観光

滋賀のアート旅に!世界に通じる本物に触れる『佐川美術館』

佐川美術館
※お出かけの際は、マスクの着用や手洗いの徹底、ソーシャルディスタンスを保った行動など、感染予防の徹底をお願いします。また、お住まいや、お出かけされる都道府県の要請をご確認ください。各施設の最新の営業状況については、公式ホームページをご確認ください。

【佐川美術館/滋賀県守山市】

まるでひとつの美術品であるかのような、美しい外観。
その建物を囲み、風が吹くたび表情を変える凛とした水面。

琵琶湖大橋のほど近く、
比良の山々をのぞむ場所にある『佐川美術館』には、
世界に通じる最高峰の美術品が展示されています。

歩くだけで感性が目を覚ますエントランス

佐川美術館入口受付

守山市の湖周道路を、琵琶湖大橋からさらに南へ。
琵琶湖沿いを心地よく走っていると
佐川美術館の看板が目に入ります。

駐車場に車を止めたら、こちらの入口で
チケットを提示します。

佐川美術館エントランスアプローチ

建物の中へ続くアプローチは、
一切の無駄が削ぎ落とされたデザイン。

建物に沿って歩いていくと、
天井付近に水面のゆらめく影が
うつっていることに気づきます。

もしかして、これもひとつのデザイン?
無意識のうちに「美の世界」への感性が高まっていきます。

佐川美術館入口

佐川美術館は、
和の印象を重視した切妻造りの2棟の平屋と「樂吉左衞門館」の
3つの建物で構成されています。

2棟の竣工は1998年3月。
設立母体の佐川急便株式会社が創業40周年記念事業の一環として、
琵琶湖のほとりに美術館を開館。

その後「樂吉左衞門館」は2007年に竣工しました。

佐川美術館エントランス

天井が高く、ゆったりとしたエントランス。
ここから先、パブリックスペース以外の展示室内は撮影NG。

普段、無意識にふれてしまう”情報”とは、
ここでいったんお別れです。

平山郁夫館入口

まずは、エントランスのある建物「平山郁夫館」から
めぐってみましょう!

祈り続けた平和の世界「平山郁夫展示室」

平山郁夫揮毫

平山郁夫(ひらやまいくお)は、広島県出身の日本画家。
展示室の入口に掲げられた、「平和の祈り」は
本人直筆の文字が彫られています。

平山郁夫写真

小学生の頃に被爆した体験から、
平山郁夫の制作において「平和」は重要なテーマとなっています。

平山郁夫館天井

やわらかい曲線を描く、展示室へつながる廊下の天井。
さっきまでいた世界から、どこか知らない世界へと
つながるような、不思議な気持ちになります。

平山郁夫展示室

展示室では、優しい光で作品が照らされていています。
絵画を守るために、適切な光量で調整しているのだとか。

展示する作品は、
テーマを決め、年3~4回入れ替わります。

平山郁夫メイン展示室

砂漠を行き交うキャラバン隊を描いた
「楼蘭の月(桜蘭遺跡三題)」や「サラエボ戦跡」の展示室。

平山郁夫の代表作ともいえる作品が展示された部屋は、
その世界観をゆったり感じることができる
贅沢なつくりになっています。

美術館が所有する美術品は、
特別展などが開催されると”出張”することがありますが、
これらの作品は、門外不出。
佐川美術館を出ることはありません。

絵画に近づく

鑑賞のためにそっと絵画に近づくと、
表面をガードするアクリル板がありません。

絵の具が重なり、波打つ迫力に感激していると、
表面がキラキラと輝いていることに気づきます。

これは、日本画が描かれた絵の具「岩絵具(いわえのぐ)」の輝き。
ラピスラズリなどの鉱石を細かく砕いてつくられた岩絵具は、
その砕く粗さで色の濃淡を表現しているのだとか。

この繊細な輝き、ぜひ、直接見てほしいポイントです!

梵鐘

日本を描いた作品の展示室に飾られていたのは「梵鐘(ぼんしょう)」。
佐川美術館の所有する国宝です。
背景には比叡山延暦寺を描いた作品が展示されています。
じっくりと鑑賞しながら、
「国宝をこんな間近で…」と、息をするのも遠慮してしまいます。

厳島神社

こちらは、出身広島県の厳島神社を描いた作品。
淡い筆づかいながらも、そこに水面があるような描き方に
ひきつけられます。

日本画の世界を堪能したあとは、彫刻の世界へ!

日常のなにげないしぐさに「美」を見た、佐藤忠良

佐藤忠良1

佐藤忠良(さとうちゅうりょう)は、
明治45年宮城県に生まれた彫刻家。

当時の彫刻界は、モデルといえば西洋人が主流でしたが、
彼が美を見出したのは、身近なひとたち。

「ありふれたしぐさに宿る美」をテーマに制作し
1981年(昭和56)には、フランス国立ロダン美術館にて、
日本人として初めての個展 『佐藤忠良展』を開催しました。

佐藤忠良2

先程の平山郁夫展示室と異なり、
ブロンズを展示するこの場所は
天井も高く、外光がたっぷり入ります。

展示室によって、光にこんな違いがあるなんて。
同じ美術館のはずなのに、まったく違う世界が楽しめます。

佐藤忠良展示

取材した日は、「特別展」が開催されていたため、
情報コーナーでの鑑賞に。

いつもよりコンパクトな展示場所だからこそ
作品たちに囲まれてじっくり向き合えた
特別な経験でした。

佐藤忠良3

あまりのリアルさに、思わず触りたくなる後ろ姿。
感染対策のため現在は見るだけですが、本来はなんと触ってもOK!

小学生たちが見学に訪れると
「わっ、冷たい!」「かたいねー」など、
さまざまな声があがるとか。

本物と見間違うリアルな見た目ながら、
生身の人間とは異なる触感は
子どもたちにとって新鮮な記憶として残ることでしょう。

佐藤忠良絵本

この絵本、どこかで見たことがありませんか…?
そう、実はこの「おおきなかぶ」の絵は、
佐藤忠良画なんです。

この日は残念ながら見ることができませんでしたが、
「おおきなかぶ」のレリーフも所蔵しています。

佐藤忠良の日常を愛した思いが行き届き、
大人も子どもも等身大で感じられる展示が魅力です。

続いては、「樂吉左衞門館」へと進みましょう。

いつまでも見ていたい、光と影が揺らめく「樂吉左衞門館ホール」

樂吉左衞門館入口

「樂吉左衞門館」の入口は
エントランスのアプローチにも似た、
シンプルな空間と水辺の織りなす影が印象的。

つきあたりは階段になっていて、
まるで水の下へもぐるように降りていきます。

樂吉左衞門ホール

階段を降りると目に飛び込んでくるホール。
壁際の天井からは、水面を通した光がさしこみ、
ゆらゆらと揺れる様子が幻想的です。

樂吉左衞門ベンチ

壁の向かいには、ベンチが設置されています。
ここに座って揺らめく光を見つめたり、
鑑賞した作品へ思いを馳せるのにぴったりの場所です。

作品と向き合う、特別な時間を演出する「樂吉左衞門館」

守破離

現在作品を展示している十五代樂吉左衞門は、1949年生まれ。
桃山時代から450年続く樂家の十五代目として、
1981年に「樂吉左衞門」を襲名しました。

茶室のエントランスにかかげられた「守破離」が
樂吉左衞門館のテーマ。

歴代の教えを守り受け継ぐ”伝承”と、
同じ技術や素材を使いながらも革新していく”伝統”、
どちらも等しく大切にした作品づくりが魅力です。

佐川美術館に「樂吉左衞門館」を建てる際には、
自分でミニチュア模型をつくるなど、設計にも携わりました。

昼の航海

こちらは「昼の航海」と名づけられた展示室。
じっくりと作品に向かい合うために配慮された
最小限にしぼられた照明と、天井からわずかに入る自然光が
作品を照らします。

この他「夜の航海」「守破離の彼方」など
6つある展示室は、無駄のないモダンなデザインでありながら
どこか原始的な温かみも感じられます。

樂吉左衞門展示1

それは、展示室で使われている木材に
オーストラリアから運んだ「鉄道の枕木」や
インドネシアの古木を使用しているため。

長い年月、人やものを支えた“縁の下の力持ち”は
傷や風合いで歴史を語りながら、作品をより際立たせています。

樂吉左衞門作品

ろくろを使わず、ヘラで削る前衛的な技法をもちいる
十五代樂吉左衞門は、
伝統を守りながらも、常に挑戦的な作風が魅力。

こちらは、肌に赤土を塗る文化を持つ、ナミビア部族の土を
イギリス人の女性から譲り受け、樂茶碗をつくった…という、
国も伝統もひらりと飛び越えた作品。

今の時代だからこそ生まれた、素材と人の出会いが
作品の大きな魅力として胸にせまります。

樂吉左衞門作品2

今回の白地の作品たちは、
カジミール・マレーヴィチとのコラボレーションで
生まれたもの。

十五代樂吉左衞門がインスピレーションを受けた
アートとのコラボを決め、そこから作品作りに入るとか。

今回のコラボ展が始まり、しばらくはマレーヴィチ作品と一緒に
楽しめたそうですが、取材時は樂茶碗のみの展示に。
展示後は早めの来場がおすすめです。

樂吉左衞門ホール2

展示を見終わり、ホールへ戻ると、
壁に差し込む光の角度が変わっていました。
作品に向き合っていると、時間の経過を忘れてしまいます。

「樂吉左衞門館」の展示替えは、半年に一度。
十五代樂吉左衞門作品のみの展示と、コラボ展示が交互に公開されます。
この感動を味わうために、何度も足を運びたくなります。

モダンな美術館の一角には「お茶室」も!

樂吉左衞門お茶室屋根

「樂吉左衞門館」に入る前の階段で見えた右手奥の屋根!
実はお茶室の建物なんです。
えっ!あれがお茶室?と、編集部メンバーも
思わず声をあげてしまいました。

有料のお茶室見学ツアープログラムもあります。
(現在は中止。詳細は佐川美術館HPにて確認ください)

お茶室写真1

こちらが、お茶室の様子。
まるで水辺のヨシ原とひと続きになったような広間。
外側の屋根はチタンですが、室内から見ると
こんな美しいつくりに。

お茶室2

「正午の茶事」ができる本格的な茶室。
見学会が再開したら、ぜひ訪れてみたいですね。

アートに触れたワクワクは、誰かとシェアしたくなる

ミュージアムショップ

3つすべての建物をめぐったら、その感動とともに
ミュージアムショップへ。

作品の絵葉書はじめ、手に取りやすいお土産が並びます。

喫茶室

ミュージアムショップのそばには、
比良の山々が望めるカフェも併設。

作品の世界観をさまたげないよう、
サンドイッチやお蕎麦など、香りの少ない食事が
提供されています。

喫茶室2

コーヒーは京都の老舗、イノダコーヒ。
ここで作品について友人とおしゃべりするもよし、
一人でゆったり余韻にひたるもよし。
気になった展示に引き返したってOKです(笑)

多彩な「特別展」も魅力!

特別展

年間を通し、魅力的な特別展が次々と開催されるのも
佐川美術館の特徴。
取材時に開催されていた「魔法の美術館Ⅲ」は
体を動かして楽しむ展示が盛りだくさんでした。

以前大好評だった「デザインあ展」は、
なんと14万人もの来館があったそう!
湖岸道路が大渋滞したと、話題になりました。

次の開催は、なんとバンクシー。
その後の展示も、随時企画・準備されていくとか。
楽しみですね!

滋賀のアート旅にぴったり!

佐川美術館全景

3人の巨匠の作品で”本物”を味わい、特別展で大興奮!
佐川美術館は、どんなタイミングで訪れても
楽しめること間違いなしです。

当日から使え、入館料無料など特典満載の友の会員も募集中。
季節を通じて足を運べば、
元をとるのも、きっとあっという間です。

琵琶湖のほとりへ、滋賀のアート旅に
訪れてみてはいかがでしょうか。

(取材・文:しがトコ編集部 写真:佐川美術館・しがトコ編集部)

『佐川美術館』を地図でみる

琵琶湖大橋のすぐ近く

→大きい地図で見る

『佐川美術館』の施設情報

住所
滋賀県守山市水保町北川2891(→地図
電話番号
077-585-7800
定休日
毎週月曜日(祝日に当たる場合はその翌日)・展示替期間・年末年始
開館時間
9時30分~17時(最終入館は16時30分迄)
料金
常設展 一般1,000円 高校生・大学生600円 中学生以下無料(企画展階催時は都度定める料金)
※Web予約制を実施している場合あり
公式サイト
https://www.sagawa-artmuseum.or.jp/
しがトコ採用情報

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