カフェ・お店

人と文化の発信拠点!かつての織物工場を未来へ繋ぐ『ファブリカ村』

【ファブリカ村/滋賀県東近江市】

ギザギザ屋根の建物に、無骨な織り機。
ここは、麻織物の工場の生まれ変わりです。

かつて「地場産業」が育まれていた場所はいま、
人の手がかかった丁寧なものづくりや、
自分らしさを表現する場に。

手作りの服や陶器、美味しいパンの販売や、
カフェ、音楽のステージ、子どもたちの創作場所にも…。
2009年のオープン以来、一貫して
「暮らしの中に芸術を」にこだわってきました。

『ファブリカ村』が生み出す「磁場」は、
年を重ねるごとに、強くなっています。

かつては麻織物の小さな町工場

『ファブリカ村』があるのは、
滋賀県東近江市能登川(のとがわ)。
麻織物の産地として発展してきた町です。

昔ながらの織物は、「先染め」といって、
美しく染色された糸を組み合わせる方法。
品質の高さや優れたデザイン性が高く評価されています。

その工場の1つとして50年続いたのが、
『ファブリカ村』の前身、「北川織物工場」です。

かつての織物工房のままの建物は、
「ノコギリ屋根」と呼ばれる三角の天井。
大きな窓から光が差し込み、
当時も使われていたという織機を照らします。

3つのセクションにわかれる『ファブリカ村』の1つ、
この織機が置かれている大きな建物、「ORIBA(おりば)」。
展覧会やコンサート、ワークショップに使われたり、
小さなカフェスペースも備えていて、
さまざまなジャンルの創造と発表の場所になっています。

もう1つは、「OMISE(おみせ)」。
『ファブリカ村』の中には、
独立して運営されているお店や事務所が6つあります。

ジャンルはさまざま。

副村長・北川順子さんが手がける、
近江の麻で一枚一枚丁寧につくる服『jestilo』や、
大人気の自家製酵母パン『ひとつぶ』。

「0歳~100歳まで」が遊べる、子どもの基地『いと』や、
プロの演劇を親子で楽しむ、おうみ東部おやこ劇場(事務所)、
チョークアートの教室と制作『L’ABEILLE Atelier CHIHIRO』。

お花ショップ・教室『Atelier 花空間』では、
お花の販売もしています。
それぞれが『ファブリカ村』との縁で、
集まったお店や事務所。

「村」という言葉に込められた、
人が群れてくる場所、個の集合体という
意味をよくあらわしています。

多種多様なお店に共通しているのは、
「つくるよろこび」を認め合っていること。
お店などを目的に『ファブリカ村』に集えば、
思わぬ素敵な出会いが訪れるかもしれません。

残りの1つ「SOMEBA(そめば)」は、
創作のためのアトリエで、
地域活動の拠点、
子どもたちの遊び場にもなっています。

『ファブリカ村』の表の道路は、
小学生の通学路だったり、
地域の高齢者の散歩道。
子どもたちもショーウィンドウに飾られた、
季節折々の展示に興味津々です。

「よいもの・よいこと・よいこころを育むために
生活に、ほんの少し芸術を。」
そんな『ファブリカ村』の願いは地域にも届いています。

暮らし方や生き方も丁寧に

多彩な人々が集まる『ファブリカ村』。
その原動力は村長の北川陽子さんです。

父親が営む「北川織物工場」で
テキスタイルデザイナーの腕を磨きました。

技術が認められる一方、
「大量生産・大量消費」の波は、
小さな町工場にも。

「染めては乾かし、
1年ほどかけて作った布が、あるとき、
お客さんの元でのちょっとした織り目の崩れで
焼却処分になるということがあって。
こちらには非がなくて、お金も入ったけれど、
なんなんやろう、この1年間って。」

ちょっとした傷で、すべてが台無しになる
そんな仕組みに限界を感じた北川さん。

直接、お客さんに販売する方法や、
布ができる工程を知ってもらう必要があると考えたのが、
『ファブリカ村』が始まるきっかけになっています。

北川さんは『ファブリカ村』の歩みを振り返って、
こう話します。

「地場産業を何とか次世代に伝えたいと思って、
工程とかを体験してもらって、
高くてもいいものを手に取ってもらおうと思ったけども、
今は地場産業だけにこだわらず、
人々の暮らしや生き方も丁寧になったらいいな」。

この15年、北川さんは、暮らしの中にいいものを、
芸術は堅苦しいものじゃないと思い続けてきました。

そして、滋賀ならではのこだわりも。

「滋賀県は、すごく感性豊かな土地。
素晴らしい景色や工芸を見て育った人たちは
とても色彩感覚に長けていると思う。」

いまの子どもたちにも感性豊かに、
「つくるよろこび」も感じてほしい。
子どもたちに出前授業なども行っている、
北川さんの挑戦はまだまだ続きます。

(取材・文:川島圭 写真:山本陽子)

『ファブリカ村』の概要

住所
滋賀県東近江市佐野町657
アクセス
JR琵琶湖線 能登川駅より徒歩約13分
営業時間
土日11時~17時(臨時休業あり。お確かめの上、来店ください)
問い合わせ
0748-42-0380
公式サイト
https://www.fabricamura.com/about/
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