イベント

視点が変われば表現はちがう。成安造形大で『パースペクティブ スパイラル』展が開催中です!

人体模型の版画

【美の滋賀trip!/成安造形大学「キャンパスが美術館」】

成安造形大学で企画展『パースペクティブ スパイラル』が開催されています。

日本画、立体版画、映像、服飾など、スタイルもバラバラな5人の若手作家が自由に表現。
視点が変われば表現はちがう。違うからこそ面白い!

芸術の秋、心を解き放ってアートの世界に飛び込んでみませんか?

フィギュアのような立体版画

看板

自然に囲まれたロケーションが魅力の「成安造形大学」。
芸術に触れ、感性を磨くには絶好の場所です。

例年秋には、一般開放されている「キャンパスが美術館」を使って
アートイベントが開催されていましたが、コロナ禍の今年は規模を縮小し作品展を開催。
同大学で助手として働く5人の若手作家の作品が並びました。

人型版画

会場に入ってまず目を引いたのが、これ。
人体模型・・・でしょうか?

こちらは版画家・須崎喜也さんの作品です。
木版画の立体化を探求するアーティストで、シリコンを使って版画を立体的に表現しています。

人体模型アップ

たしかに、近づいて見てみると、彫刻刀を使って彫ったような凹凸があります。
ただ立体化するだけでなく、“フィギュア”化する見せ方にもこだわっているのだとか。

人体模型の版画

こちらは紙に刷ったもの。
作品タイトル「文身図像」の「文身」とは刺青のことで、全身刺青の人間を版画で表現しているそうです。

ナイキスニーカー立体版画

これも須崎さんの作品。
ナイキのスニーカーが立体版画になっています!

ナイキスニーカー版画版

こちらが版画の版。
シリコンに図柄を転写し、組み立てると先ほどのスニーカーができあがるんです!
先ほどの作品と見比べてみると、たしかに凹凸が逆ですね。

ナイキスニーカーの箱

版画がプリントされた木箱。
「限定版スニーカーがこの箱に入っていたらプレミアつきそう!」なんて思ってしまいました(笑)。

同じものを見ても表現はそれぞれ

桜島

入り口の横に展示されたスケッチ画。
日本画作家・梶浦隼矢さんの作品「桜島(写生)」です。

梶浦さんは旅が好きで、色々なところを旅して、スケッチをしているそう。
このスケッチもそんな旅の途中での一枚です。

山という字

こちらは須崎さんの「山という字」。
同じく山を表現した作品です。

山々

そして、こちらの陶器に油彩で描画した作品も、鮫島ゆいさんが表現した「山々」。

同じ山を見ていてもどこに面白さを感じるか、その視点はそれぞれで、表現方法も千差万別。
これが今回のテーマにも繋がる『perspective spiral(パースペクティブ スパイラル)』。

「パースペクティブ」とは、“世界を認識する視点”。
作品を鑑賞することで作者がもつ「パースペクティブ」に触れ、
この出会いが「スパイラル(渦)」のように繋がっていけばという意味が込められているのだそう。

オーディオガイド

それぞれの作家の視点は用意されているオーディオガイドで聞くことができます。

ガイドを聴きながら作品を見ていけば、「なるほど!」と納得したり
「え?そうなの??」と驚いたり、作者のものづくりに対するひたむきな情熱も伝わってきました。

独自の世界を表現する作品はほかにも

寺田服

ポスターやロゴ制作を主に手掛けるデザイナーの寺田駿志さんが、
服飾デザイナーの瀬戸川裕太さんとコラボして作ったもの。

デザインとアートの隔たりを探求し、自身がデザインしたカバンなども使って
ファッションショーをした映像も流されていました。

梶浦共振

仰木の里周辺の里山にたくさん自生しているアザミを描いた作品。
作者の梶浦さんは忙しい日常の中で忘れさられそうなものたちに足を止め、
それを絵にしているのだとか。
職場でもある成安造形大学ちかくの風景を描くことも多いそう。

鮫島抽象画

どこか目をひく抽象画は鮫島ゆいさんの作品。
その筆つかいは優しく、色使いもやわらかで、どこか包容力を感じます。

水野映像

CGを使わず、時間をおいて撮影したいくつかの映像データを重ね合わせることで
揺らめく水を表現した映像作品。
水野勝規さんの作品です。

白鬚神社ポストカード

こちらは会期前から毎日一枚ずつ水野さんから届くポストカード。
取材したのは初日だったのですが、毎日一枚ずつカードが増えていきます。
同じように見えても一日一日は違う。そんなメッセージを感じました。

鑑賞者

きっと同じ作品を見ても、私とあなたでは受け取るものも、伝えたいことも違ってくるはず。
自分の価値観にとらわれず、新しい切り口の作品を楽しんでみてください。

(写真・文 若林佐恵里)

「成安造形大学」を地図でみる

国道161号線「雄琴IC」から車で約15分

成安造形大学

→大きい地図で見る

『パースペクティブ スパイラル』の詳細情報

会期
2020年10月23日(金)〜11月14日(土)
休館
日・月曜日
開場時間
11:00~17:00
場所
 〒520-0248 滋賀県大津市仰木の里東4-3-1
→地図
問い合わせ
成安造形大学【キャンパスが美術館】077-574-2111
入場料
無料
公式サイト
https://www.seian.ac.jp/news/event/37478.php
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