観光

自然豊かな湖南アルプスの山中に現れる“桃源郷” 『MIHO MUSEUM(ミホミュージアム)』

【MIHO MUSEUM(ミホミュージアム)/滋賀県甲賀市】

四季の風景が映り込み、春には桜、秋には紅葉のオレンジ色に輝くトンネル。
SNSで一度は目にしたことがないでしょうか??

甲賀市信楽町にある『MIHO MUSEUM』は
パリ・ルーヴル美術館のガラスのピラミッドを設計した
I.M.ペイ氏が手がけた建物。
周囲の自然と融合し、東洋の理想郷とされる“桃源郷”をテーマとした美術館です。

『MIHO MUSEUM』広報・西郡哲也さんの案内で、
しがトコ編集部が滋賀の “桃源郷”を体感してきました!

美術館までの道のりも圧巻!感動のアプローチロード

やってきました!ミホミュージアム!!
信楽の山奥という立地にも関わらず、海外からも多くの見学者が訪れるという
滋賀が世界に誇れる美術館です。

山道を進んだ先に突如現れるこのロケーション!
すでに興奮ではやる気持ちを抑えつつ、駐車場からレセプション棟へ。

レセプション棟

これが美術館!?と思ってしまうほどの立派な佇まいですが、こちらはレセプション棟。
チケットの販売所やレストランがあります。

※コロナ感染対策のため、入館はオンライン事前入館予約が必要。
レストランは休業中。詳しくは公式サイトをご確認ください。
公式サイトはこちらから

まだまだここは美術館への出発点。
レセプション棟で広報の西郡さんと合流し、いざ、美術館棟へ!!

電気自動車

レセプション棟から美術館棟までは約500m。
無料の電気自動車も運行していますが、
“桃源郷”への道のりの高揚感を感じたくて、
歩いて美術館棟を目指すことにしました。

トンネル手前

出発して数分であの有名なトンネルが目の前に!!
通路の両サイドにある立派な枝垂れ桜が春には見事な花を咲かせます。

「桜のピンク色が映り込むトンネルがインスタでも人気ですが、
新緑が反射する緑のトンネル、夕日に染まる黄金のトンネルなど
季節や時間によって色々な表情が楽しめるんですよ」と西郡さん。

トンネル内のパネルは音楽室の壁のように、細かな穴が開いていて
消音効果があり、反響のない静かな空間になっています。

この無音の世界が、“桃源郷”への道のりをより特別なものへとしてくれます!

トンネル内のカーブを過ぎると、
その先に続く吊り橋を支えるワイヤーと奥に美術館棟が見えてきます。
吊り橋を支える半円形のアーチが見事で、ワクワク感が高まる一方。
さあいよいよ美術館棟に到着です。

所蔵品、約3000件。国内外の名宝が揃う美術館棟

美術館棟

目の前に現れた、山腹にはめ込まれたような小さな建物。
この入母屋造りの建物が美術館棟の入り口です。

「あれ?意外と小さい?」と思ったあなた!
これは美術館のほんの一部。
美術館棟は建築容積の80%以上が地中に埋設されていて、
建物の上にも自然を復元しているんです。
大自然のなかで違和感なく美術館が存在するのには、
そんな工夫があったんですね。

入り口の丸窓からは、立派な松が顔を覗かせていて
扉が開く前からすでにワクワク!

エントランス

エントランスに入ると目の前に湖南アルプスの山並みが広がります。
山並みをバックに樹齢約180年の松の大木。
斜めの松と垂直の松の組みあわせが、大きな窓を額縁とした一つの作品のよう!

ガラス屋根や大きな窓から光をいっぱいに取り込んだ空間が広がっています。
エントランスからの絶景を堪能したら、まずは南館・常設展へ!

女神立像 前3世紀

「女神立像 前3世紀」

スタートの南館・エジプト展示室に入ると、
まず一体の女神像が私たちを出迎えてくれました。

「この女神像は美術館のお迎え役。美術品がよりよく見えるよう、
それぞれの作品に合わせて展示空間が設計されているんですよ」と西郡さん。

女神像の浮かび上がり方、圧倒的な佇まいに、一気に古代へとタイムスリップ!

隼頭神坐像 前1295-前1213年

「隼頭神坐像 前1295-前1213年」

「この像は神殿の奥の奥に祀られていて、
王様と限られた神官しか見られないような礼拝像だったと言われています。
大英博物館で展示されていた時には、
エリザベス女王がわざわざこの像を鑑賞しに行ったそうです」と西郡さん。

「え?そんなすごい像をこんな間近で見ちゃっていいのかしら…」
なんて思いが沸き上がってきます。

展示室中央に、天井まで届く石の壁と段を築くことで
厳かな神殿内部の雰囲気を醸し出しているそう。

美術品の見せ方ひとつにも、
建築家I.M.ペイ氏(以下・ペイ氏)のこだわりが詰まっています。

精霊と従者浮彫

「精霊と従者浮彫 前883-前859年」

エジプト展示室を出て、地下へ下りた西アジア展示室でも
西郡さんから興味深い話が!

「この浮彫の続きは大英博物館にあるような、貴重な美術品なんですけどね。
これは、学校の売店の壁の中から再発掘されたんです。
そのときは石膏が上塗りされた状態で浮彫は見えてなかったんでしょうけど、
学生たちが壁に掛けたダーツの的に投げて遊んでたみたいで、
よく見るとダーツが刺さった穴があるんですよ」。

紀元前に作られたものが長い年月をかけ、奇跡的に残り、
いま目の前にあることに感動を覚えます。

牡鹿形リュトン

「牡鹿形リュトン 前4世紀-前2世紀」

続いてのギリシア・ローマ展示室では
ミホミュージアムこだわりの“マウント”を使った展示の話に。

“マウント”とは作品を展示するための支えですが、
ミホミュージアムでは、作品がひとりで立っているかのような
作品の邪魔をしないオリジナルの“マウント”技術が採用されています。

「学芸員がマウント技術を学んで、実際に作っているんですよ」と西郡さん。

「牡鹿形リュトン」でも鹿の胴体下部に、同色の支えが作品に沿うように施され、
違和感なく美しく感じられました。

仏立像

「仏立像 2世紀後半」

南アジア展示室に入ると、目に飛び込んでくるのは世界最大級の仏立像。
日本美術以外では、ミホミュージアムに最初にコレクションされたものなんだとか。

総高2.5mのガンダーラ様式の仏立像は、力強い存在感!
仏像の上からは自然光が降り注ぎ、寺院にいるような厳かな空間が広がっています。

ここにもペイ氏の見せ方が光ります。

ディオニュソス・モザイク

「ディオニュソス・モザイク 3世紀-4世紀」

各テーマごとの展示室を回っていると、通路の床にも作品が!
「自然に近い状態で鑑賞してもらおうと、以前は作品の周りに柵もなかったのですが
気づかずこの上を歩いたり、子どもが駆けまわったりしちゃって(笑)。
段差もあるので、いまは簡単な柵をしています」と西郡さん。

ルーブル美術館や大英博物館にも劣らないほどの展示品があるのに
このおおらかさ!これって滋賀だから?
自然の光を常に感じながら、肩肘はらずにゆったり見て回れるのも素敵です。

鐃

「鐃 前1400-前1000年頃」

中国・西域展示室に入って目を引いたのは、青銅器の鐃(どう)。
開口部を上にして立てて使われた揚子江文明のベルで、
バックの朱色が作品を際立たせています。

メダリオン動物文絨毯

「メダリオン動物文絨毯 16世紀-17世紀」

常設展最後を締めくくるのは、巨大な絨毯(じゅうたん)。
西アジアの遊牧文化に起源するといわれているイランのパイル絨毯。
長さ約8メートルのスケールと、きめ細やかな文様に惹きつけられ、
絨毯を見上げながら、ベンチに座ってしばらく動かない人もいるぐらい!

中国・西域展示室

ミホミュージアムのコレクションは、創設者・小山美秀子(こやまみほこ)氏が
40年以上にわたり集めてきた多彩な日本美術が始まり。
ペイ氏との出会いをきっかけに、コレクションは世界の古代美術へと広がり、
約3000件を収蔵するまでになりました。

常設展示されているのが、そのうちの約250件だというから驚きです!

小山さんの情熱がペイ氏を動かし、“桃源郷”が誕生

展示パネル

ミホミュージアムを建築したI.M.ペイ氏は
『パリ・ルーヴル美術館』のガラスのピラミッドも設計した世界的に有名な建築家。
なぜ、そんなすごい人が、信楽に美術館を建てることになったのでしょう。

展示パネル2

そこには小山美秀子氏の熱意がありました。
ニューヨークにいるペイ氏に会いにいき直談判したそう。
それがきっかけでこの信楽で幾つもの独創的な建築物をペイ氏が建築しています。

展示パネル3

なにもなかった山中に“桃源郷”を見出したペイ氏。
「できない」でなく、「どうすればできるのか」を常に考えていたそう。

美術館建設までの経緯なども詳しくパネル展示されているので
ぜひ、こちらもチェックしてみてください!

季節ごとに変わる特別展で、ミホミュージアムの原点に触れる

北館

北館の特別展では秋季特別展
「MIHO MUSEUM コレクションの形成-日本絵画を中心に-」が開催されていました。
(2020年12月13日まで)

小山氏のコレクションの原点である日本美術をテーマに
約70件の作品が展示されています。
常設展に続いて特別展も覗いてきました!

十一面観音菩薩像

「十一面観音菩薩立像 平安時代」

特別展に足を踏み入れた瞬間、一気にその世界に引き込まれる菩薩像。

耀変天目

「耀変天目 中国・南宋時代」

加賀藩前田利常以来、加賀前田家に伝えられたとする黒紺地の茶碗は
紺碧色が光に応じて瑠璃色に変化する大変珍しい茶碗です。

象と鯨図屏風

「象と鯨図屏風 江戸時代」

伊藤若冲筆のスケールの大きな屏風絵。
美術館のコレクションの形成、発展に大きな役割を果たした作品たちは
どれも感銘を受ける作品ばかりでした。

柔らかな光が降り注ぐ、カフェも癒し空間

Pine View

沢山の名宝に浸り“桃源郷”を体感して大満足!
最後に館内にあるカフェ『Pine View(パインビュー)』でくつろいできました。

自家製の天然酵母パン

自家製の天然酵母パンは噛むほどに小麦の甘味を感じられるパン。
パンの具材に使用される野菜も無肥料・無農薬の
自家採取された野菜を使用しています。
手前左「根菜のラタトゥイユ」や、手前右「季節野菜のフォカッチャ」など
野菜の旨味も感じられるパンがおすすめ!

インスタ映え必至のドリンク「トゥーリカラートリート」は
上からハイビスカスティー、みかんジュース、キウイと
三層の違った味を楽しめる一品です。

モンブランと白玉あずき

そしてやっぱり、最後は甘いもの。
国産和栗使用のモンブランや国産あずき使用の白玉あずき。
どちらもほどよい甘さで素材の味が引き立っています。

光をいっぱい取り込んだカフェでいただくこだわりの品々。
鑑賞後の身体を癒してくれます!

五感いっぱい心が満たされる至福の時間。
ぜひ皆さんも滋賀の“桃源郷”を体感してみてくださいね!

入館前に事前予約が必要となります!ご注意ください!!
入館予約はこちらから

(文・安部愛子 写真・しがトコ編集部、安部愛子)

『MIHO MUSEUM』を地図でみる

JR琵琶湖線「石山駅」からバスで約50分

MIHO MUSEUM

→大きい地図で見る

『MIHO MUSEUM』のデータ

住所
〒529-1814  滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300 
→地図
電話番号
0748-82-3411
入場料
大人 1,300円 / 高校・大学生 1,000円 / 小学・中学生 無料
事前予約制(詳しくはこちらから
開館時間
当面の間、午後4時(入館は午後3時まで)
休館日
春季、夏季、秋季の開館期間中の月曜日(祝日の場合は翌平日)
公式サイト
http://www.miho.jp

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