イベント

近江商人とデザイン思考には共通点も!?「三方よしとデザイン思考@東京」をイベントレポート!

【イベントレポート:滋賀移住セミナー@東京】

東京駅から歩いてすぐ。
丸の内にある「TIP*S」で開かれた、
滋賀を発信するイベント『三方よしとデザイン思考』。

「東京で滋賀イベントなんて、人が集まるのかな・・・」
と、ちょっと心配したのがウソのよう!
休日に開催されたにも関わらず、100人以上の参加者で、
会場は熱気の渦で包まれていました!

「しがトコ」の代表・林も大いに語った3時間。
そのイベントの様子を、熱気たっぷりにレポートします!

良いデザインを考えると滋賀にたどり着く?

このイベントのコンセプトは、
「良いデザインを考えると、滋賀にたどり着く」。

近江商人のモットーである「三方よし」の考え方と、
今、巷で話題の「デザイン思考」について、
参加者も一緒に考えるプログラム。

「三方よし」とは、ご存知のとおり、
「売り手よし・買い手よし・世間よし」の三つの「よし」を表す言葉。
つまり、売って買うだけじゃなく、社会にも貢献もできるのが
いい商売ですよ、という考え方。

今回は、そんな「三方よし精神」を持つ滋賀のデザイナーの方々と、
「デザイン思考」研究の第一人者・岩嵜博論さん(博報堂)が、
“良いデザイン”について議論を深めつつ、
来場者ともリアルタイムに意見を交わしながら進行していきました。

その、盛り上がった会場の様子を、
かいつまんでお届けします!

まずは自己紹介、特徴的な登壇者たち!

イベントは、登壇者さんの自己紹介から始まります。

まず1人目は、博報堂の岩嵜さん。

(株式会社博報堂ブランド・イノベーションデザイン局イノベーションデザイン部部長 岩嵜博論氏)

博報堂にてイノベーションデザインをリードしている
デザイン思考の第一人者であり、
「機会発見」という書籍も出版されるなど、
消費者視点でのイノベーション研究における知見は日本でも有数!
滋賀県長浜市の出身です。

地元・長浜の東京における情報発信拠点である
「びわ湖長浜 KANNON HOUSE」の企画・デザインにも関わり、
2016年ドイツのデザイン賞であるRed Dot Awardを受賞されました。

2人目は、『隣町パーラー』の立澤さん。

(株式会社バンアンドアーク代表取締役/隣町パーラー運営責任者 立澤竜也氏)

立澤さんが企画した米原市のネット通販サイト「orite米原」は、
『Yahoo!ふるさと名品オブ・ザ・イヤー』で銀賞を受賞するなど、
とても人気のサイト。

昨年、米原駅前にオープンした『隣町パーラー』も企画し、
“地域を動かすエンジンを作る”という
「米原エンジンプロジェクト」を推進されてます。

そして、3人目は、しがトコの林。

(プラスエイチワークス代表/しがトコ責任者 林正隆)

このWebサイト「しがトコ」を夫婦で立ち上げ、
FacebookInstagramなど、SNSでの交流を通じて滋賀を発信。
“滋賀を自慢したくなる”というコンセプトのもと、
地元のライターとともに、その魅力を様々な記事にしています。

また、滋賀ならではの“飛び出し坊や”の企画展を実施したり、
昨年話題となった「石田三成Webサイト」を制作するなど、
さまざまな仕掛けの中から、滋賀を全国に伝えています。

4人目は深尾さん。

(一般社団法人滋賀人共同創業者/一般社団法人RCF 深尾善弘氏)

現在はCCRC(高齢社会対応型のまちづくり)プロジェクトの
現地コーディネーターとして、
近江八幡市内のコミュニティ活性化などを担当。

個人ベースでは、若者を中心とした滋賀県人会や、
県内での起業プログラムの運営など、
長期的なスパンでの人の循環をつくる活動をされてます。

そして最後は、このイベントのファシリテーター北川さん。

(株式会社いろあわせ 代表取締役)

これまでの経験で培った「組織づくり」「採用・人財開発」を
活かすため、2015年、滋賀で「株式会社いろあわせ」を設立。
日々の疑問を語り合える場づくりとして「ぶっちゃけ!(仮)」
というイベントを約100回も開催したり、
シャッター商店街でビジコンを企画したりなど、
地域で活躍する人を増やすべく奔走されてます。

と、ここまで5人がそれぞれ個性的な活動をしていて、
しかも目を輝かせながら自己紹介をしてる姿に、
来場者もワクワクしながら話を聞いてました。

来場者もスマホで参加!コミュニケーションボードがおもしろい!

登壇者が自己紹介をしている間、
来場者のみなさんは、スマホを触ってばかり・・・

じつはこれ、今回のイベント用に
簡易ツイッター的なシステムが用意されており、
みなさん、スマホからコメントを投稿してるのです。

イメージとしては、NHKのニュースなどで、
アナウンサーが原稿を読んでる画面の下に
視聴者のツイートが流れる感じですね。

来場者がスマホから投稿した内容は画面に写し出され、
そのコメントに登壇者が反応して、
双方向に話が進んでいきます。

「秋田県から来ました」
「デザイン思考に悩んでいます」
「がんばれ北川さん!」
「各人が思われる滋賀の問題って何だと思われますか?」

などなど、マジメなものから面白いものまで、
様々なコメントが出てくる、出てくる。

この仕組が、とってもおもしろい!
そのため、みなさん、
話を聞きながら、一生懸命スマホを触ってました!

いまなぜ「デザイン思考」が必要なのか?

休憩を挟んで第2部のテーマは「デザイン思考」です。
イノベーションデザインをリードしている
デザイン思考の第一人者・岩嵜さんから、
丁寧な解説が始まります。

「デザイン思考とは、あえて言うとクリエイティブやデザインの
マインドセットのやり方を体系的に示したものです。
成熟化した社会の中で新しい価値を作っていかなければいけない今、
世の中では皆が創造的になることが求められています。

日本は高齢化など、課題先進国といわれていますが、
まだ誰も解決したことのない事象に対して
先進的に解決する道筋を考えなくてはいけません。
だからこそ創造的な考え方が必要であり、
デザイン思考が注目を集めている。そんな背景があります」

そしてデザイン思考で大切な要素は次の3点だと続けます。

(1)直感、発見→観察を通じて新しさの芽に気づく力
(2)統合、シンセシス→異なる要素を統合させて新しいものにしていく力
(3)物語、ストーリー→新しいことを周囲に伝えていく力

「デザイン思考」について共通の認識を得た後、
第2部ではデザイン思考と三方よしの関連性や活かし方について、
参加者の声も取り入れながら会話は多方向に!
登壇者それぞれの滋賀での取り組みについて、話は続きます。

デザインには地方を盛り上げるチカラがある

立澤「ORITE米原は、地元の人たちと話し続ける中で生まれたアイディアです。
会話の中でのちょっとした違和感やニーズを受け取って、形に落としていきました」

深尾「現在は町家を改修したオフィスを間借りして活動しています。
現場で話している中から、様々なイベントが生まれてきています。
地元のコミュニティで、ユーザーとなる人たちと対話しながら
新しいことを試していくのも、デザイン思考の一つなのかもしれません」

林「ユーザーとの距離感が近いのが、地方でビジネスをする良さだと思います。
「しがトコ」は初めはプロのカメラマンに撮影をお願いしていたのですが、
フォトコンテストの開催をきっかけに、SNSなどを通じた投稿で、
たくさんの写真が集まるようになりました。

その結果、地元の人と「しがトコ」のコミュニティができました。
ユーザーと向き合っていく中で滋賀の魅力を再発掘し、コンテンツに活かしていく。
そうすれば、ユーザーの共感を呼ぶメディアに近づくことができると考えています」

どのデザイナーの方もユーザーと積極的にコミュニケーションをとり、
そこから得た情報や想いをもとに新しいものを生み出していく姿勢が印象的でした。

また、参加者から「滋賀でデザインするメリットは何か」質問が寄せられ、
それに対しても各々が実体験をもとに回答していました。

立澤「幅広い領域で携わることができる。それが地方でデザインするメリット。
デザインは課題を解決することだと思っています。地方は多くの課題がまだまだある。
それを面白がって一緒に解決できる人はデザイナーに向いていると思います」

林「きれいな空気を吸い、美味しいご飯を食べて、体を作っていく。
気持ちよく生活するためのインプットが地方ではできます。
良質な体感できるインプットがあり、アウトプットする機会もたくさんある。
この地方ならではの環境は自分自身成長ができ、とても良いと思っています」

深尾「東京は情報が集まっているのでインプットの機会はたくさんありますが、
私は住まなくてもいいと思っています。東京で情報を仕入れて、
滋賀でアウトプットの形に落とし込むスタイルを実践しています」

いよいよイベントも中盤にさしかかり、本日のメインテーマである
「三方よし」と「デザイン思考」の関係について自然と話が進んでいきます。

「三方よし」と「デザイン思考」の関係とは?

滋賀県では「おかげさん」という言葉をよく耳にします。

「おかげさん」とは周りの方に感謝する時によく使いますが、
なぜ滋賀県では「おかげさん」をよく口にするのでしょうか。

「近江商人の取材を通じで感じたことですが」と前置きしつつ、
しがトコの林はこう続けます。

「相手が何を望んで、それをどう解決していくか。
社会にとっての”良し”を、追及し成功したのが近江商人。
現在でいうユーザーファーストの考え方を実践していたんじゃないでしょうか」

お客様の願いや社会に貢献したいという想いを叶えるため、
新しい価値の創造に向かって、貪欲に追求していく。

周りの幸せや豊かさの実現のため、ユーザーの想いを汲み取って形作っていく。
その考え方こそが「三方よし」と「デザイン思考」が
密接に関係している理由と言えるのではないでしょうか。

最後にモデレーターの北川さんより、参加者に向けてメッセージが。

「今日の登壇者は滋賀という地方で自分らしく仕事と向き合っています。
人と比較して生きる人生と、自分で幸せを決める人生、どちらがいいのでしょうか。
自分で決断できる、幸せの価値観を決めることのできる人生を選択した時点から、
人は幸せになれるのではないでしょうか」

聴くだけじゃない、喋ってみよう!

全体を通じて印象的だったのは、参加者さんの積極性!
100人以上の参加者だったにも関わらず、
みなさん、熱心に話を聞いたり、メモを取ったり、
コミュニケーションボードで発言してみたり。
あっという間に2時間が経過。

これにてセミナー終了、ではなく、
次は参加者さんが話をする番です。
大勢の前で質問するのはなかなか勇気がいりますが、
せっかくなら、今日学んだことを隣の人と喋ってみましょう。

ここから一気に、会場内が賑やかになります。

近くに座ってる4人くらいでグループを作って、
この2時間で感じたことを、それぞれ言葉にしていきます。

一つだけルールがあって「人の話を否定しないこと」。
話を聞いて、頷いて、それから自分の考えを喋って。

「そろそろ終了でーす」
という声が掛かっても終わりそうにない雰囲気。

ファシリテーターの北川さんから、
イベントの総括としての話がありこれにてイベントは中締め。

そして、参加者全員で記念撮影をパチリ。

さて、このあとは、交流会です!

最後は交流会!滋賀の美味を召し上がれ

用意されたビールは、もちろん「滋賀づくり」。
キリン滋賀工場で作られたご当地ビールをみなさん手にとって乾杯!

なんと、サラダパンも登場!

その他にも、滋賀食材を使った様々なメニューが並びます。

食事を担当したのは、
移動式フードユニット「Uchila(ウチラ)」
滋賀の農家さんとも色々な企画をしてるだけあって、
さすが、滋賀の美味しいものばかりが出てきます!

「サラダパン、初めて食べた!」
「滋賀の食材、すごく美味しい!」
「参加費1500円で、こんなに食べて飲んで良いの?」

などなど、いろいろなところで盛り上がりながら、
4時間にも及んだイベントはこれにてお開きです。

次回は大阪開催!3/11はグランフロント大阪へ!

東京駅前・丸の内で盛り上がったこのイベント。
次回は、大阪での開催も決定しました!


https://www.facebook.com/events/678768358992711/

3月11日(土曜日)、大阪駅北口にあるグランフロント大阪、
ナレッジキャピタル7階で、13:30から!

「デザイン思考ってなんだろう?」という方も、
「滋賀暮らしに興味がある!」という方も、
ぜひぜひ参加してみてくださいね!

(文・味岡美希/写真・松岡里奈)

しがトコ採用情報

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