【ノーベル賞受賞・坂口志文/滋賀県長浜市】
滋賀出身者初のノーベル賞受賞者が誕生しました!
2025年、生理学・医学部門で受賞が決まったのは、
長浜市出身の坂口志文(さかぐち・しもん)さん。
坂口さんが発見し、30年以上研究を続けてきた「制御性T細胞」。
これ、何がすごいかというと——
花粉症などのアレルギーから、がん治療まで。
免疫の暴走を抑える”司令塔”のような細胞で、
私たちの暮らしに関わる病気の治療が大きく前進すると期待されています。
地元・長浜で開かれた「お祝いの会」を取材してみると、
そこには10年以上「この日」を信じて待ち続けてきた市民の姿がありました。
長浜の誇り!興奮冷めやらぬ市民の声
11月7日、長浜市役所で開かれた「お祝いの会」。
坂口さんの姿を一目見ようと、多くの市民がかけつけました!

祝福の演奏を披露した坂口さんの母校・長浜北高校吹奏楽部。
受賞のニュースを受けて、「やばくない!?」と盛り上がったそう!
坂口さんの背中を追って「勉強も部活も頑張りたい!」と意気込みを語ってくれました。

会場の音を聞きつけて、近所から急いでやってきたというご家族は・・・。
「長浜からこんな偉人が!ってニュースで知って嬉しかったです。鼻が高い(笑)坂口さんに会えたよって両親にも自慢します!」
二人のお子さんがいて、育児真っ最中。
「今後、国際的な世の中になっていくと思うので、英語とか英才教育を・・・って思いつつ(笑)やっぱり一番は、坂口さんのように自分の好きなことを伸ばしていってほしいですね」

会場の一番前で熱心に坂口さんの話を聞いていた親子は、この日を楽しみに待っていたんだとか。
「坂口さんに会える機会は滅多にないので、子どもたちに見せたくて」とお母さん。

坂口さんに会えてどうでした?
「近くで見られて嬉しい!」
「陸上やってるから毎日走る!」
「坂口さんのように諦めずにやりたいこと頑張りたい!」
長浜から世界に羽ばたいた坂口さんの姿は、”好き”を頑張る子どもたちの背中をしっかり押してくれています。
受賞後初!坂口さんが故郷へ凱旋

長浜市役所前のレッドカーペットに降り立ち、待っていた市民から熱烈な歓迎をうけた坂口志文さん。
「こんなに多くの人が集まってくれるのを予想していませんでした。長浜は何かあれば帰ってくる場所。たくさんの人に祝ってもらえてありがたいです」と話していました。

また、半世紀にもおよぶ研究人生を「楽しかった」と振り返り、
「興味があることは続けることが重要。その中から思いがけない発見があり、ますます物事が面白くなっていきます。
勉強もスポーツも、焦らずに前に進んでほしいですね。」
と、若者にエールを送りました。
毎年祈っていた・・・受賞を待ち続けた同級生たち
なかでも、坂口さんをひときわ熱い祝福で出迎えたのがこちらの皆さん!

お手製のうちわに横断幕。
母校・長浜北高校で同じクラスだった同級生たちです。
ノーベル賞候補に上がるようになって以来、
毎年発表の日に集まり、受賞の知らせを待ち続けてきました。

集まるきっかけになったのは、2015年。
坂口さんが”ノーベル賞の登竜門”ともいわれる「ガードナー国際賞」を受賞したことでした。
「すぐにでもノーベル賞をとるんちゃうかなって、みんながバーッと盛り上がって。」
ってことは、集まり続けて10年ですか!?
「そうね、なんか長かったね」
「でも、待っててよかった。ノーベル賞って遠いとこのものやけど、なんか身近に感じられて自分のことのように嬉しくって」
「私も100人近い人がおめでとうって、いまだに言うてくださるの」
「自分が受賞したみたいやわ(笑)」
「ほんま、ほんま」

うちわや横断幕は、初めて集まった10年前に作ったもの。
「今年こそ、今年こそ、今年こそと思って、やっと日の目を見て嬉しかったです。」

昔の写真を前に、坂口さんとの思い出話が尽きない皆さん。
「頭が良いのは飛び抜けてたな」
「サークルで英語劇を一緒にやったんですよ」

とはいえ、ノーベル賞の候補にあがって10年。
坂口さんも何度も集まってくれる同級生に「すまんなあ」とメールしていたそうです。
皆さん、途中で諦めそうにはならなかったんですか?
「坂口さんがおごることなく、みんなにありがとうありがとうって感謝される謙遜深い方ですわね。だからみんな集まるんだねって」
「ダメでもまた来年会えるから。年にいっぺん会えるのが楽しかったんやな」
絆を育んだ、長浜の風土
セレモニーの中で、長浜の豊かな自然をありがたく思っていると話した坂口さん。
幼い頃は自転車を走らせて琵琶湖にも通ったそうです。

その思いは、同じ時代を長浜で過ごした皆さんにとっても一緒。
「長浜は琵琶湖も見えるし、伊吹山も見えるしね」
「豊臣秀吉や浅井長政ゆかりの地で、寺も多い。歴史にも恵まれてる」
当たり前だけれど、当たり前ではない。
長浜の風土があったからこそ、つながりを大切にしてこれたといいます。

「やっぱり長浜は人が穏やかというか、人情味が温かい感じがするなって思います」
「こういう集まりが自然にできるというのも長浜の風土やな」
信じた道をただひたすら歩き続けた坂口さん。
険しい研究の旅を支え続けた存在が、確かに長浜にあったのでした。

来年から集まりがなくなると寂しいですね・・・?
「いや、集まろうって言うてる(笑)記念日にして」
「みんな元気か確認もできるし」
「1年に1回の楽しみですから!」

ノーベル賞の授賞式は、12月10日にスウェーデン・ストックホルムで開かれます。
長浜市民の祝福の熱は、まだまだ冷めることはなさそうです!
(取材・文 福田玲子 写真・編集 しがトコ編集部)












