ここで、展覧会のパンフレットももらえます。

こちらは、子ども用のパンフレット。
中には作品をみながら謎解きをする楽しい問題が
書かれています。

ワイモダ缶バッチ

謎解きをクリアしたお子様、アンケートに解答した方には
こんな缶バッチも!
(右のシールは入場者全員がもらえます)

バッチの種類は「ワイワイモダニズム」にかけて
『ワ』『イ』の2種類から好きな方を選べます。

缶バッチ使用例
親子で訪れた編集部員のお子さんは、
さっそく通園カバンにつけて登園中だそうです!
ちなみに『ワ』が人気とのことで、
理由は『イ』は不安定そうだけど『ワ』は輪になってる!とか、
丸いフォルムで収まりがいいとか、名前に『ワ』が入ってるとか・・・
「みなさん『イ』をもらいに来て下さい!」

キャンパス内にある5つの展示会場


まずはキャンパス内にある5つの会場をめぐります。
まずは1の部屋「色彩の饗宴」へ。


細い通路を抜けて、会場に一歩はいると
そこは圧巻の空間でした。


目に飛び込んでくるのは色の洪水!
「色彩の饗宴」というテーマにも納得です。

巨大な展示作品が、壁一面に。
絵が天井から四方から、降り注いでくるような何とも贅沢な空間です。
右上の作品は、よく見ると・・・地球に人が乗ってる!

そういえば、展示作品のパンフレットを見た、
しがトコ編集部員のお子さん(4歳・女の子)が
「なおちゃん、地球の頭に乗りたい!」と突然、言い出したそうですが
この作品と通じる何かがあるのか?

・・・ないのか?


花をモチーフにした作品は
アメリカの美術家で1960年代の
ポップ・アートムーブメントの火付け役
としても有名なアンディ・ウォーホルの「フラワーズ」。
わざと人工的な色で奇抜に表現しているのだそう。


「『色』とは全て人がつくり出したもの。
生活の基盤ができた1960年代の象徴が
この『色』ポップ・アートに込められている。
モダンアートは社会の状態がよく現れているので、
見ていると、当時の流行がわかって面白いですよ」
と学芸員の渡辺亜由美さん(写真左)。


例えば、この左にある巨大な丸い緑っぽい作品、
丸や三角、台形を使った幾何学模様で、
森を表現しているのだそう。
これは、菅井汲(すがい・くみ)の「まるい森」という作品。
日本の家紋と道路標識をモチーフにした
幾何学的な抽象絵画を追い求めた人物です。


こちらは、今回の展示のために開発した『色立体』。
気になる作品にかざすと、その色に関連した
滋賀各地の風景が画面に!
モダンアートと、滋賀の風景がつながるなんて、
思いもよらない不思議なアートの楽しみ方です!

華やかな色彩から一転『黒の世界』へ

そして、こちらは先ほどとは打って変わって
2番目の会場『黒の世界』。

正面に飾られた大きなモノクロの作品。
これ、写真だと思いましたよね?
近寄ってみてびっくり。油彩で描かれているんです。
成安造形大学学長でもある岡田修二の作品。
見ていると、琵琶湖に浮かぶ木々の枝や落ち葉が
独特の質感で迫ってくるような、
ヌメリに吸い込まれるような、不思議な感覚に。

こちらは星野暁の作品。
粘土を指やこぶしで押しながら作ったそうで、
なんとも言えず、力に溢れています。
うねる波や噴火口を思わず連想してしまう、
エネルギーのかたまりのような作品でした。


こちらは、黒一色なのに、穏やかな光りや、ゆったりとした波間、
静かでやさしい雰囲気まで伝わってくるようです。
作者の福岡道雄は、幼少期にマキノに住んでいたことがあり、
琵琶湖をモチーフにした作品も多いのだとか。
この作品も、琵琶湖での一コマなのでしょうか。
ちなみに寝ている人は作家本人だそうです。

モダンアートの立体作品展示

そして3つめの会場は『素材と場所』がテーマ。

ルーマニア出身のコンスタンティン・ブランクーシの言葉が掲げられています。
ブランクーシは、20世紀を代表する抽象彫刻の先駆者として知られる作家。


こちらが代表作「空間の鳥」。
飛翔する鳥のイメージを、究極まで単純化。
徹底的に無駄を削ぎ落とした結果、プロペラなどにも
共通する完璧な流線型フォルムの作品に。
また、『台座』も注目すべきポイントで、
台座も含めて彫刻の一部なのだそう。
彫刻をきわだ出せるために、台座の素材や大きさも追求。
さらには、展示される空間や場所によっても台座のあり方は変化すると言います。


「このイベントでは、滋賀県産の木材である”びわ湖材”で
台座を制作し展示しています」と話す成安造形大学の石川亮先生。
近江(滋賀県産)の木材は奈良、京都の都造営の時代から使用されてきたそうです。
日本の歴史変換における文化構築に欠かせなかった材木、びわ湖材。
「それは、琵琶湖の周囲を取り囲む山々からなり、
また、地下水脈となって川へ、琵琶湖へとつながっていく」


「山の仕事と沢から川へその流域の暮らしがひとつの帯となって、
永年受け継がれてきました。
そこに今日の私たちの日常があります」と話してくれました。
キャンパスから琵琶湖がいちばんよく見える場所で、
ゆったりと展示されている台座のシルエットが印象的でした。


作品は、石川先生によるものですが、
森林に関わる滋賀県内、さまざまな人の協力のもと完成しています。

滋賀の暮らし、地域とモダニズム


4つめの会場は、成安造形大学のキャンパス内でも一番の高台にあります。
階段をのぼり、振り向くと・・・

こんな景色が目の前に!
気持ちの良いロケーションです。

ここでは、成安造形大学の先生たちが
「地域とモダニズム」をテーマにしたリサーチした結果を展示。
地域の色やカタチ、くらしを考える取り組みを紹介しています。
コンピューターを使った色彩解析を通じ、日常の色が
数値化されて、目に見えるようにずらりと展示されています。


写真を読み込ませるだけで、写真の特徴に合わせた音楽が作成できる
ソフトウェア「PhotoMusic」が体験できるコーナーも。
写真や絵画というアナログの作品が、デジタルと融合して
また新たな一面をみせてくれる、驚きに満ちたコーナーです。


こちらは、成安造形大学の馬場晋作先生が
マルセル・デュシャン『ヴァリーズ「トランクの中の箱」』に着想を得た展示。
「移動すること」「収集すること」をキーワードに、
実際に馬場先生が、琵琶湖の下に位置する南湖を8時間(!)かけて歩き
目にした物、風景などさまざまな収集物が配置されています。


滋賀県で採取した様々なものが展示された会場には、
田上郷土資料館から農村文化の取材ノートや豆植道具、
東京オリンピックと近若鉄道の映像や、近江鉄道写真資料をはじめ、
膨大な資料の数々に圧倒されます。

ワイワイわれらの美術館


5つめの会場では、滋賀県立近代美術館が設立された80年代の
ポスターや図録、模型などが置かれています。


室内にある古いソファや台車、耳をすますと
なんとそこから「声」が聞こえてきます!
美術館の活動をささえてきた、清掃員や監視員、輸送展示業者さんへの
インタビュー音声を、実際に使っていたモノと組み合わせた、これもひとつの作品なのだそう!

5つの会場をめぐっていると、あっという間に2時間が経っていました。
今回は、すこし早足でめぐりましたが、
どれもみどろこたっぷりなので、
気になる作品をもういちど見に行ったり、
途中でキャンパス内のカフェでランチをしたりして、
1日かけてゆっくり楽しむことをおすすめします!

成安造形大学【キャンパスが美術館】さん(@seian_art_center)がシェアした投稿


キャンパス内にある『カフェテリア「結」紀伊國屋』では、
11月26日(日)までの日曜日と祝日のみ、
学生が考案した特別ランチメニューも登場!
この日のメニューには、ブランクーシの『空間の鳥』から
着想を得て制作したスティックが。
この特別ランチメニュー、とても人気で毎回売り切れてしまうそうなので、
気になる方は早めの時間帯に訪れる方が良いかもしれませんね。

11月12日(日)、23日(木・祝)、そして最終日の26日(日)には、
無料のワークショップやワイワイトークなどを開催!

ワークショップイメージ
(写真提供:成安造形大学)
こんな素敵なブローチが作れる、
お子様向けのワークショップ『カラーさわり』もありますよ!
スケジュールは公式サイトでご確認ください。

美術の楽しみ方は自由です。
1度目は新鮮で先入観のない目で、思ったように会場をめぐる。
そして2度目は、受付でもらえる解説資料を読みながら、
作家の意思を感じながら作品を見る。
それだけでも、1度目と2度目の印象はずいぶん違うはず。
「ワイワイわれらのモダニズム」は、11月26日(日)まで開催です。
ぜひ、この機会にアートを気軽に楽しんでみませんか?

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