観光

職人見学からUCCの工場見学まで!藍染め、和楽器、日本酒、コーヒー。4つのモノづくり現場をめぐりました!

【ものづくり体験/滋賀県愛知郡愛荘町】

滋賀で脈々と受け継がれてきた“ものづくり”。
そこには職人の伝統の技や工夫、こだわりが詰まっています。

その魅力を知るために、滋賀県愛荘町に行ってきました。

日本の暮らしに寄り添ってきた“藍”を知ろう!「金剛苑」の藍染め体験

金剛苑外観
最初に訪れたのは「手織りの里 金剛苑」。
この地域の伝統工芸品である「近江上布」や「秦荘紬」の
特性や美しさを、資料や実演を通して広く一般に伝える施設です。

今回はここで「藍染め体験」しながら、
日本人に昔から馴染み深い“藍”について、少し勉強してみましょう!

金剛苑玄関

取材に同行してくれたのは
滋賀の仏像文化に惹かれ、滋賀へ移住してきた観音ガール。
仏像を語るには、滋賀の伝統的なものづくりも知っておくべき!と
なかば強引に口説き、一緒に回ってきました!

藍染め材料

藍染めの原料は、アイと名のつくさまざまな植物です。
元々、世界各地に自生し、古来より多くの効能を持つ薬草として珍重されてきました。
日本にも最初は染めの原料としてでなく、薬として伝わったそうです。

アイの葉を乾燥させ、発酵させたものが「蒅(すくも)」。
そこに「貝灰」などを混ぜて、染料を作ります。

染色工房

土中に埋められた藍瓶(あいがめ)が並ぶ染色工房。
あまり目にしたことがない光景に思わず「おぉ!」と言葉がもれます。

藍は空気中の酸素に触れることで
酸化発色して青くなっていきます。

沈めたり、出したりを、染めたい濃さになるまで何度も繰り返します。

藍瓶アップ

驚いたことに、藍瓶の中は泥水のような色をしています。
これが染めた後は藍色になるなんて、なんとも不思議!

藍染体験の様子

「藍は生き物なんですよ」と伝統工芸士さん。
いい藍色を染めるためには発酵の状態をコントロールする必要があるそう。
そのため、寒い時期は発酵に最適な温度を保つため
土中の火壺におがくずと薪をくべて、温度調整をします。

工房の壁

だから工房全体が黒くすすけていたんですね!
藍染めの製品は知っていても、
できる過程はまったく知らなかったので、とても新鮮でした。

藍染ハンカチ

こんな素敵な青に染まりました!

藍には防虫、抗菌、消臭効果があるそう。
また、江戸時代の火消しの人が濃い藍色の法被を着ていますが、
実は藍の色素は燃えにくいからなんだとか。

藍ってすごい!!

織物資料館

「織物資料館」では、実際に使われていた機織り機などが展示されています。

伝統工芸士さん

「染織工房」では伝統工芸士の方々が“櫛押し染め”や“整経”、
“機織り”などの作業をされているので
糸から織物が紡がれていく様子を見学することができます。

櫛押し染め

これは櫛押し染めに使う絣糸(かすりいと)。
先に糸に色をつけてから織り上げていくことで
プリントではだせない、風合いある生地になるそう。

生活資料館

築170年の民家を移築した「生活資料館」もありました。

生活資料館内

中には昔の生活道具などが展示されています。
ドラマや映画のロケにも使われたりしているそうです。

機織り手元アップ

受け継がれてきた日本の伝統文化の良さを改めて感じ
体験できる貴重な施設でした。

「金剛苑」
住所:滋賀県愛知郡愛荘町蚊野外514
営業時間:9:00~16:30(受付16:00まで)
入苑料:大人320円 小中学生170円
休苑日:4月~11月は月曜日 12月~3月は日・月曜日
TEL:0749-37-4131
詳しくはこちらから

日本酒造りの神髄を知る。「藤居本家」の酒蔵見学

藤居本家外観

国道8号線「長野」の交差点を琵琶湖側へ少し入ると
ひときわ大きく目を引く立派な建物があります。
こちらが江戸時代より続く老舗酒蔵「藤居本家」のお店。

ただ“お店”と呼ぶにはあまりにも立派すぎる建物!
玄関扉の高さも3mほどありそうです!!

こちらは約50年前に、現当主の母親である藤居静子さんが設計した
総ケヤキづくりの建物で、木材を探すところから始め
長い年数を費やして建築されたものだそう。

杉玉

立派な「杉玉」が吊るされています。

杉玉は新酒ができると新しいものに交換されるので
緑の杉玉が下がっていると新酒ができた合図なんですよ!

酒蔵外観

杉玉はもともとは酒の神様へ感謝を捧げ、
醸造の安全を祈って吊るされていたそう。
蔵の中には神様がいるとされていたんですね。

そんな日本酒文化を少しでも多くの人に知ってほしいと
酒蔵見学も受付されています。(事前予約制)

酒蔵内観

酒蔵もお店と同様にとても立派!
NHK朝の連続テレビ小説「甘辛しゃん」など、
ドラマの撮影などにも使われた趣きある蔵です。

酒造りの道具

レトロな雰囲気が残る部屋の中には
当時使われていた道具もそのまま残っていました。

旭日

藤居本家の代表銘柄は「旭日」。
幻の酒米と呼ばれる「滋賀渡船六号」を使った「渡船」も人気が高いお酒。

酒米

手に持っているのが滋賀で昔から育てられてきた酒米の「滋賀渡船六号」。
身長と同じくらいの高さがあります!
折れやすく育てづらいことから、一時栽培が途絶えたこともありましたが
残っていた籾種から復活したそう。

「地酒はその地域の文化です。
地元産の酒米を使った酒造りに、酒蔵の生き様が反映されます」と話す藤居さん。

水の試飲

仕込み水をいただきました。
鈴鹿山系の伏流水で、蔵までたどり着くのに100年ぐらい経ってるそう!

100年前の水が脈々とこの地へ流れつき
おいしい日本酒を生み出す・・・
そう考えると、すごくないですか?

貯蔵庫

こちらはお酒を熟成させる貯蔵庫。
ずらりと並ぶ、大きな酒のタンクは圧巻です!

「お酒のゆりかごを作りたい」と、この建物も当主のお母さまが設計されたもの。
躯体を支える4本の太い柱は、樹齢700年のケヤキなんだとか。
総ケヤキの土蔵は温度変化が少なく、心地よい静寂で満たされています。

酒造りを知ることはもちろん、立派な建物だけでも一見の価値ありです!

日本酒試飲

酒蔵見学の後には、試飲しながらお買い物も楽しんでください。

「藤居本家」
住所:滋賀県愛知郡愛荘町長野793
営業時間:9:00~18:00 ※酒蔵見学要予約(無料)
定休日:年中無休
TEL:0749-42-2080
詳しくはこちらから

初めて触れる琴の音色に感動!県内唯一の琴製造工房

西川和楽器ギャラリー

つづいて、日本の伝統的な楽器
“お琴”を作っている「西川和楽器(にしかわやまとがっき)」を訪ねました。

ギャラリー内

お琴って、なんとなく難しそう、馴染みがない・・・
そんな風に感じる人も多いかもしれませんが、
お正月に流れる「タン、タ、タ、タ、タ、タ、タ、タン」や
「さくらさくら」を演奏する琴の音色は
誰もが耳にしているのではないでしょうか。

琴の種類

主に琴として広く知られているのは奈良時代に中国から伝わったものですが
日本古来の弦楽器「和琴」は弥生時代の遺跡からも発掘されているそうです。

西川洋雄さん

糸締めをされていた、ご主人の西川洋雄さん。
お琴を作る職人は年々減り、県内では西川さんだけ。
国内でも数えられるほどになってしまったそう。

貴重な技術を後世へと継承するため、いまは息子さんと一緒に製造されています。

琴の製造工程

少しでも伝統楽器に興味を持ってほしいと
無料でギャラリーも公開されています。

お琴が1本の木からできるって知ってましたか?
木目が複雑になるほど音色に深みがでるため
同じ木でもどの部分を切り出すかによって品質が変わります。
そこは長年の経験が生きる部分でしょう。

琴の装飾品

装飾にも色々な材料が使われているんですね。

琴の裏側

裏側まで装飾が施されています
見えない部分にもこだわりが光ります!

演奏体験

体験コーナーで初めてお琴を弾いてみました!

手元アップ

譜面は漢数字が並んでいて一見すると難しそうですが
弦にも一から十までの漢数字などがうたれているので
「さくらさくら」のような簡単な曲なら誰でも弾けてしまうんです!

日本の伝統的な楽器の音色は、
やはり日本人の心に響くのでしょうか?
心が癒される気がしました。

「西川和楽器」
住所:滋賀県愛知郡愛荘町沓掛790
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜・祝日 ※不定休
TEL:0749-42-3310
詳しくはこちらから

世界で初めて缶コーヒーを開発した「UCC」。人気の工場見学ツアーを体験!

UCCマグカップ看板

伝統的なものづくりだけではありません!
愛荘町のおいしい水は、おいしいコーヒーづくりにも一役買っているんです!

国道8号線沿いにある大きなマグカップが目印の「UCC滋賀工場」にやってきました。

UCC滋賀工場玄関ホール

こちらでは毎週火曜・木曜
10:00~と13:00~の1日2回
工場見学ツアーが開催されています。

UCCの歴史

世界で初めて缶コーヒーを作ったのが「UCC」って知ってましたか?
創業者の上島忠雄氏が、電車の出発ベルが鳴り、
まだ飲みかけだった瓶入り珈琲牛乳を売店へ慌てて戻した経験から
車内でもゆっくり飲めるようにと缶入りコーヒーを開発したそう。

その後、大阪万博を機に缶コーヒーは世界中で愛される飲み物となりました。

UCCスペシャルムービー

工場見学の前に、映像でUCCのコーヒーづくりのこだわりを学びます。
ジャマイカとハワイにはUCC直営のコーヒー豆農園があります。

世界には“コーヒーベルト”と呼ばれる地域があるとか
コーヒーがどんな場所でどんな風に育つのかなど
普段コーヒーはよく飲んでいるけど
意外と知らないことも多く、とても勉強になりました!

工場入口扉

コーヒー豆知識を詰め込んだら、いよいよ工場内へ!
重厚な扉の前に立ち、合言葉を唱えると扉が開く仕組みです。
合言葉は「飲むんだったら、UCC!」

写真は2人だけで少しさみしい感じですが
通常の工場見学ツアーはコンシェルジュの案内で約20人が一緒に回るので
ここが一番の見せ場なはず!(笑)

合言葉の後、センサーに手をかざすと
緑の光が点滅し、うやうやしく扉が開きます

工場見学通路

近未来的な通路から工場の中が見学できます。

工場内には企業秘密が詰まっているので写真ではご紹介できませんが
コーヒー本来のおいしさを損なわずにボトルへ詰める工夫がいろいろ!

工場がある愛荘町は平成の名水百選にも選ばれた、おいしい水が湧き出る場所。
UCCの主なコーヒー製品にも鈴鹿山系の天然水が使用されているんです。

プリフォーム

この小さいボトルは「プリフォーム」と呼ばれるペットボトルの赤ちゃん。
小さい状態で輸送することで、
手間やコストカット、CO2排出量の削減にもなります。

コーヒー飲み比べ

工場内の見学が終わったところで
最後は実際にコーヒーの飲み比べ体験にチャンレンジ!

コーヒー飲料は、「コーヒー濃縮エキス」に水を加えて作る方法と
「レギュラーコーヒー100%」で作る2つの製法があります。

テーブルに用意されたのは、その2つの製法で作られたコーヒー。
ソムリエ気分でその違いを見極めてみてください!

プリクラ機

工場見学の記念にぜひ、
BLACK缶デザインのプリクラ機で記念撮影を!

UCCオリジナル信楽焼

工場限定商品も見学ツアーの魅力のひとつですよね!
ここではUCCと信楽焼がコラボしたマグカップや
コーヒーの木が販売されています。

工場ででたコーヒー抽出かすはバイオマスボイラーで燃料にされます。
その使用後の灰を陶器に塗る釉薬に使用しているそう。
コーヒーによるコーヒーのためのマグカップですね!

「UCC滋賀工場」ファクトリーツアー【完全予約制】

住所:滋賀県愛知郡愛荘町愛知川1343
ツアー日時:毎週火曜・木曜/第1回目10:00~、第2回目13:00~(受付:開始30分前より)
※上記以外の日時でも開催している場合や、工場の都合によりツアーを実施しない場合があります
料金:無料 
申し込み方法:ホームページの専用申し込みフォームより
お問い合わせ:0120-811-288 ※10:00~16:00(土日、祝日を除く)
詳しくはこちらから

“知る”って楽しい!ものづくりの現場で驚きと感動の体験を!

コクヨ工場内

UCCからわずか8km先にある
国内最大級のノート工場「コクヨ工業滋賀」でも工場見学ができます!

コクヨ工場見学

今回は日程の関係で取材には回れませんでしたが
こちらも予約殺到している人気の工場見学ツアーです。

「コクヨ工業滋賀」【完全予約制】

住所:滋賀県愛知郡愛荘町上蚊野312
ツアー日時:毎月2回開催 10:00~
※開催日は営業日カレンダーを確認ください
料金:100円 ※小学生以下無料
申し込み方法:ホームページの専用申し込みフォームより
お問い合わせ:0749-37-8017 ※9:00~12:00、13:00~17:00(休業日を除く)
詳しくはこちらから

この地域で昔から育まれてきたものづくりから、
最新技術を搭載した工場まで、
ものづくりの現場には工夫と驚きが溢れていました!

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