イベント

町家や酒蔵、銭湯がアートの舞台!『BIWAKOビエンナーレ2020』開催中です

山の湯 女湯浴場

【美の滋賀trip!2020#01】

昔懐かしい銭湯もピンク一色に!

2年に1度の国際芸術祭『BIWAKOビエンナーレ2020』が始まりました。
近江八幡の旧市街地に残る
朽ちた町屋や酒蔵などが、現代アートの力で斬新に蘇り、
町歩きも一緒に楽しめるアートイベントです。

今回から新たに会場になった彦根エリアでは、
昭和の面影が残る銭湯の浴場にピンクの毛布が敷き詰められていたり、
文具店の地下室に赤血球のオブジェが飾られていたり。

なんだか意味はよくわからないけど、
それぞれの作品から放たれるパワーはびんびん感じる!
そんな熱気に満ちた各会場を回ってみました。

彦根では初開催!路地裏の銭湯や商店街の空き店舗が会場に

山の湯 外観

彦根エリアの会場のひとつ「山の湯」。
市内に残る唯一の銭湯として営業を続けてきましたが
昨年夏、140年の歴史に幕を下ろした由緒ある銭湯なんです。

山の湯 玄関

入口から見える風景がすでに映画やドラマで見たような世界観!
入る前からわくわくしてきます!!

まずは、左手の女湯からのぞいてみましょう。

山の湯 女湯脱衣場

磨き上げられた床に大きな脱衣かご。
銭湯に通った思い出はないけど、なんだか懐かしく感じます。

木のロッカーの手前にある番号の入った台には
赤ちゃんを寝かせておいたりしたそう。

山の湯 金魚水槽

「この浴室の手前の水槽に金魚が泳いでてな、
子どもらが喜んで見てたんよ」
なんて、懐かしそうに話すご近所さんの姿も。

山の湯 女湯浴場

浴場に足を踏み入れるとそこはピンクの世界!

東京在住の作家・江頭誠さんの作品です。
浴場の床や浴槽にピンクの毛布を何枚も敷き詰めています。
ご自身の娘さんがピンクが好きということから
インスピレーションをえたんだとか。

山の湯 洗面器

洗面器や風呂椅子までピンク!
使い込まれた蛇口や鏡のレトロ感とピンクがあいまって
なんとも不思議な感覚を覚えます。

山の湯 男湯脱衣場

こちらは男湯の脱衣場。
岡林まゆみさんの作品で、在りし日の銭湯の賑わいを表現しているのだそう。

山の湯 番台

銭湯といえば、番台!
誰しも一度は座ってみたい椅子のひとつではないでしょうか(笑)
そんな番台にも座ることができちゃいます!!

山の湯 番台の目線

こちらが、番台からみえる目線。
当たり前ですが、女湯・男湯どちらの様子もしっかり見られるんですね!

山の湯 男湯脱衣場看板

「明日ふろわきます」の看板に
銭湯が必要とされていた当時に思いを馳せたり。

そんな風に、古い建物に残る歴史や記憶も丸ごと感じられるのが
『BIWAKOビエンナーレ』の魅力です!

山の湯 男湯浴場

男湯の浴場内には田中誠人さんの作品がありました。

熱と風をあてながら、船の中で湯垢が育てられているのだとか。
時間の経過とともに湯垢がどうなっていくのか、気になりますね。

元ノムラ文具店 外観

こちらは、銀座商店街にある「元ノムラ文具店」。
彦根エリアの総合案内所になっているので、最初に訪れると各会場を案内してもらえます。

元ノムラ文具店 映像作品

戦後の彦根ではマラリアが流行し、彦根城の外堀を埋めたことがあるんだとか。
当時の記録映像やインタビュー映像で、そんな彦根の歴史を紐解いています。

元ノムラ文具店 地下室

その奥にある階段を下りると地下室。

感染症との戦いを思い起こさせる、
赤血球をモチーフにしたオブジェが展示されていました。

ほかにも彦根エリアでは、彦根城や名勝玄宮園、足軽屋敷、
礼拝堂や元遊郭など、バリエーションに富んだ建物が会場になっています。

酒蔵の中に砂浜?コロナで来日できなかった海外作家からのメッセージ

まちや倶楽部 映像作品

ゆったりとした波の音をBGMに、砂浜に置かれた小瓶を眺める人。
こちらは近江八幡エリアの「まちや倶楽部」の一幕。

作曲家・林イグネル小百合さんと、ランドスケープデザイナー・saihoさんが
空間展示で米サンフランシスコの夕日が沈む様子を描いています。

瓶の中の手紙

ランタンの灯りで照らしながら瓶の中を覗きこむと
そこには優しいメッセージが・・・

観覧者からの手紙

作品を見て感じたことなど、自分の想いも書きとめて小瓶にいれておけば
来日できなかった作家や世界にメッセージが届けられます。

こんな時代だからこそ、優しい想いがより広がるといいですね。

自分も作品の一部に!見るだけじゃなく、作品の中に入って楽しもう

喜多七右衛門邸 展示作品1

町家の中とは思えない漆黒の空間。
真ん中にひとつ置かれている座布団に座れば、自分も作品の一部に。

展示作品1の足元

足元を覗き込むと、奈落の底に落ちるかのような錯覚。

展示作品1のアップ

でも、自分を囲んでいるのは「キューピーちゃん」なんてところが、ユーモラスでもありますよね!
じっくり見ると、キューピーの顔の向きもちょっとずつ違ってるんですよ。

ほかにも!感性を刺激する作品いっぱい

旧扇吉もろみ蔵

今回のテーマは「森羅万象~COSMIC DANCE」。

“地球に存在するありとあらゆるものは、変化と生成の中にあり、
なにひとつ、一瞬たりとも制止するということはありません。
すべての存在は、無論私たち人類自身も含め、宇宙の一員であり、
ともにこの地球を舞台に踊るダンスの共演者なのです”
(BIWAKOビエンナーレ2020リーフレットより抜粋)

カネ吉別邸1

町家の座敷はもちろん、

カネ吉別邸2

蔵の中や、

カネ吉別邸3

中庭も舞台!

まちや倶楽部1

酒蔵だった「まちや倶楽部」では、その大きな空間を利用して
大型の作品も多数展示されています。

まちや倶楽部2

まちや倶楽部3

まちや倶楽部4

喜多七右衛門邸1
近江商人のお屋敷「喜多七右衛門邸」にも、たくさんの作品が展示されています。

喜多七右衛門邸2

八幡山ロープウェー

八幡山の上も展示会場に!
ロープウェイを使って山頂へ登れば小旅行気分も味わえます。

八幡山展望館

「八幡山展望館」では、
瓦産業が発展していた近江八幡の伝統的な飾り瓦とともに
近江八幡の街並みを見下ろせます。

村雲御所瑞龍寺門跡

豊臣秀次の菩提寺「村雲御所瑞龍寺門跡」も会場のひとつ。

まちや倶楽部5

じっくり見て回れば1日あっても時間が足りないほど。

町歩きも楽しみながら、アーティスト達が作り出す不思議な空間に、
日常を忘れてどっぷり浸ってみませんか?

『BIWAKOビエンナーレ2020』を地図でみる

近江八幡駅からバス利用、近隣駐車場もあり

近江八幡エリア総合案内所「藤ya」

→大きい地図で見る

『BIWAKOビエンナーレ2020』のデータ

会期
2020年10月10日(土)~11月23日(月・祝)
開場時間
10:00~17:00
場所
近江八幡エリア10会場(総合案内所:藤ya)
彦根エリア8会場(総合案内所:元ノムラ文具店)
休場日
水曜日
料金
共通チケット(近江八幡エリア・彦根エリア)一般3,500円 学生2,500円 中学生以下無料
各エリアチケット(1エリア分)一般2,500円 学生2,000円 中学生以下無料
※単館チケットあり ※ロープウェー利用は別途
お問い合わせ
BIWAKOビエンナーレ実行委員会事務局 0748-26-5832
公式サイト
https://energyfield.org/biwakobiennale/

※「美の滋賀trip!」は『しがトコ』が企画・取材を担当し制作しています。この記事は、滋賀県公式のポータルサイト『美の滋賀trip!』でも公開されています。

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