カルチャー

「町屋×現代アート」の化学反応!この秋、滋賀がアートに染まる『BIWAKOビエンナーレ2022』がスタート

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【BIWAKOビエンナーレ2022/滋賀をみんなの美術館にプロジェクト】

築200年近い古民家に、突然、現れる「現代アート」。
作品が展示されるのは、美術館ではなく古民家や酒造工場など、
滋賀の歴史ある建物!

2年に一度、滋賀を舞台に開かれるアートイベント
『BIWAKOビエンナーレ2022 “起源~ORIGIN” 』が
2022年10月8日より始まりました。

日本だけでなく、フランス、イギリス、スウェーデン…
各国のアーティストの作品を味わう、またとない機会です。
10回目の節目となる今年は、
近江八幡、彦根会場に加えて、
琵琶湖に浮かぶ有人島「沖島」と、
歴史ある宿場町、彦根の「鳥居本」も新たに会場に!

今回の記事では、そんな『BIWAKOビエンナーレ』の見どころを、
近江八幡旧市街を中心にご紹介します。

11月27日までの会期中にぜひ、
アートに染まる滋賀の町並みを楽しんでください!

「古民家×現代アート」の共鳴

『BIWAKOビエンナーレ』の大きな魅力は、
歴史ある建物と、現代アートの“共鳴”です。

江戸時代の木材商人の家と伝えられる町屋、
「カネ吉別邸」(近江八幡)も会場の一つです。
さて、建物の中はどうなっているのか…。

本郷芳哉さんの作品

いくつかの部屋を過ぎて進むと、
突如、現れる巨大な岩!?
畳の部屋に鎮座する、その存在感に圧倒されます。

「実はアルミニウムで出来ているんですよ」。
戸惑う取材班に、作家の本郷芳哉さんが声をかけてくれました。
作品の中は空洞で、本郷さん自身が中に入って、
ハンマーで叩いて成形した作品だと言います。

しかし、天井の低い家屋に対して、高さはギリギリ。
よく運び込めたものです。
「魔法です(笑)」とは本郷さんの談。
でも現物を見れば、魔法でも使ったのかって、
多くの人が思うはずでしょう。

そうこう考えているうちに当初、感じていた違和感が、
逆に心地よいものに変わってるような…。

「部屋の中には隠された作品もあります」と本郷さん。
時間をかけて作品の世界に浸るのがオススメです。

田辺磨由子さんの作品

『BIWAKOビエンナーレ』には、
和のしつらえとよく合う作品がたくさんです。

流木などをテーマに制作する田辺磨由子さんの作品。
枯山水の庭園のような雰囲気も。
日本家屋の一角に、ひとつの世界が広がっています。

田中哲也さんの作品

同じ会場の蔵に据えられた長持(ながもち)。
かつては衣類や大切なものを保管していた箱ですが、
田中哲也さんの作品では、
「木の葉」をかたどった発光する焼き物がびっしりと。
一つとして同じものはなく、
すべて会場近くで拾った本物の葉がもととなってます。

アン・エリングスタムさん(スウェーデン)の写真パネル作品。
古民家の2階というのを忘れ、雪山に没入してしまいます。

会場となっている歴史ある建造物は、
近江八幡だけで約10箇所にのぼります。

唯一無二の空間で生まれる作品

近江八幡で約300年の歴史があった元酒造工場。
いまは「まちや倶楽部」としてまちづくりの拠点になっています。
ここも『BIWAKOビエンナーレ』の会場のひとつ。
酒造の名残を残す、巨大なタンクが置いてありました。

市川平さんの作品

広い土間空間に並ぶ、不思議な物体。
照明で、さながら満天の星空のようです。
こちらは市川平さんの「クーリングタワーズ」という作品。

市川さんが開口一番、「この作品、30年ぶりの公開なんですよ」と。
面食らう取材班に、市川さんが丁寧に説明してくれました。

市川平さんの作品

部屋いっぱいに並ぶ大きな物体は、
ビルの屋上などに据えられる空調ファン。
それに穴を開け、照明を施しています。

しかし、これだけの数を並べられる会場もそうはなく、
1993年に展示して以来、再び陽の目を見る場面がこなかったと言います。
市川さんは今回、展示にあたって作品を再構成。
ここだけの作品が出来上がりました。

佐々木類さんの作品

こちらは佐々木類さんの作品。
真っ黒な幕をくぐって暗室に足を踏み入れると…。
水滴を思わせるものが、高い天井から床、そしてもっと下へ。

佐々木さんによると、会場が酒造工場だったことや、
「八幡掘」など近江八幡の町と水のつながりをヒントに配置。
この場、その時でしか味わえない作品です。

美しいシャンデリアを模したのは、米谷健さん・ジュリアさん。
同じシリーズでいくつもの作品を手掛けていますが、
毎回、作品の数や配置が違います。
広い会場に浮かび上がる美しい作品です。

会場の一角から、かすかな水の音。
よく見ると、ガラスの作品の中の水が渦を巻いています。
視覚でも聴覚でも楽しめる、赤松音呂さんの作品です。

『BIWAKOビエンナーレ』に並ぶ作品は、どれも
空間にあわせて構成された、今回限りのものです。

体験型のアート作品も

近江八幡の旧八幡郵便局の2階に展示されている
田中誠人さんの作品は体験型です。

黄色い照明で照らされた、真っ白い部屋。
しばらく内装を見ていると、パっと照明が青に切り替わりました。

ん?さっきまでと部屋の印象が違うような…。
どういう仕組み?
ぜひ体験して、からくりを解き明かしてみてください。

歴史ある町並みと現代アートを楽しむ。琵琶湖に浮かぶ島・沖島も会場に

『BIWAKOビエンナーレ』の会場は、
近江商人の情緒を今に残す、近江八幡旧市街や、
城下町の風情が受け継がれる彦根市街地が中心。

ともに、滋賀が誇る歴史と文化のある町並みが特徴で、
中には、このときしか公開されない古民家などもあります。

さらに2001年の初回から数えて10回目となる今年、
近江八幡エリアでは、会場に日本で唯一、湖に浮かぶ有人島、
「沖島」が会場に加わりました。

琵琶湖と深くつながる島の随所に
作品を配置する、新たな挑戦が始まっています。

彦根では、市内の歴史ある宿場町
「鳥居本」が加わります。
目玉となる会場の一つは、「有川家」です。
350年以上の「有川製薬」の歴史を物語る建造物。
入るだけでも価値があります。

古き良き建物を後世に伝えたい

10回目となる『BIWAKOビエンナーレ』は会場数が各段に増えました。
しかし、ただ単に増えただけではありません。
『BIWAKOビエンナーレ』は、古き良き建物の魅力を再発見、
そして、後世に伝えていくことも目的。

会場建物の中には長年、放置されてきた空き家も。
『BIWAKOビエンナーレ』は、そういった建物を、
「有志たちで清掃することから始まる」のです。

作品とともに会場の良さや、人々の愛着を感じてみてください。

会期中は、ワークショップやトークイベント、音楽ライブなど、
催しや見どころも満載!

鑑賞には、パスポートが必要です。
全エリアパスポート(近江八幡+彦根セット=一般4,500円)と、
各エリアパスポート(3,000円、3,500円)の2種類です。
各種割引など料金の詳細は公式サイトでご確認ください。

アート作品は写真で伝わらない、魅力があります。
ぜひ足を運び、自分の目で見て、感じてください!

(取材・文:川島圭 写真:山本陽子 取材・編集:しがトコ編集部)

記事を書いた人
川島圭/滋賀県東近江市の若手農家。生まれは東京。北海道から沖縄までを転々とした後、慣れ親しんだ祖父母の地で、新規就農しました。地域や文化に興味があり、農業体験宿泊などにも取り組んでいます。

『BIWAKOビエンナーレ2022』の情報

開催会期
2022年10月8日(土) ~11月27日(日)
開場時間
10:00〜17:00(最終入場:16:30)
休場日
水曜日(最終週の11月23日は開場)
公式サイト
https://energyfield.org/biwakobiennale/
開催エリア
滋賀県 近江八幡旧市街地、沖島、彦根市街地、彦根城、鳥居本など
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