【第6回 ひこねウモレボン市/イベントレポート】
台風も過ぎ去って少し涼しくなった秋の彦根で、
9月24日(土)に開催された「ひこねウモレボン市」に行ってきました!
1日店主となった約30名の出店者さんが持ち寄るたくさんの本と、
おいしそうな食べ物、飲み物、心地よい音楽までも混じり合うその場所は
なんと神社の境内。
この場所ならではの、独特の空気が広がります。
第6回目となる今回は、過去最多の出店数となり、会場は古本好きの常連さんや
ご近所の家族連れ、観光客の方々で大いに賑わいました。
一年に一度、「誰かのとっておき」に出会える古本のフリーマーケット
「ひこねウモレボン市」は、彦根市の中央商店街に店舗を構える
古本屋さん「半月舎」の主催で年に1回開催される、
古本のフリーマーケットです。
6回目を迎える今年は彦根城の近くにある「滋賀縣護國神社」の
境内を会場として、これまでで最多の古本31店、飲食店など
13店のお店が集まりました。
このイベントの主催者、半月舎さんのコーナー。
中に入ってぐるりと見回せるような凝った作りになっています。
実店舗と同じく、興味をそそられる本がたくさん並んでいて、
ついつい立ち寄りたくなるお店です。
お店といっても、古本を並べているのはほとんどが個人の方々。
それぞれの出店者が、自宅から選りすぐりで持って来た
「自分は読み終わったけどぜひ誰かにお奨めしたい本」、
「ずっと大事に眠らせていた本」などを自由な見せ方と
価格設定で出品されています。
出店者もお客さんも、地元、県内、他府県からの移住者、遠征と様々。
自分なりのテーマを作って出店されている方も多く
「今回は、料理と香りとお子さん向けの本を持って来ました!」と
話してくださる方も。
個人的には、小学生の頃によく読んだお菓子作りの本や、
廃刊になった雑誌のバックナンバーなどを見つけられて嬉しくなりました。
本だけじゃない!個性豊かなお店に心もお腹も大満足
会場内に漂う美味しそうな香りと楽しい音楽を作り出すのも、
滋賀県内外から集まった様々なお店の皆さん。
信楽の朝宮茶を使ったたい焼き屋さんは、本業では茶葉の栽培を
されているそうです!
本を見ながらウクレレの生演奏も聴けましたよ。
ウクレレの優しい音色とこの笑顔にほっと癒されます!
目の前でドリップしてくれるコーヒーのお店からは香ばしい香りが立ち上り、
つい「1杯ください!」と立ち寄ってしまいました。
なんと会場内にDJブースまで!
会場の雰囲気づくりに一役買っていました。
「メインは古本のフリーマーケットですよね?」と
思わず聞きたくなるくらい飲食店の種類も豊富!
ワインやこだわりのお食事も楽しみながら、1日中のんびり過ごせます。
ヒントは東京の「一箱古本市」から。全国各地で広がる古本の輪。
実はこの「ひこねウモレボン市」、全国各地で開催されている「一箱古本市」が
元になっているそうです。
一箱古本市とは、「東京の不忍ブックストリートで始まった、
本好きの人々がそれぞれに持ち寄った古本を販売する、
フリーマーケット形式の古本市」(「ひこねウモレボン市」フライヤーより)。
1件あたり最大たたみ1畳で展開されるお店には、
出店者の個性がギュッと詰まっています。
限られたスペースだからこそ、厳選された品揃えが目を引きます。
古本屋さんではなく一般の人が出店するこのイベントの醍醐味は、
読んだ本人が、「いらない本」ではなく、「本当はずっと持っていたいけど
他の人にも知って欲しいと思った1冊」を選りすぐって出品されている
ところにあるのではないでしょうか。
自分は読み終わった大切な本も「今もっと必要な人がいるかも」と
感じて循環させる思いで大切に並べられているのが、
それぞれのお店を見るとよく分かります。
主催者である半月舎の御子柴泰子(みこしばやすこ)さんは
「本が捨てられている現状があって古本屋を始めて、
それとほぼ同時にこのイベントも始めました。
こういうイベントが全国のいろんな場所に広がって欲しいです。
主催はやっぱりその土地の人がやるのがいい。
最初は小規模でも毎年開催したら知られていくし、
そうやって各地で続いていったらいいなと思います。」
と話してくれました。
回を重ねるごとにパワーアップし続ける「ひこねウモレボン市」、
早くも来年の開催が楽しみです。
滋賀県では10月22日(土)、23日(日)に
「ひとはこ古本市@旧水口図書館」も開催予定。
ぜひこちらにも足を運んでみてください!
ひとはこ古本市@旧水口図書館についてはこちら→http://kyutosyo.exblog.jp
(写真・文=林 由佳里)