【秦荘のやまいも/滋賀県愛荘町】
愛荘町の道を車で走ってると見かけた、この看板。
先月は何も無かった気がするのに、今月から急に?
気になったので調べてみると、じつは滋賀ならではの長寿野菜でした!
ほっこりできる「やまいも直売所」
車を停めて、ちょっと覗いてみます。
あのー、すみません。
ここは、山芋のお店なんですか?
そこには、収穫した山芋の選別作業をしながら、店番しているお母さんが。
最近オープンしたお店?とかではなく、昔ながらの直売所。
10月末~11月の『秦荘のやまいも』収穫シーズン中、
収穫した山芋の選別作業をしながら、
B級品を袋詰めして、道端で売っているとのことでした。
(A級品は市場に出荷されます)
作業の傍らでお店を開けてるので、営業日時は不定休。
お母さんが座っていれば、営業中です。
B級品と言っても、カタチが悪いだけで、味はそのまま。
「粘り気はほんまにすごいよ」「細かくすりおろした方がおいしいよ」と、
オススメの食べ方を教えてもらえるだけに、
むしろお得な気がします。
まさに生産者さんの顔が見ながら買い物できる、
安心安全な、ほっこりできる直売所。
11月に入ると路面販売されるのは、
この辺りでは当たり前の風景だそうです。
知る人ぞ知る伝統の長寿野菜『秦荘のやまいも』
この伝統野菜『秦荘のやまいも』。
じつは、愛荘町の中でも安孫子・北八木・東出の3地域だけで栽培され、
11月中旬のごくわずかな時期だけに出回る、幻の野菜だそうです。
(写真提供:滋賀県)
昔から「秦荘のやまいもは、薬になる」と言われたり、
「山のうなぎ」と言われたり、とにかく栄養価がとっても高い!
(写真提供:滋賀県)
そのルーツは、約300年前。
伊勢参りのお土産としてこの地に持ち帰られた“伊勢いも”だそう。
げんこつ型だった“伊勢いも”が、秦荘の土と気候風土の中で長い年月を経て、
現在のさつまいものような形状になったと言われています。
滋賀県は、男性の平均寿命が全国1位(女性は全国4位)の長寿県ですが、
もしかしたら、その秘密の一つが、こういう長寿野菜の存在かもしれませんね。
(写真提供:滋賀県)
『秦荘やまいも』の特徴は、なんと言っても、お箸で持ち上げられるほどの強い粘り!
これが山芋?!
ということで、しがトコ編集部でも買って帰って食してみました。
とろろ?お刺身?『秦荘やまいも』の美味しい食べ方
編集部が買って帰ったのは、もちろん直売所で購入したB級品。
一袋、約700gが入って1,000円でした。
形がごつごつとしているので皮をむくのも一苦労。
タワシか包丁の背でこすって落とすほうが良いそうです。
後から知ったのですが、湿らせたキッチンペーパーにやまいもを包みラップに巻いて、
1~2時間冷凍しておくとするりと皮をはがすことができるんだとか。
これをすりおろします。
ポイントは、できるだけ細かくすりおろすこと。
すり鉢などですりおろすと、きめ細かくふわふわに仕上がります。
すりおろしたやまいもを箸で持ち上げてみると、
なんと、すべて持ち上がってくるじゃないですか!!
なにものにも混ざらない、強い意思のようなものを感じます。
長芋などに比べると水分量が少ないようで
おろし金についたやまいもも、シールをはがすようにきれいにとれます。
こんな経験はじめて!
手で引っ張ってみると、まるでお餅のよう!
食感もねっとりとしたお餅みたいです。
この粘りをまずは、ワサビ醤油で食べてみましたが、抜群!
モチのように箸で持って美味しく頂けました。
お好み焼きに混ぜても使ってみましたが、これも美味しい!
粘り気が強いだけに、生地と混ぜるのにはなかなか苦労しましたが、
その分、旨味が増したような気がします。
(写真提供:滋賀県)
しっかりした食感なので、スライスして“刺し身”にして食べるのもおすすめ。
他にも、美味しい食べ方などのレシピは、
滋賀の美味しいコレクション(やまいもレシピ)にも掲載されています。
一般販売は11月12日から!お買い求めはお早めに!
『秦荘やまいも』の出荷は、2018年は11月12日(月)からだそう。
名神高速道路・湖東三山スマートインター降りてすぐにある
「湖東三山館あいしょう」などで、一般販売もされる予定です。
すでに販売を待ちわびるリピーターからの問合せも多く、
今年は猛暑の影響で収穫数が少ないので、
販売期間はかなり短くなりそう。
気になる人はお早めにお問い合わせを!
「湖東三山館あいしょう」では、
『秦荘やまいも』を使ったジェラートも販売されています。
ナッツのようなブツブツが『秦荘やまいも』。
“粘り”ではなく、さっぱりした食感のジェラートです。
お土産コーナーで見つけた「山芋ボーロ」。
これは美味しかった!お菓子だけど、とっても健康になれそうな味です!
「湖東三山館あいしょう」の飲食コーナーでは、
『秦荘やまいも』を使った「66うどん」も販売中です。
秦荘のやまいもは、種いもから収穫するまで約3年もの月日をかけて育てられます。
また、連作できないため、その年ごとに違う土に植える必要があり、
広大で肥沃な土地が必要となるそう。
農家の高齢化や後継者問題などもあり、栽培農家が減っているのも現状で、
このままでは、この路面販売の風景も見られなくなる日が来てしまうかもしれません。
秦荘やまいもの生産者だった青木さんのおじいちゃんは、
109歳まで生きられたご長寿だったとか!
これは秦荘のやまいも効果を疑わずにはいられません!!
300年もの時を超えて受け継がれてきた伝統野菜が
この先もこの地域で残っていくことを願います。
記事公開日:2018年11月10日/最終更新日:2021年6月15日
「湖東三山館あいしょう」を地図でみる
名神高速道路湖東三山スマートインターのすぐそば!
→大きい地図で見る
『湖東三山館あいしょう』の詳細
- 住所
- 滋賀県愛知郡愛荘町松尾寺1395-1【→地図】
- 営業時間
- 9:00~18:00
- 休館日
- 毎週火曜日(当日が祝日の場合は翌日)
※ 臨時に休館・開館する場合があります。 - 電話番号
- 0749-37-2333
- 公式サイト
- 愛荘観光なび『湖東三山館あいしょう』