カルチャー

その名は「ドクターガチャコン」 近江鉄道版”ドクターイエロー”に乗ってきた!

ドクターガチャコン

【彦根市/近江鉄道・ドクターガチャコン】

2025年秋。
近江鉄道から新たな車両がデビューします。

その名は「ドクターガチャコン」!

近江鉄道で初となる検査車両で、AIやGPSを駆使して線路の異常をチェックします。

しかも検査をしながらお客さんも運べちゃう?!

ガチャコン版”ドクターイエロー”といえる黄色い電車を、デビュー前に取材してきました!

普段は入れない車両基地に潜入!

“ドクターイエロー”といえば、思い浮かぶのは新幹線の点検専用車両。
黄色い車体と遭遇率の低さから、「出会えたら幸せになれる」といわれていますよね!

ドクターイエロー

そんなドクターイエローとも呼べる車両が、2025年秋に近江鉄道からデビューします。

“近江鉄道初”となる検査車両がデビュー前に披露されると聞き、我々は車庫がある彦根駅を訪れました。

車庫

地元で「ガチャコン」という愛称で親しまれている、滋賀県の湖東・湖南地域を結ぶ近江鉄道。
私も何度も利用したことがありますが、こうして車庫に入るのは初めてです!

彦根駅方面

敷地内にはガチャコンの車両がずらり!
建物の中を覗くと改造中の車両の姿があったり、

改造中

2025年に引退する「赤電」電車の洗車中の様子を見られたり。

赤電

普段は立ち入れない場所だけに、まるで秘密基地にでもやってきた心地です!

そしてこちらが今回の目的の電車…
その名も「ドクターガチャコン」です!

正面

こちらは元々、西武鉄道2000系として池袋線・新宿線などで活躍した電車でした。
昨年10月に譲渡された後に近江鉄道仕様に改造され、「200形」として新たにデビューします。

試乗

その黄色い車体の中はどうなっているのでしょうか?
早速、ドクターガチャコンに乗ってみましょう!

線路をチェックながらお客さんも運ぶ新たなガチャコン

車内

…あれ?
新車のような匂いがする以外は、ごくごく一般的な車両に思えます。
検査車両と聞いていたので、もっと機器でごちゃごちゃする様子を想像していたのですが…

乗務員室

じつは検査のための機器は、この乗務員室の中にあります。

運転席

乗務員室の扉が開けられると、その検査機器が姿を現しました!

こちらの機器は線路の状態を点検するためのもので、窓に備えつけられたカメラで走行中に線路を撮影。
GPS端末が位置情報を埋め込んだ映像をAIが解析し、正常時の線路と比べて異常がないかをチェックする仕組みです。

検査機器

なのでドクターガチャコンは、営業運転で乗客を運びながら線路の検査も同時に行えるんです!

もしたまたま乗った電車でまさに検査の最中だったなら、ちょっとワクワクするかもしれません…!

「今よりも早く、正確に」

ドクターガチャコンの導入について、近江鉄道車両区の沼田さんに話を伺いました。

沼田さん

「線路を点検する際は、目視などのマンパワーに頼っていました」

従来の点検は、担当部署の社員が線路を歩いて異常がないかを確認するといった手間も時間もかかる作業でした。

線路

新たに導入される、AIやGPSを駆使したドクターガチャコンによる検査によって、こうした保線業務の負担軽減や異常の早期発見が期待されています。

GPS

“線路を検査する黄色いガチャコン”ということで付けられた「ドクターガチャコン」の愛称ですが、そこにはさらに、

「安心安全に乗れて、みなさんに長く親しまれる電車になってほしい」

という近江鉄道の想いも込められているのだそうです。

10月28日からデビュー!期間限定で記念ヘッドマークも

ヘッドマーク1

200形「ドクターガチャコン」は、10月28日(火)に八日市駅で開催される出発式にて臨時列車としてデビュー!

(※臨時列車には一般の乗客は乗車できません)

さらに28日から11月30日にかけての期間は、デビュー記念ヘッドマークをつけて運行されます。

ヘッドマーク2

デビュー後は、2編成が近江鉄道全線(本線・多賀線・八日市線)をランダムに走行することになるので、いつ出会えるかは運次第。

そんな「出会えたらラッキー」なドクターガチャコンは、新たに地域に幸せを運ぶ電車になるかもしれませんね!

ドクターガチャコン

記事を書いた人
結城弘/滋賀県出身。小説家・ライター。滋賀が舞台として登場する小説『二十世紀電氣目録』『モボモガ』を執筆。趣味は旅行、レトロ建築巡り、ご当地マグネット集め、地酒。noteにて旅ブログなどを更新中。各SNS⇒ X(旧Twitter) Instagram

200形「ドクターガチャコン」出発式の詳細

日時
令和7年10月28日(火) 午後2時40分から午後2時55分まで
会場
近江鉄道八日市駅2・3番ホーム(滋賀県東近江市八日市浜野町)
主な内容
八日市~市辺間を臨時電車として運行
お知らせサイト
https://www.ohmikanki.jp/news/696/
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