【戦国しがトコ特集:信長の隠れ岩(滋賀県高島市朽木)】
この岩にあの織田信長が隠れていた…?
滋賀県高島市・朽木の山中に佇む「信長の隠れ岩」。
大河ドラマ『豊臣兄弟!』でも紹介され、いま注目を集めている場所です。
国道367号線、通称「鯖街道」から山中へ一歩足を踏み入れると、空気が一変。
そこには今も戦国時代の緊張感が漂っているかのような、
ただならぬ空気が流れていました
歴史を動かした「裏切り」と撤退戦

元亀元年(1570年)。越前の朝倉氏を攻めていた織田信長に、
衝撃の報せが届きます。同盟相手であり、義弟でもあった浅井長政の裏切りでした。
前を朝倉、後ろを浅井に挟まれた信長は、絶体絶命の危機に陥ります。
まさに袋の鼠となった信長が、
京へと逃げ戻るための唯一のルートとして選んだのが、
険しい難所「朽木越え」です。
のちに「金ヶ崎の退き口」と呼ばれる、
戦国史でも屈指の、命がけの撤退戦。
「朽木越え」は、信長にとってまさに生死を分ける道でした。
巨岩の影で、生死を分かつ「時」を待つ

当時、撤退路の要所に位置する朽木を治めていたのは、朽木元綱でした。
もし元綱が浅井側に味方すれば、信長の命は間違いなくありません。
緊迫した交渉が水面下で行われるあいだ、
信長が身を潜めていたとされる場所こそが、この巨大な岩なのです。
山の奥に現れる、異様な存在感

「気をつけよう、ハチとマムシと山のヒル」
そんな看板に背中を押されながら(?)山道を登っていくと、突如として現れる巨岩。
その圧倒的な存在感の岩を見上げると、ひんやりとした冷気とともに、
450年以上前の記憶が呼び起こされるような、不思議な感覚に陥ります。

目の前には、今も変わらず美しい安曇川の流れ。
しかし当時の信長にとって、この景色はどのように映っていたのでしょうか。
天下への野望が潰えかけ、一寸先は闇。そんな極限状態の中、
織田信長はこの岩陰で何を思い、再起を誓ったのか……。
歴史の目撃者になれる場所

「金ヶ崎の退き口」という歴史の大きな転換点で
織田信長にとって、まさに生死を分ける道となった「朽木越え」。
教科書の中の出来事が、滋賀の山奥に、
いまでもひっそりと残っています。
大河ドラマの余韻を胸に、
信長の息遣いを感じに朽木まで足を運んでみるのはいかがでしょうか。
(取材・文:しがトコ編集部/写真:林正隆)












