カフェ・お店

日本薬剤師の歴史はここから!第一号を輩出した明治創業の漢方のお店「本陣薬局」

本陣薬局の外に並ぶ看板
※お出かけの際は、マスクの着用や手洗いの徹底、ソーシャルディスタンスを保った行動など、感染予防の徹底をお願いします。また、お住まいや、お出かけされる都道府県の要請をご確認ください。各施設の最新の営業状況については、公式ホームページをご確認ください。

【本陣薬局・本陣薬局ギャラリー/滋賀県長浜市】

北国(ほっこく)街道・木之本宿。
この宿場町の中心に、江戸時代から300年の歴史を刻む
「本陣薬局ギャラリー」があります。
江戸時代には本陣職、明治以降は漢方薬局だった建物が
2020年秋に改修工事を終えギャラリーとして、生まれ変わりました。

威厳ある本陣の建物がギャラリーとして蘇る

本陣薬局ギャラリーの外観

写真:竹中昌代(長浜ローカルフォト)

北国街道沿い、風情ある商家の街並みの一角に、
思わず足を止めてしまうような、威厳をたたえる建物があります。

本陣薬局の建物は、木之本地区で最古級の町屋建築です。
2020年11月には、国の登録有形文化財に登録されました。
深く低い大屋根が、江戸中期の様式の特徴です。

本陣は、身分の高い大名専用の宿。
北国街道に面していながら、
決して”武士を見下す”ことのないよう
平屋建てになっているんだとか。

本陣薬局の外に並ぶ看板

写真:竹中昌代(長浜ローカルフォト)

どっしりと構えた軒先に、分厚い木の板がずらり。
これらは、(明治)時代の薬の看板です。

三百年分の歴史が詰まったギャラリーの見どころ

織田信長から賜った脇差

ギャラリーの一番の見どころは、戦国時代の刀と書状。
じつは、木之本宿・本陣ゆかりの竹内家は、
織田信長とも繋がりがあったとされる名家。
これらは、竹内家のご先祖が織田信長から授かったものだそう!
ちなみに展示品はレプリカで、本物は博物館に所蔵されています。

昔のハカリ
他にも、薬業に関する昔の備品や
明治・大正・昭和の香りが残る生活用品が
所せましと並びます。

本陣薬局のシンボル、亀のこうら
こちらの亀の甲羅は、加賀藩主・前田公から賜ったもの。
前田公が、参勤交代の帰りに伊勢神宮で生きた亀を授かったそうです。
しかし、加賀までの帰路は、亀を連れて帰るには長い道のり。
そこで、親交のあった木之本宿本陣に託して行ったのだとか。

亀が寿命を迎えた後は、甲羅を母屋の屋根の上に掲げていたそうです。
現在まで続く本陣薬局のシンボルになっています。

本陣薬局ギャラリー内の様子
現在、新型コロナウイルス流行防止のためギャラリーは休業中ですが、
本陣薬局ギャラリーの公開をどうぞお楽しみに!

日本初の薬剤師を輩出

薬剤師第一号免許
明治以降は漢方薬局だったギャラリーには、
先々々代当主・第22代竹内五左衞門さんの薬剤師免状が展示されています。
なんと、日本薬剤師第一号なんだそう!

本陣薬局の竹内崇浩先生

写真は創業当時の意思を受継ぎ
現在でも『漢方の本陣薬局』として店を営む竹内崇浩先生。

本陣薬局内の様子

現在の『漢方の本陣薬局』は、ギャラリーより少し西、
歩いて10分ほどのところで営業しています。
明治より続く本陣薬局で、相談業務にあたったいるのが
ご家族でもある3人の先生。

漢方で心・体を快適に過ごすには?

本陣薬局の三人の薬剤師

鎖国中の日本で発達した『日本漢方』を専門とし、
痛みや痺れ、心の病にも詳しい崇浩先生。
中国で学び継がれた『中医学』をベースに、
子宝や月経、更年期などの女性の悩みに寄り添う
聡先生(写真右)と美香穂先生(写真左)です。

せっかく3人の先生に取材させていただくのなら!と、
しがトコ編集部のちょっとしたお悩み(?)も相談させていただきながら、
漢方のチカラで心や体、気持ちよく過ごすヒントを先生にお聞きしてみました。

聡先生:舌が少し乾燥していますね。ストレスがあるみたいです。
それから、胃腸が少し弱っているかも。
昨夜はよく寝られましたか?

しがトコ編集部:確かに、しばらくお腹の調子がよくないんです。
昨日も実は緊張して寝られませんでした。
ここまでわかるんですか?!

聡先生:舌から見える範囲ですが、わかりますよ。
責任感が強いんですね。

美香穂先生:漢方では、「心と体はひとつ」と考えるんです。

考え込んで眠れない人に「考えないようにしてね」と伝えても、
そんなこと簡単にできませんよね。
でも、”血”を補う処方をしたら、
「ま、いっか!」と心が晴れて、眠れるようになることがあるんです。

女性のイライラは、”血”のコンディションのせいかも

本陣薬局の三人の薬剤師

しがトコ編集部:漢方は、長く飲まないと効かないイメージがありますが?

美香穂先生:実は、即効性があるものもあるんです。

時間をかけて体質改善をする処方もありますが、
その日の調子にすぐに対応する漢方薬も結構あるんです。
また、漢方の考え方を身につけると、
自分の”体の声”をキャッチする力が高まります。

しがトコ編集部:なるほど。体のことを置いてけぼりにしていたかもしれません。

美香穂先生:「漢方薬を飲み始めて、自分の体に敏感になった」
というお声はよくいただきます。

「舌の色がこうだから、今日は無理しないでおこう」など、
体の声をきちんと聴けるようになるんです。

今日からできるセルフチェック

脈の見方
そして、もうひとつ、自分の体調を知るための簡単な方法も教えていただきました。
それは、ずばり”脈をとる”ということ。

まず、手の甲から支えるように、片方の手首を握ります。

支えている手の3本指で、手首をクッと押さえましょう。
こうすると、自分の脈をとれます。
毎日、脈の当たり方を確認してみてください。

脈の見方
「なんだか体調悪いな」という日に、
脈がいつもより強めに当たってきたら、おそらく風邪。
ギターの弦のように硬く当たってくるなら、ストレスのサインです。

体の状態がつかめたら、
ゆっくりと休んで、自分を労わってくださいね。


聡先生と美香穂先生は、
女性のお悩みを担当分野とされています。

女性の日々には、血液を失うシーンがたくさん。
毎月の月経はもちろんのこと、
出産の時には一度に大量の血液を失います。
血液を補給するまもなく、授乳が始まります。

“血”(けつ)が足りない状態では、本来の自分よりも
少しネガティブになりやすいのだそうです。
不安感が強かったり、集中力が途切れやすかったりするのも、
血が不足しているせいかもしれません。

血気水の三要素
心身のコンディションには、”気・血・水”の三要素が影響していて、
それぞれのバランスや”めぐり”が崩れると、体に不調が出てきます。

「何が不足しているのか?」「何が余っているのか?」
このバランスを丁寧にチェックしていくのだそう。

舌診チャートの説明

相談の中では、顔色や舌の状態もチェック。
問診の内容と体から出ているサインを総合的に見て、
その人のタイプと不調の原因を判断します。

“気”が足りない”気虚(ききょ)タイプ”は、
疲れやすさや風邪を引きやすい傾向が。

“血”が足りない”血虚(けっきょ)タイプ”は、不安や不眠の悩みが多く、
“血”が滞っている”瘀血(おけつ)タイプ”は、
肌荒れや生理痛・頭痛に悩まされることも。

本陣薬局の女性薬剤師
そして、”気・血・水”の3要素には、内臓と深いつながりが。
それぞれの量や”めぐり”は、
対応する臓器のコンディションで変わるんです。

“血”が足りないなら、肝に働きかける。
“気”が足りないなら、胃腸の力を高める。

表面に出た症状に対処するのではなく、
症状の元になっている臓器に働きかけるのが漢方のアプローチ。

他にも、舌の色や状態を見て、健康状態をみる「舌診(ぜっしん)」では、
苔が多いときは老廃物がたまっていて、
舌先が赤い時は熱がたまっているサインなんだそう。

気軽に自宅で!オンライン相談も

薬棚

本陣薬局では、オンライン相談も受け付けています。
先生方のサポートを受けながら、
自分らしく、心地よく過ごすための方法を見つけられますよ。

三人の先生方は、それぞれの専門分野で活躍しています。
お悩みに合わせたブログも必見です。

若手薬剤師の美香穂先生は、
TwitterInstagramなどのSNSでも情報を発信しています。
自分を労る方法を伝える穏やかな言葉は、いわば”読む漢方薬”。
日々の選択のきっかけになることを願って発信し続けているそう。

また、オンラインのセミナー『中医学zoom』にも講師として参加されています。
こちらは、お仲間の先生方と一緒に開催されている、無料セミナー。
養生のことや妊活のことなど、様々なテーマで漢方の考え方を学べます。

養生とは、心と体をいたわること。出来ることからひとつずつ。
漢方のある暮らしを始めてみてはいかがでしょうか。

(写真:文 伊東朋子 編集:しがトコ編集部)

記事を書いた人
伊東朋子/滋賀県北部のログハウス在住。ライター・webデザイナー。びわ湖の見える作業場所を見つけてはローカルノマドに勤しむ。趣味は節約レジャー、カメラ、カフェ・ラーメンめぐり。自分なりのスローライフを探しています。「びわ湖でSUPヨガ」の夢に向けて、ヨガはじめました。(Instagram@slow_life_quest)

「漢方の本陣薬局」を地図でみる

JR北陸本線「木ノ本駅」から徒歩5分!

本陣薬局

→大きい地図で見る

『漢方の本陣薬局』の店舗詳細

住所
滋賀県長浜市木之本町木之本1577 望月ビル 1F【→地図】
営業時間
10:00~20:00
定休日
日・月・祝日
電話番号
0749-82-3438
公式サイト
漢方の本陣薬局

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