【しがトコPR:滋賀をみんなの美術館に】
「コロナ禍でも地域と一緒にイベントがつくりたい!」
大学生の強い思いが、地域の魅力を再発見できる
すてきなアートイベントを成功に導きました。
滋賀県大津市の「堅田」で開かれた
「堅田*はまさんぽ~湖にであう風と綿~」です。
密にならないように展覧会を開催するには?
対面で話をしなくても交流できるワークショップは?
学生たちが連日連夜、考え抜いて出た「新しい答え」とは…。
2021年11月に開催されたイベントの詳細とともに、
学生プロジェクトメンバーの”コロナ禍での
地域とアート”にかける思いをお伝えします!
地域の住民と一緒につくるアートイベント「堅田*はまさんぽ」
(撮影:馬場晋作)
「堅田*はまさんぽ」は、
「地域に深く関わり、地域のことをもっと知る」をコンセプトに
大津市にある成安造形大学の学生が、2018年から
堅田浜通り商店街を舞台に開催しているアートイベントです。
(撮影:堺俊輔)
(作品名《How to touch the landscape》 片岡周介作)
これまで、空き家をまるごとアート会場にした催しや、
お店のショーウインドウや自宅をかりて学生のアート作品を展示したり、
地域の人々を巻き込んだワークショップなどを開催してきました。
(2019年の「THE COPY TRAVELERS」によるワークショップの様子)
しかし、昨年は突然猛威をふるった新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、
これまで通りの「堅田*はまさんぽ」の開催は難しくなりました。
それでも、「自分たちのアートを展示する機会を諦めたくない」
「せっかく根付きはじめた『堅田*はまさんぽ』を絶やしたくない」と、
2020年度は、人を集めて展示会を開催することから、
地域の人々と遠隔かつ共同でものづくりをすることに目的をシフト。
コロナ禍での開催が2回目となった今年も、その志を継ぎ、
2021年4月から企画がスタート。
同年11月に「堅田*はまさんぽ~湖にであう風と綿~」を開催しました。
地域とつながる「落ち葉とひろがるみんなのいろ」プロジェクト
メインのイベントとなったのは、
「落ち葉とひろがるみんなのいろ」プロジェクト。
落ち葉の枠だけが書かれた紙に自由に色を塗るというワークショップです。
集まった落ち葉はプロジェクトメンバーの学生が再構成。
色の変化でグラデーションを作り、展示されました。
(撮影:堺俊輔)
ワークシートは、地域の回覧板に挟んだり、
小学校や自治会などに協力をお願いしたり、
大学内にワークショップスペースを開設したりして
なんと約350枚も集まったそう!
代表の有村さんは、
「落ち葉を好きな色に塗る人もいれば、顔を書いたり、
落ち葉の枠外に絵をかいたりする人もいて、
そんな自由な表現方法があるんだ!と、
受け取る私たちもワクワクしながら制作しました」と振り返ります。
オリジナルキャラクター「らくがんさん」が、看板や旗になって商店街に飛び出す!
2020年に「堅田*はまさんぽ」の
オリジナルキャラクターとして生まれた「らくがん」さん。
堅田にある浮御堂や、ゆかりのある一休さん、
近江八景に描かれている雁(がん)などがモチーフとなっています。
滋賀県発祥といわれている飛び出し坊やのように
らくがんさんが商店街のいたるところに登場!
吹き出しには、お店のおすすめが書かれています。
豆腐屋さんの前にあるらくがんさんには、
「寒くなってきておなべの季節らく~おなべにおとうふ、どうらく~?」。
”ゆるかわいい”口調にも癒されますね!
(撮影:馬場晋作)
また、堅田のまち歩きを楽しんでもらおうと、
らくがんさんのスタンプラリーも開催。
3種類のスタンプを重ねて押すと、らくがんさんが浮かび上がるというもの。
地域の子どもたちを中心に50名以上が参加したそう!
いつもの風景に彩りを添える!学生作家12名によるアートの展覧会
(作品名:《park》/《lighthouse》 新田優貴作)
成安造形大学の学生と、
堅田地域の交流をはかることを目的として
2018年から続く、学生作品による展覧会。
今年は12名の学生による作品が、
堅田浜通り商店街の計8か所で展示されました。
(作品名《ビワコ―近江富士が見える風景2》 キム・スジュン作)
何もないショーウインドウや空き家に彩りを添えるアート作品の数々。
普段と違う堅田浜通り商店街の風景が楽しめるとあって、
地域の住民にも大人気なのだそう!
滋賀県立美術館で成果展を開催
「堅田*はまさんぽ~湖にであう風と綿~」の開催後には、
その成果展が滋賀県立美術館にて、2022年2月1日~13日にわたって開催されました。
「落ち葉とひろがるみんなのいろ」プロジェクトで展示された落ち葉は、
新しく大きな屋根となってよみがえりました。
資料として置いていた落ち葉のワークシートは
いつの間にかたくさんの色でいっぱいに!
プロジェクトが終わってもなお、広がりを見せていました。
地域とアート。目指すのは、特別な一日ではなく”日常の延長”
「堅田*はまさんぽ」の代表を務めた2年生の有村聡美さんは、
今回の「堅田*はまさんぽ~湖にであう風と綿~」の活動を振り返り、
「コロナ禍で対面でのコミュニケーションが難しくなりましたが、
その分、LINEやZoomなどの手段が選びやすくなっています。
プロジェクトメンバーとのやり取りでもたくさん活用したので、
案外、コミュニケーション面で苦労したということはありませんでした。
ワークショップでも、地域の回覧板というツールを使わせてもらって、
日常に溶け込んだような、より地域とつながれたような感覚になりました」。
コーディネーター役の馬場晋作さんは、
「ワークショップを開催することで、みんなが当事者になります。
特別な一日をつくるのではなく、
日常に溶け込みながら地域の人々とコミュニケーションをとることで、
堅田の魅力を再発見できるような展覧会やイベントができました。
今年の『堅田*はまさんぽ』は今後のベースになりそうな予感がしています。
すべては、コロナ禍になり突然制限が生まれたからこそ考えたこと。
けがの功名でした」と答えてくれました。
コロナ禍だからこそ生まれた
”これからのスタンダード”になりえる地域とアートの新しい形。
来年以降の「堅田*はまさんぽ」はどのような企画になるのか?
今からとっても楽しみです!
「堅田*はまさんぽ~湖にであう風と綿~」の概要
- 開催期間
- 2021年11月19日~28日
- 開催場所
- 堅田浜通り商店街周辺 メイン会場「草の家」
- 主催
- 地域とアートプロジェクト実行委員会・成安造形大学
- 公式サイト
- https://sites.google.com/view/hamasanpo/堅田はまさんぽ
提供:滋賀県 「滋賀をみんなの美術館に」プロジェクト http://bino-shiga.net/