カルチャー

一人ひとりの価値をアートに。小さな小さな芸術祭『石部芸術祭2023』

【滋賀をみんなの美術館に:しがトコPR】

街に溶け込む一軒のギャラリーで開かれる、
“ふつうの人”の作品ばかりを展示した芸術祭。
それが『石部芸術祭2023』。

ここに出展されてる作品は、
芸術のプロではない、いわゆる”ふつうの人”のもの。
作品のジャンルやテーマにも、決まりはありません。

目指しているのは、芸術のハードルを下げて、
“ふつうの人”の個性や表現したい情熱を面白がること。

その挑戦を続ける『石部芸術祭2023』の様子を覗いてきました。

街に溶け込むギャラリーで

ここは滋賀県湖南市にある石部宿。
江戸時代、京から江戸へ向かう旅人が、
最初に泊まったと言われる東海道の宿場町です。

歴史ある街道沿いに
ひっそりとたたずむ白い一軒家が、
『石部芸術祭2023』の会場です。

泊まれるギャラリー

じつはここ、アート作品を鑑賞しながら
宿泊もできる「泊まれるギャラリー」です。

1階がカフェ・イベントスペース。
2階がギャラリー・宿泊スペースになっています。

さまざま表現のカタチ

芸術祭のメイン展示

2階にあがると芸術祭のメイン展示がありました。

通りに面する大きな窓ガラスの
向こうに見えるのは、立派な日本家屋。
江戸時代に建てられたもので、推定築200年以上と言われています。

この窓ガラスから見える景色もアートのよう。
街と作品が、つながるように感じさせてくれます。

こちらは、裁縫道具の「ゆびぬき」です。
作品自体は小さなものですが、
細かい手仕事から、作り手の情熱が伝わります。

このフォルムは・・・
そう!
北海道土産で見かける木彫りの熊です。

木彫りの熊に思いのまま色付けし、
古い眼鏡やスピーカーを組み合わせたんだとか。

このスピーカーからは、
どんな音楽が鳴り響いてくるのでしょう。
見る人それぞれの想像が広がっていきます。

こちらは、鑑賞者が書き足すことができ、
少しずつ、変わっていくという作品。

「あなたの手でまた一筆足されたとき、新たな完成になる」
会期終了後にどんな作品ができあがるのか楽しみです。

平面作品や映像作品も展示され、
窓ガラスの外にも作品がありました。

これは、刺身の盛り合わせる舟型の器と、
金魚すくいの「ポイ」を組み合わせ。
雨が降ったら水たまりになるという場所を、
作品のステージに生まれ変わらせています。

地域を見つめる中から生まれてくるもの

長砂伸也さんと近藤洋平さん

「いかがでしたか」。

柔和な笑顔でお話ししてくださったは、
『石部芸術祭2023』を企画した長砂伸也さん(写真左)と、
ギャラリー「まるとしかく」の店主・近藤洋平さん(写真右)。
そして、看板娘のくうちゃんです。

長砂さんと、近藤さんはそれぞれ、
これまでからも石部をフィールドに活動してきました。

長砂さんは普段、ギャラリーからほど近い場所にある、
私設公民館「mame Co-」を営んでいます。
子どもたちの居場所や、地域の人たちの活動の場をつくりたいという想いから、
“まちづくり”を見つめています。

「芸術と難しく考えることなく、
日々の生活のなかにある感情や表現を好きなように形にして、
誰もが出展できる芸術祭になればいいなと思ってます」
と長砂さん。

今年、集まったのは8作品。
会期中、ワークショップなども行われ、
その場で作品づくりもできるようにしているそう。

「普段は目に見えづらい、一人ひとりの個性や、
何かを表現したいという情熱に触れてほしいです。
来年も継続したいので、これから1年かけて
地域の人や表現も発掘していきます」。

次を見据える長砂さんの声も弾みます。

肩肘張らず、「楽しい」「やってみよう」。
そんな柔らかさを感じられる場所。
それが『石部芸術祭2023』。

一人ひとりの表現したいという想いをカタチにし、
街の中に溶け込ませていく。
それが新しい価値を生み出し、見る人にとっての刺激と気付きになる。

とても滋賀らしい芸術祭のカタチが、ここにありました。

「滋賀県立美術館」でも作品を展示

『石部芸術祭2023』は、11月26日(日)までの、
木、金、土、日曜日のみの期間限定です。

ただ、石部での展示が終わったあとは、
2023年11月28日(火)から12月3日(日)。
大津市の「滋賀県立美術館」内のギャラリーでも展示されます。

ぜひ、そちらもご覧くださいね。

『石部芸術祭』メイン展示の概要

展示日時
2023年11月11日(土)~26日(日)の、木、金、土、日曜日の12時~17時
場所
滋賀県湖南市石部東8丁目1-1
『石部芸術祭』公式サイト
https://ishibe-art.studio.site/

提供:滋賀県 「滋賀をみんなの美術館に」プロジェクト http://bino-shiga.net/

しがトコ採用情報

関連記事

  1. 湖上で宿泊体験学習。「うみのこ」は「滋賀っこ」共通の思い出!【滋…
  2. 滋賀から宇宙へ?! NASAも認めた守山中学・高校『ハビタブル研…
  3. 竹生島 見てるだけで神々しい!2023年滋賀の「初日の出」は美しく、厳か…
  4. キャンパスノートは滋賀生まれ!「コクヨ工業滋賀」の”…
  5. ひこにゃんマンホール 実は奥深い“マンホールの蓋“の世界!滋賀県内にも素敵なデザインが…
  6. パリコレにも採用された“アウトサイダー・アート”の発信地 世界に…
  7. 琵琶湖博物館の「土器マスター」と「イタチムシマスター」にお話を聞…
  8. 近江米の新品種『きらみずき』はどんな味?お米のプロに試食してもら…
滋賀を自慢したくなるカレンダー2024 ご注文受付中
PAGE TOP