カルチャー

出会える確率たった1%”信楽の山”が育む蜂蜜とニホンミツバチの不思議

【信楽産野生蜂蜜/滋賀県甲賀市信楽町・銀俵】

つやつやと黄金色に輝く蜂蜜!
“信楽の山”に住むニホンミツバチから誕生しました。
じつは、ニホンミツバチは環境に敏感で
住む場所にもこだわりが強い蜂。
養蜂がとてもむずかしく、よく見かける蜂蜜の99%はセイヨウミツバチのもので、
ニホンミツバチのものはたった1%とも言われています。
豊かな環境でしか生きられないニホンミツバチが愛する”信楽の山”。
そこから生まれた「信楽産野生蜂蜜」について取材しました。

きっかけは、ミツバチ名人と飲食店の出会い

銀月舎
「信楽産野生蜂蜜」を開発したのは、
信楽焼の羽釜で炊いたふっくらご飯「銀俵」や
陶芸の森のカフェ「銀月舎」を営む飲食店。

■関連記事:
信楽焼の特製羽釜で丁寧に炊いた近江米コシヒカリ『銀俵』で本当に美味しいごはんを!

信楽産野生蜂蜜
その両店の店頭で「信楽産野生蜂蜜」が販売されています。
「ただ珍しいから買うというのではなく
二ホンミツバチの蜂蜜がなぜ貴重なのか、
信楽の環境があったからこそ誕生した背景も知ってほしいので
オンラインではなく店頭販売だけにしているんです」と
銀俵代表の能登正太郎さん。

巣箱の設置

野生種であるニホンミツバチは養蜂が困難で
市場に出回る蜂蜜の99%はセイヨウミツバチ由来のものなんだとか。
わずか1%だけしか存在しない、
超貴重な二ホンミツバチの蜂蜜が誕生した背景には
「銀俵」とミツバチ名人の強力タッグと
“信楽の山”への熱い想いがありました。

ニホンミツバチは環境のバロメーター

信楽の山
ニホンミツバチは環境の悪化に弱く
全国的にも個体数は減っています。
けれど、周囲を山に囲まれた滋賀県にはまだ数多く生息していて
山の木々が芽吹くために必要な受粉を担う大切な存在。
山の健康はニホンミツバチが守っているといっても過言ではありません。

一般的にミツバチと聞くと、花を飛び回って蜜を集める
黄色いハチを思い浮かべますがそれはセイヨウミツバチ。
明治時代に農業を発展させるため日本に輸入されました。

レンゲやアカシアなど花から蜜を採り、養蜂もしやすいので
現在、スーパーなどの店頭に並んでいる商品や、
加工食品の原材料に使用される蜂蜜の99%は
セイヨウミツバチの蜂蜜です。

ニホンミツバチ
一方、ニホンミツバチは、体が小さく黒っぽいのが特徴。
もみじやクヌギなど山の木に咲く小さな花から蜜を集めます。
体も小さいので一度に採れる蜜の量も少なく、
飼育も難しいので、セイヨウミツバチに比べると
蜂蜜を作るには効率が悪いともいえます。

ハチミツができるまで


セイヨウミツバチの5倍以上の手間はかかるという
ニホンミツバチの蜂蜜づくり。

蜂蜜はミツバチたちの越冬用の食料です。
そのため巣の中からすべての蜜を取り出すのではなく
ミツバチが越冬できる分を残しつつ
感謝の気持ちで自然の恩恵をいただきます。

そうするために
巣箱は重箱式の構造になっていて
必要な分だけが取れるように工夫されています。

巣蜜

とろ~りと巣から溢れ出す濃厚な蜜。
とてもおいしそう!
フィルターでゴミなどを取り除いたら瓶詰めです。

瓶詰め

熱処理などの加工をしないので
蜂蜜本来の風味や栄養分がそのまま詰まっています。
蜂の巣の一部も入れたコムハニー(巣蜜)です!
すくい上げた蜂蜜

そして気になるそのお味は・・・
甘いけれどさっぱり!
喉につっかえる感じがなくて、上品な風味を感じます。

ニホンミツバチは蜜を溜め込む期間が長く
四季折々の花々から蜜を採取するため
それらが自然にブレンドされ、色や味、
香りに深みが出るのだそう。

適した環境と人の手間なしには完成しない貴重な蜂蜜です。

信楽の山を守るために

能登さんと松井さん
信楽産の蜂蜜が誕生したきっかけは、
信楽町内で飲食店などを経営する
銀俵株式会社代表の能登さん(左)と、
定年後、ひとりでニホンミツバチの蜂蜜づくりに挑戦していた
ミツバチ名人・松井さん(右)との出会いでした。

代表の能登さんは
「日本人が古くから大切にしてきた食習慣を
文化として未来へ残していくのが私たちの使命。
ニホンミツバチの蜂蜜もそのひとつ。

信楽のミツバチ名人・松井さんにノウハウを教わりながら
商品として販売できるだけの蜂蜜を採ることができました。
信楽産蜂蜜を通して、ニホンミツバチが生息する
信楽の豊かな環境も知ってほしいです」
と話してくれました。

ニホンミツバチがこれからも元気に生きていけるように。
蜂蜜を採るために山を整備することが
ニホンミツバチの保護、しいては山の保護にも繋がります。

「信楽産野生蜂蜜」を美味しく味わいながら
「やまの健康」に思いを寄せてみませんか?

蜂蜜づくりプロジェクトの様子は、
以下のサイトでも詳しく紹介されています。
ニホンミツバチいなくなって委員会

※この蜂蜜は、滋賀県が推進する「やまの健康」普及啓発の取り組みの一環で制作されました。

山の魅力をもっと身近に感じよう!

やまの健康

滋賀県の面積の1/2は山です。
山を知り、山の魅力に気づくことは、滋賀での暮らしをより豊かにしてくれます。

滋賀県が推進する「やまの健康」普及啓発では、木材をはじめとする
林産物、水、景観や空間、CO2吸収量クレジットなど、
森林資源の持つ多様な価値を、事業活動の中で活用することによって、
県民が自然と共生する健康で幸せな暮らし(FATHER FOREST Life)
を実現することを目指しています。

「やまの健康」推進プロジェクト
「やまの健康」普及啓発に資する取組への補助事業

「信楽産野生蜂蜜」のお問い合わせ先

販売店
山とおむすび 銀月舎
住所
滋賀県甲賀市信楽町勅旨2188-7 県立陶芸の森 産業展示館内(→地図
電話番号
0748-83-2882
公式サイト
https://gindawara.co.jp/pages/gingetsusha
しがトコ採用情報

関連記事

  1. 限界集落で見つけた理想の暮らし。地域資源を生かしたビジネスモデル…
  2. 笑顔の西川さん 西川貴教さんがビワイチに挑戦!「ビワイチの日」記念ライドをレポー…
  3. まさに、びわ湖の味!ふなずし漬けの“樽あけ”を密着レポート
  4. イナズマに出かける前に!達人に聞いた「イナズマロック フェス」の…
  5. 田舎暮らしはアリ?ナシ?注目が集まる滋賀の農山村、移住受け入れの…
  6. みんなの想い、トルコへ届け!守山市の中学生が被災地募金をスタート…
  7. 3000人以上の来館者で賑わった『美の滋賀BACKSTORY』を…
  8. 金居原湯ノ花祭 山間の限界集落「金居原」に密着した写真展がスタート
滋賀を自慢したくなるカレンダー2024 ご注文受付中
PAGE TOP