カルチャー

暗闇の中で太鼓が回る!跳ねる!命がけの奇祭『太鼓回し』の気迫に圧倒される

太鼓乱入

【太鼓回し/滋賀県大津市葛川】

毎年7月18日行われる葛川明王院の『太鼓まわし』。
真っ暗な中、大太鼓が回る回る!
そして、お坊さんが大太鼓に登り、暗闇の中へ飛び込む!
滋賀県に古くから伝わる”近江の奇祭”をご紹介します。

太鼓回しの舞台はボコボコ

葛川息障明王院

舞台は比叡山の僧、相応によって開かれた葛川息障明王院。
太鼓まわしは相応が三の滝の滝壺に
不動明王を感じて飛び込んだという伝説をもとに
毎年7月18日に行われています。

舞台アップ

明王堂にあがると、床はボコボコして心なしか柔らかく感じられます。
ここが太鼓まわしの舞台であり
床には太鼓をまわした時についた跡が残り、そ
の凄まじさを物語っています。

山中で雅な立張提灯行列が練り歩く

立張提灯行列

20時頃になると、すっかり日は暮れてあたりは真っ暗になります。
すると、明王堂近くの地主神社の参道入口付近に
自治会の名前が書かれた提灯行列が並びます。
この立張提灯行列はゆっくり歩きながら、伊勢音頭を唄い地主神社を目指します。

境内に並ぶ提灯

地主神社の境内に入ると提灯を立てて、お参りをします。
提灯と月明かりの中お参りすると500~600年前の室町時代の本殿が
なんとも言えぬオーラを放っています。

大嵐のように太鼓が乱入

太鼓乱入

21時過ぎに明王堂に戻り、
太鼓まわしが始まるのを待っていると少し肌寒くなりました。

すると突然、灯りが消され、
長さ2メートル余りの大きなササラ竹を持った
「場取り」が駆け込んで来ました!

場取りは、ササラの根元を床に叩きつけ、左右に揺さ振ります。
すると自然と「ザーッ」という一つの音が堂内に響きわたり、まさに飛瀑のよう。

「ザーッザーッ」と響く中、ゴォンゴォン!と地響きが聞こえてきます。
そして、ついに太鼓が明王堂に乱入!
寒さは吹き飛び、一瞬で堂内は熱気に包まれます!

太鼓を叩く

太鼓の腹が何度か叩かれると、骨の髄まで響くような重低音!

そして太鼓のかんぬきを片手で持ち、身体を軸にして、
太鼓の縁を床につけてドスンドスンとまわします。
これは滝壷がうねる音を表現しているとのこと。

太鼓を回す

ドスンと音がする度に、「よいしょ、よいしょー!」と堂内で声がかかります。
横にゴロゴロと転がすのではなく、
自分の体を軸にしてコマのように回るので、
遠心力でどこか飛んでいってしまいそうで怖いですね。

暗闇へ飛び込む回峰行者

回峰行者

太鼓は止まると、堂内の端の方へと移動します。
すると回峰行者が合掌して、おもむろに太鼓のふちに乗り始めました。

すると「大聖不動明王――!!」と叫びながら、
なんと太鼓から飛び降りました!
これは相応が滝壷に飛び込む姿の再現とされています。

フラッシュと暗闇で目がチカチカした状態で、
高さ1.2メートルから飛び降りるなんて怖いですよね!
檀信徒さんの話によると、踵の骨を折ることもあるとか・・・
飛び降りる時の行者の声は鬼気迫るものがあり
本当に滝壺に飛び込んでいるように感じました!

飛びこむ行者

7月16日から20日まで比叡山では夏安居が行われています。
百日回峰、千日回峰に挑む行者が共に参加する重要な修行です。
この太鼓まわしは、その修行のうちなのです。
特に百日回峰行者は葛川での夏安居に参加しなければ満行とは認められません。

最後は厳かな法要と特別拝観

祭りが終わった後の本堂

太鼓まわしが終わると、回峰行者による常行三昧と呼ばれる法要とご祈祷が行われます。
普段、法要を見る機会がない方にとっては、大変貴重な体験かと思います!

ここでは若い百日回峰行者もいるので、少したどたどしくお経をあげる姿も見られました。
ご祈祷はなんと、昨年千日回峰行を満行されたばかりの釜堀大阿闍梨様でした!

全ての行事が終わると、行者さんに内陣をご案内していただきお参りをします。
内陣には仏画、曼荼羅、ご本尊などを拝観することができます。

ちなみに内陣は普段は非公開であり、この時だけの拝観となります。

太鼓回し攻略ポイント

葛川祭の提灯

太鼓まわしそのものは22時前に始まり、22時を過ぎた頃に終わります。
しかしその勇姿を一目見たい!とかなり早い時間帯から場所取りをされている方が多いです。

また境内は僅かな街灯しかなく、かなり暗い状況です。
足元を照らすために、ペンライトを持参されると良いと思います!

太鼓まわしの後、法要の最後まで参加すると日付をまたぐことになりますので、
近くでお宿を取ることをお勧めします。

屋台のピザ

この日は地主神社境内に出店も揃い、こじんまりとした村のお祭りです。
焼き鳥やたこ焼きから、今年はなんとピザまで登場!!これが美味!

太鼓まわしが始まるまでの間に出店で食事を済ませることをお勧めします。

ぜひ、皆さんも夏の比叡山の荒々しい風物詩をご覧になられてはいかがでしょうか?

(写真・文:観音ガール/對馬佳菜子)

記事を書いた人
観音ガール/15歳の時に抱いた仏像への憧れを胸に、東京の会社員生活に手をふり”観音の里”滋賀県長浜市に移住。”観音ガール”と呼ばれ、現在は地域おこし協力隊で活躍。長浜独自の観音文化を伝えようと日々奔走中。(blog『観音ガールの南無なむ日々』/Twitter @kannonkohoku  

「葛川明王院」を地図でみる

JR湖西線堅田駅からバスで45分!

葛川明王院

→大きい地図で見る

『太鼓回し』の詳細

住所
滋賀県大津市葛川坊村町155 葛川明王院【→地図】
電話番号
077-599-2372
スケジュール
毎年7月18日
18:30~20:00 地主神社例祭
20:00~21:00 立張提灯行列 地主神社へ出発
21:45頃 太鼓回し
※時間帯は前後することがあります。
駐車場
あり
公式サイト
太鼓回し
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