カルチャー

落ちるリンゴに何を見る?”ニュートンのリンゴの木”子孫が滋賀にも!

【しがトコPR:ニュートンのリンゴの木】

リンゴの実が木からポトリと落ちた時、
みなさんなら何を思うでしょうか?
イギリスの物理学者アイザック・ニュートンは、
落ちるリンゴを見て「万有引力の法則」を発見したという逸話は有名です。
そのニュートンのりんごの木の子孫が、
じつは滋賀県にもあることをご存知でしょうか。

ニュートンが見た同じリンゴが今でも

色づくリンゴ

これが滋賀にあるニュートンのリンゴの木。
何も知らなければ、よくあるりんごのひとつですが、
ニュートンが見た同じりんごの木を、いまこの時代に見ている!と考えれば
なんだかちょっと胸が熱くなりますよね。

リンゴの木
ニュートンが「万有引力の法則」を発見したのは
1665年にロンドンで大流行したペストがきっかけでした。

当時、通っていたケンブリッジ大学が休校となり、
ニュートンはペストを避けるために実家へ。
田舎で避難生活をしていた期間に、
ニュートンは落ちるリンゴを見て万有引力の法則を発見。
ペストによる休暇期間を、ニュートンは「創造的休暇」と名付けたそうです。

リンゴの木の説明
その後、りんごの木が接木技術により後世に継がれ300年後の
1965年、東京大学の付属施設のひとつである
植物園で隔離栽培されるようになり、
日本各地の学校や科学に関わる施設に分譲され、
ニュートンのリンゴの木は、新たな場所で成長を続けています。

森さん
「もうすっかり風景の一部ですね」と話すのは、
滋賀学園事務局の森さん。
リンゴは2年にいちどのペースで実をつけるものの、
おいしい食べ頃になるとカラスがあっという間についばんで
いつの間にかなくなっているのだとか。
「いちど、家庭科の先生がリンゴをジャムにしてくれて、
試食したこともありますよ。味は、まあ・・・リンゴジャムですね」。

あっぷるちゃん

そして、ニュートンのリンゴは、ジャムだけじゃ終わらない!
こんな愛くるしいキャラクターにもなっていました。
ジャムやキャラクターとカタチを変えながら、多くの人に愛されるリンゴちゃん。

ニュートンのリンゴちゃんのジャムを食べれば「ひらめき力」がつくのだろうか。
いや、それよりも落ちるリンゴを見る目を養わなければ無理だろう。
いやいや、そもそも、落ちるリンゴを見ても「落ちている!」としか思えないのだから、
もうどうにもならないのかもしれない・・・。

とりとめのないことを思いながら取材を後にしつつ、
お次は滋賀学園から車で15分の場所にあるびわこ学院大学へ。

リンゴの落ちる姿、見てみたい!

ニュートンのリンゴの木02
緑が清々しい芝生に、よく見るとニュートンのリンゴの木を発見。
でも肝心のリンゴの実が見当たらず、
びわこ学院大学入試広報課の萩さんに聞いてみました。

萩さん
「あぁ〜、リンゴは先月に全部落ちちゃいましたね〜。
カラスが食べたり、キャンパス内にあるこども園の子どもたちが
落ちたリンゴをつかんだり、時々、遊んだりして、
おうちに持って帰った子もいるのかな?」と穏やかな口調で話す萩さん。

ニュートンのリンゴの木が、当たり前のようにそこに馴染んで
日常そのものになっている。そんな様子になんだか和んでしまいました。

東近江の自然
ふと視線を遠くへやると、東近江の豊かな自然の景色がそこに。
ニュートンはペストを避けるために故郷へ逃れ、
自然いっぱいの田舎の景色の中で、リンゴの木を眺めながら、
瞑想にふけっていたとも言います。
「いまの学生は、ニュートンの時代と違って、
大学が休校になってもオンライン授業や課題に追われて・・・。
リンゴの木を眺める時間もないかもしれません」と苦笑いする萩さん。
とはいえ、この滋賀の豊かな景色はいつもそこにあって、
誰かが物思いにふけってくれる時を、じっと待っているのかもしれません。

リンゴの木と芝生
びわこ学院大学のニュートンのリンゴの木は、
キャンパスの外からでも見ることができます。
ぜひ、目の前に広がる東近江の風景を眺めながら、
リンゴの木を間近に見上げて、思いを馳せてみるのはいかがでしょう。

ちなみに、今回、お話を聞いたおふたりの先生に
リンゴが落ちる姿を見たことありますか?と尋ねてみたところ
数十年と勤務しているけれど、見たことも、
ましてやリンゴが落ちる音も聞いたことがないそうです。
リンゴが落ちる瞬間と出会うには、
自由な時間と、それを待つだけの心の余裕も必要なのかもしれません。

ヒマもムダも、ぜんぶ大切

青いリンゴ

ニュートンが「万有引力の法則」を発見したのは
ペストで学校が休校し、実家に戻った時でした。
都会の喧騒を離れて、自然豊かな地元で時間を過ごす毎日。
人との距離を保ち、友達と笑いあうことも少なくなって、
自由に出かけることもできなくなった期間のことでした。

その頃のニュートンは、外から見れば、ただ、じっと静かに木を眺めているだけ。
活発に動いているわけでもないし、何もしていないようにも見えていたのかもしれません。
でも、内側の心の中はいつも忙しく動き回り、自由でした。

ニュートンは、リンゴが落ちる姿を見てこう思いました。

「リンゴは落ちたように見えるだけで、本当は、地球に引っ張られている。
そしてリンゴも地球を引っ張っているのだ」。

落ちたように見えているだけで、本当は違うのかもしれない。
そう見えているだけで、本当は、そこには、思いもよらない理由がある。

当たり前、当然、そうにちがいない。決めつけるほうが安全だし簡単だけど、
「いや、そうじゃないかもしれない」と疑ってみるのは、けっこうエネルギーが必要で。
心がいっぱいっぱいな時は、簡単なほうを選びがちになってしまうけれど、
時々は、落ちるリンゴを眺めるニュートンのように(?!)
豊かな滋賀の自然を見つめて、思いにふける時間もきっと大切。

リンゴの実が木からポトリと落ちた時、
みなさんなら何を思うでしょうか?

滋賀県では、現在、新しい日常(NEW NORMAL)をテーマとした動画を制作されています。
新型コロナウイルス感染症の流行により、私たちの日常は大きく変化しました。
県民一人ひとりが感染予防対策を生活習慣として取り入れ、
感染症と共存しながら新たな生活を送っていく中で、
「新しい日常」という価値観やライフスタイルを受け入れていく準備が必要です。

リンゴの実が木から落ちた時、
みなさんなら何を思いますか?

リンゴは落ちるという”当たり前”が、じつはそうではないかもしれない。
新しい価値観を受け入れるためにも、心のスペースをいつもより広く取って
ヒラメキや発見、柔軟な気持ちの芽を、ゆっくり育てていきたいものですね。

そんな新しい日常(NEW NORMAL)をテーマとした動画は、
10月21日(水)14時より滋賀県公式YouTubeにて公開!

仕上がりは面白おかしな世界観ですが、その根底には、
けっこうマジメなメッセージも隠されているのでした。
気になる方は、ぜひのぞいてみてくださいね。

■滋賀県公式サイト
「ニュートンに学ぶ、これからの滋賀ノーマル」/滋賀県広報MEDIA

■動画
滋賀県公式youtube「ニュートンに学ぶ、これからの滋賀ノーマル」動画
滋賀県公式youtube「ニュートンに学ぶ、これからの滋賀ノーマル」動画 30秒バージョン

写真提供:学校法人滋賀学園
*リンゴのキャラクター、リンゴの実の写真

(取材・文 しがトコ編集部)

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