カフェ・お店

世界が認めた『近江のお茶』。東海道の老舗「中川誠盛堂茶舗」のコダワリがとにかくスゴい!

店内2

【中川誠盛堂茶舗/滋賀県大津市】

じつは滋賀県は日本茶発祥の地であることを、
みなさんは知っていましたか?
お茶の名産地といえば、宇治、静岡……。
そんな地名を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

日本五大銘茶の一つ『朝宮茶』は滋賀県で作られている日本最古のお茶。
「宇治は茶所。茶は政所(まんどころ)」と
茶摘み歌にもでてくる『政所茶』も滋賀県。
ほかにも県内一の生産量を誇る風味豊かな『土山茶』などなど、
“近江のお茶”は滋賀県の特産品として誇れるだけでなく、
世界的にも注目されています。

ここに来れば「なぜ滋賀のお茶がスゴいのか?」がわかると聞き、
滋賀県大津市にあるお茶の老舗店『中川誠盛堂茶舗』さんを訪れました。

香りがスゴい!広がるお茶の香りに驚き

大津駅から琵琶湖に向かってまっすぐ歩いていくと、
ほのかにお茶を焙じているいい香りが漂ってきました。
その香りに導かれるようにして、
旧・東海道の通り沿いにある「中川誠盛堂茶舗」に到着。

赤ちゃん番茶つくる
店の前でご主人の中川さんが、売れ筋NO1商品の「近江 赤ちゃん番茶」を
機械で炒っているところでした。

焙じ茶の機械
さすが老舗。機械にも年季が入っています!
「手間はかかるけど、この小さな機械でないと
うちの赤ちゃん番茶の味が出せないんですよ」と話す中川さん。

赤ちゃん番茶
ご主人が作っているのは、こちらの「近江 赤ちゃん番茶」。
カフェインレスで体に優しく、
全国の病院や産院から注文があるとか!

店内2

歴史を感じさせる店内に入ると、
そこにはこだわりのお茶がずらり。
なんと煎茶だけで100種類もあるのだそう!
このほとんどが滋賀県産のお茶だなんて驚きです。

歴史がスゴい!日本茶の起源は滋賀だった

日吉茶園
この「日吉茶園」には驚きの歴史がありました。
なんとこちらは、正真正銘の“日本茶の起源”。

どういうこと?と取材陣も不思議な顔をしていると、
中川さんが教えてくれました。

比叡山延暦寺を開いた人物である「最澄」が、
中国から持ち帰った一握りの茶種こそが、
“日本茶の起源”と言われています。

自らが建てた比叡山延暦寺の麓に茶種を蒔き、
それが日本最古の茶園といわれる「日吉茶園」となりました。

その子孫の木が現在も20本ほど残っており、
日吉大社では今でもこの木からとれたお茶を
神事などに使用しています。

新聞
その貴重な木を滋賀県甲賀市土山町の茶農家がわけてもらい、
10年かけて育て、今年ようやく収穫にこぎつけました!
この収穫はニュースや新聞で大きく取り上げられたそうです。

中国側の協力を得て、なんとDNA鑑定まで実施。
「たしかに最澄が持ち帰った茶である」という結果に!

日本茶の起源は、間違いなく滋賀にあったのです!!

日吉のお茶
1200年の時を超えて蘇った「日吉茶園」の貴重なお茶。
こちらの中川誠盛堂茶舗で購入することができます。
今回は特別に取材時に飲ませていただきました。

そのお味は、雑味がなく、すっきりとした甘みがあります。
程よい苦味も感じ、とても飲みやすい!!
このお茶にまつわる壮大なストーリーに想いを馳せながらいただくと、
さらに美味しく感じます。

お味が気になる方は、ぜひ中川誠盛堂茶舗を訪れてみてくださいね!

伝統がスゴい!「安政五年」から受け継がれてきたモノにビックリ

大津は東海道五十三次の53番目の宿場町。
そのにぎわいの中で、中川誠盛堂茶舗は安政五年に創業。

昔の写真
老舗なだけあって、置いてあるものが重要文化財?
というくらいに歴史を感じるものばかり!

茶の小切手
古くは彦根藩にも献上されていたそうです。
当時、茶を売るための小切手の役割を果たしていた『藩札』が、
お店に残っています。

のれん
今回は特別にのれんをくぐって、裏を見せていただきました。

トロッコ
入ってすぐに足元を見て「線路??」と驚く取材陣。
江戸時代末期に、仕入れたお茶を奥の茶蔵へ運ぶときに
トロッコを使っていたそうで、その名残なんだとか。

蔵
「片付いてなくてごめんなさいね」と言いながら、
雰囲気のある蔵の中で色々と見せてくれる中川さん。

石臼
こちらはなんと明治時代の石臼!
「これを使って、目の前で抹茶を挽くカフェとかあったら素敵ですよね~」
と呟く中川さん。

江戸時代や明治時代のものが、
“昭和の懐かしグッズ”のようなノリで出てくるので、
取材陣は開いた口がふさがらない状態。
さすが、歴史あるお店の蔵!

コダワリがスゴい!信頼と絆で作る最高のお茶

中川さん
代表の中川武さんは五代目です。
江戸末期から続くお店を引き継いで三十年余り。

老舗を継ぐというのはどういう気持ちなのか?と聞いてみると、
「若い時は老舗とかあまり考えてなくて、
お茶屋なんて嫌やった」と照れながらも答えてくれました。

奥様も隣で
「お茶屋さんをしているって、なかなか教えてくれなかったんですよ」
と笑います。

「この仕事をしていくうちに、 近江の茶の素晴らしさを
お客さんや農家さんに気づかせてもらいました。
今は近江の茶の良さをもっと知ってもらいたい」
と中川さんは語ってくれました。

皇室御用達
中川誠盛堂茶舗のお茶は「皇室御用達」として、
長年、茶を献上され続けています。
皇室や世界からも認められる、確かな品質と味。
その理由は“信頼”と“こだわり”です。

ずっと昔は「うちの茶葉は、◯◯にのみ販売する」という
家ごとの決まりが代々あったのだとか。
中川誠盛堂茶舗には、長い年月をかけて育んできた
最高の生産者との深い信頼関係があります。

だからこそ、お茶の生産者が減ってきている現在でも、
上質な近江のお茶を販売し続けることができるのでしょう。

店内
ここで販売しているのは、それぞれの茶園の茶葉のみを
使用したオリジナル。
(一般的な大量生産のお茶は、契約したたくさんの農家の
茶葉をブレンドして作られています。)

顔も名前もはっきりとわかる関係だからこそ
「認めてもらえるお茶をつくろう」という気持ちが
より強くこめられるのだと中川さんは話してくれました。

和紅茶
こちらでは今注目を集めている「和紅茶」も販売されています。

和紅茶をいれてくれる奥様
「この滋賀の和紅茶は、世界一に輝いた外国の紅茶よりも
香り高くて美味しいと私たちは思っているんですよ」
と美しい所作でいれてくださった和紅茶。

一口いただいて、その香りに浸っている取材陣に、
「お茶の香りって、本当に幸せな気持ちになるでしょ?
たくさんの人にこういう時間を持ってもらえたらうれしいですね」
と話してくれました。

歴史と伝統があり、
それを現在も必死で受け継ごうとしている方がいます。
小規模ながらも、ひとつひとつ愛情をこめて、
作っているお茶があります。

おかみさん
お店の方はみんな気さくでお話し好き。
質問するとお茶について、たくさん教えてくださいます。

滋賀のお茶のことを知りたいな、味わってみたいな、
と思った方はぜひ『中川誠盛堂茶舗』の
のれんをくぐってみてはいかがでしょうか。

(文・若林佐恵里)

「中川誠盛堂茶舗」を地図でみる

JR大津駅から徒歩約6分!

中川誠盛堂茶舗

→大きい地図で見る

「中川誠盛堂茶舗」のデータ

住所
〒520-0043 滋賀県大津市中央3-1-35
→地図
電話番号
077-522-2555
営業時間
9:00~18:00
定休日
日曜、祝日
公式サイト
http://seiseido.com/
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