カフェ・お店

山の奥で見つけた小さなパン屋さん。店主のこだわりがぎゅっと詰まった「ウルーウール」

パン2

【ウルーウール/滋賀県甲賀市】

雪の残る山道を奥へ奥へ。
小さな看板を頼りにたどり着いたその場所は、
思っていたよりもこぢんまりした、
その分ほんとうに思い入れのあるものだけが
ぎゅっと詰まった空間でした。

滋賀生まれ、滋賀育ちのご夫婦が営む
パンとお花のお店兼アトリエ「ウルーウール」
に行ってきました!

自家製酵母や地元の旬をふんだんに!こだわり製法の美しいパン。

ドア

OPENを知らせる看板に、
季節の花束が飾られたドアを開けると
まず漂ってくるのは、甘くこうばしいパンの香り。

パン1

まるでお友達の家に招かれたような
コンパクトで暖かい空間に、
一目見ただけで「丁寧につくられているな」
と分かるパンの1つ1つ。

自家製酵母で作られるパンは、
作りたい生地や、その時々の季節によって
酵母の種類を変えるのだそう。

バゲット

例えば甘いパンにはヨーグルトの酵母を使い、
定番のバゲットには果物から起こした酵母が
使われています。

春は苺の酵母、初夏にはブルーベリーの酵母など、
見えないところにしっかりと季節が
反映されているのが粋なところ!

キッシュ

旬の素材を使った、”春野菜のキッシュ”や

苺のデニッシュ

苺のデニッシュも並びます。

材料の牛乳や果物は、近隣の生産者さんから
仕入れているそうで、

「今朝とれた新鮮なものを配達してくれる。
そんな風に、旬の果物や素材を、
作った人の顔を見て直接仕入れるようにしています」

と話してくれたのは、パン担当の
橋本昌弘(はしもとまさひろ)さん。

これだけ手の込んだものをたくさん作られているのだから、
さぞや細かいこだわりが!と思って聞いてみると、
コンセプトは意外にも「なるべくシンプル、ベーシックに」
とのこと。

そして必ず、「その中に驚きを」。

クロワッサン

定番のクロワッサンやバゲットは
特に食感と口どけを重視しているそうで、
目指すところは「さっくりした歯ごたえがありながら、
口に入れたらすっと溶けるパン」だそうです。

パンがすっと溶ける?そんなこと、どうやって⁉︎と、
勢いあまって突っ込み過ぎ、「秘密です!」
と言われてしまいました!

自然に囲まれたこの環境ならではの
インスピレーションもあり、
日々多くの新作が生まれているそうです!

もう一つの主役!お花で元気や癒しを届けたい。

メイン

このお店のもう1つの主役は、
入り口やテーブルを優しく彩る
ブーケやフラワーアレンジメントの数々。

「今ちょうど発送前のもので、
結婚のお祝いにと注文をいただきました」

アレンジメント

と話してくれたのは、お花を担当されている
橋本夏美(はしもとなつみ)さん。

夏美さん

「パッと目をひく個性的なものよりも、
心が元気になる、空間にほんのり色を添えるような、
癒されるものを作りたい」

という思いで、注文ごとに季節やイメージに合った
フラワーアレンジメントを制作されています。

花束

基本的にはオーダーメイドですが、
運がよければその場で買える花束や、
キャンドルのアレンジメントに出会えることも!

キャンドル

また、「もっとたくさんの人に、
日常生活でお花を楽しんでもらいたい」と、
このアトリエ兼お店の空間を使って、
フラワーレッスンも開催中です。

ちょうど取材の翌日が”フラワーフレーム”を
作るレッスンがあるそうで、
その準備をされていました。

フレーム

フラワーレッスンの参加者は、
「他府県の方や、9年目という方、
初めての方まで本当にいろいろ!」

だそうで、どんなメンバーでも
同じように1つのテーブルを囲んで
和気あいあいと作業するのだとか。

りんご

「滋賀県の人はいつも身近に自然を感じているので、
生活に植物を取り入れるのが上手。
いつもお家に花があることで、そういう習慣が
お子さん達にも根付いて続いていけば嬉しい」

と話してくださいました。

生まれ育った土地で叶えた夢。愛とこだわりが凝縮されたアトリエ

看板

お店の名前にもなっている
”La faire heureux heure(ラ フェール ウルー ウール)”は、
フランス語で”しあわせな時間を作る”という
意味だそうです。

お店と住まいのあるこの土地は、
夏美さんが生まれ育った場所。

昌弘さん、夏美さんともに滋賀県の出身で、
2人それぞれに県内や京都のいくつかのお店で勤務され、
この場所にアトリエを構えました。

「当時、パンの販売は予約のみだったんですが、
ある日お花のお客さんにパンを出したところ、
評判が良く、口コミでパンのお客さんが
増えていったんです」

そこから、アトリエでパンの販売を開始。
他にはない、パンとお花のコラボレーションが
生まれました。

風景

テーブルの奥にある大きな窓からは、
甲賀の山と空の景色がまるで切り取った
1枚の絵のように眺められます。

「今見えている場所を庭にして、
買ったパンを食べながらくつろげるスペースを作りたい」

というお2人の言葉から、ずっとこの場所で
続けていきたいという思いが伝わってきます。

週末には他府県からのお客さまも多く、
行列ができる日もあるのだとか。

”暮らしたい場所”でお店を開き、続けていく。
特別ではなく、日常の続きにある”しあわせ”に
気付かせてくれる、とっておきのパンとお花に出会いに、
ぜひ足を運んでみてください。

(写真:文 林由佳里)

記事公開日:2017年2月6日/最終更新日:2021年6月14日

「ウルーウール」を地図でみる

新名神甲南ICより約6分!

ウルーウール

→大きい地図で見る

『ウルーウール』の店舗詳細

住所
滋賀県甲賀市甲南町野川1972【→地図】
営業時間
10:00~17:00
営業日
水・木・金・土曜日(詳しくは公式サイトのカレンダーをご確認ください)
電話番号
0748‐70‐2459
公式サイト
ウルーウール
しがトコ採用情報

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