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8mmフィルムに残る「昔の滋賀」江若鉄道や昭和初期の風景も登場した映像上映会をレポート

過去の上映会の様子

【8mmフィルム映像上映会at大津歴博/滋賀県大津市】

スクリーンに映し出される、昭和初期の滋賀の風景。
江若鉄道や大津まつり、一般家庭の団欒の様子から、
時代が大きく移り変わったことを実感します。

12月3日(日)におうみ映像ラボによる
『8mmフィルム映像上映会at大津歴博』が開催され、
来場者は懐かしい映像が映し出されるスクリーンに釘付け。
「昔の大津駅だ。懐かしい!」などの声が上がることも。

大津市在住の方が持ちこまれたフィルムをその場で上映すると、
ご両親の結婚式の映像が流れ、今は亡きお父様の姿を見て
涙を流されるシーンもありました。

あたたかい空気に包まれた、当日の会場の様子を
レポートします。

「懐かしい!」という声が飛び出す会場。来場者には自然と笑顔が

大津市歴史博物館
滋賀県各地で定期的に開催されている『8mmフィルム映像上映会』。
今回の会場となった「大津市歴史博物館」は、紅葉の名所「三井寺」
からも近く、12月3日はたくさんの人で賑わっていました。

上映会ポスター
入館するとすぐにポスターを発見。
1階の講堂へ向かいます。

スクリーンを眺める来場者
会場内にはずらりと椅子が並び、スクリーンに映し出される映像を
みんなで一緒に見るスタイル。
大津市歴史博物館の学芸員である木津勝さんが、映像の説明を行っています。

江若鉄道と白鬚神社
こちらは廃線間際の江若鉄道が走っている映像。
なんと白鬚神社の湖中鳥居のすぐそばを走っています!

この頃を知らない取材陣は驚きでしたが、
会場からは「懐かしい」や「こんなだったなぁ」という
声がそこここから聞こえました。

会場の様子
昭和初期から昭和50年代の「大津まつり」の様子を見比べていると、
「子どもの頃、曳山に乗っていました」という方も!
見慣れた町並みではあるものの、道の幅が狭かったり、見物客の服装や
髪型を見ているとタイムスリップしたかのような感覚におちいります。

貴重な機材やフィルムの展示で、会場はレトロな雰囲気に

貴重な機材
会場では、貴重な機材やフィルムの展示も行われていました。
こちらはなんと1971年に発売された『FUJICA Single-8 Z800』。
当時の定価で約8万円!!
8倍ズームレンズや多くの機能を搭載した高級機とのこと。
きっと当時これを手にしていると、憧れの的だったのでしょうね。

義仲寺
こちらは一般のご家庭に残されていたフィルムです。
「義仲寺」や「大津駅」など、場所ごとにタイトルが
つけられています。

古いフィルム
「おちごさん」や「きき耳地蔵さん」の文字。
お子さんが小さい頃に撮ったものでしょうか。

全く知らないご家庭のフィルムですが、昔の様子を想像して
ふと懐かしい気持ちになるから不思議ですね。
会場全体に流れるレトロな雰囲気がとてもあたたかく、
心地よい空間でした。

持ち込まれたフィルムの上映も。思わぬ再開に涙がポロリ

持ち込み上映
こちらの大津市在住の女性。
家に眠っていたフィルムを見ることができるかも、
と持ってこられたそうです。

専門家がその場で修復しながらスクリーンに映し出すと、
そこにはご両親の結婚式の映像が。

3歳の頃にお父様はお亡くなりになったそうで、このフィルムも
「幼い頃に見たとは思うけど、内容は記憶に残っていないんです」
とのこと。
カタカタと音を立てる映写機の隣で、ハンカチで目頭を押さえながら
見入っているお姿に、取材陣も思わず涙が。

修復中
古いフィルムは劣化しており、すぐにちぎれてしまいます。
それを丁寧に修復する作業です。

修復やフィルムの上映を担当するのは、京都で映像フィルムの
修復、復元、そしてDVDへの変換をされている
『株式会社 吉岡映像』の皆さんです。

代表の吉岡博行さんは、
「京都にもこういう上映会はあるけど、こんなに人が集まるなんて!」と
当日の来場者の多さに驚いていました。

残し、伝え、共有することの大切さ

この上映会を開催しているのは、『おうみ映像ラボ』の皆さんです。

過去の上映会の様子
(写真提供:おうみ絵像ラボ)

代表の長岡野亜さんは2006年から滋賀県内で映画を製作し、
上映会を行っていました。
その上映会で今のメンバーが「他にも滋賀でどんな映像がつくられているのか、
残っている映像を見てみたい」と声をかけてきてくれたそうです。

滋賀の暮らしや知恵、滋賀で制作された映像を共有することの大切さにも気づいた長岡さん。
『おうみ映像ラボ』を発足させ、今では定期的に滋賀県各地でこのような
『8mmフィルム映像上映会』や滋賀の風土を生かした『体験型上映会』を開催しています。

増田さんと長岡さん
フィルム提供者である増田信明さんの隣で、
質問や解説をしながらスクリーンを眺める長岡さん。
会場を盛り上げながら、来場者と懐かしさや驚きを共有することで、
アットホームな雰囲気を作り上げていました。

このように実際の昔の映像を見ると、眠っているフィルムの発掘や、
フィルム修復・データ化の大切さを改めて感じますね。

昔の映像を見ることで、「現在」についても新しい気づきがあります。
それがまた「未来」へと繋がっていくのではないかと思わされる
貴重な経験となりました。

歴博からの眺め
会場となった大津市歴史博物館からの清々しい眺めです。

当日上映された「昭和7年の大津まつり」などのフィルムは、
大津市歴史博物館所蔵ですので、今後も博物館で見ることができます。
興味のある方はぜひ足を運んでみてくださいね。

記憶を呼び起こし、懐かしい気持ちになる『8mmフィルム映像上映会』。
映像を通して、滋賀の昔の暮らしや古くから伝わる知恵などにも触れることができます。
前回は彦根、今回は大津での開催でした。
次回はどこで開催されるのか、告知を楽しみに待ちたいと思います。

『8mmフィルム映像上映会』のデータ

開催場所
滋賀県各地
開催時期
毎年秋頃に開催
入場料
無料
主催
おうみ映像ラボ

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