【和ろうそくをつくろう イベントレポート】
7月6日(土)、東京・渋谷で和ろうそく作りを体験できるイベントが開催されました!
和ろうそく作りの講師は、滋賀県高島市にある『大與(だいよ)』の四代目当主・大西巧さん。
そもそも、ろうそくっていったいどうやって作るの?
どうして大都会で滋賀のイベントが?
気になることが盛りだくさんなので、実際にイベントに参加してきました!
渋谷のど真ん中で滋賀のイベントが開催!
今回のイベントの会場となったのは『渋谷ヒカリエ』。
渋谷駅直結とアクセスしやすく沢山の人が行き交う場所にあるヒカリエは、
ショッピングや食事だけでなく、文化を発信するクリエイティブなスペースもあって
様々な楽しみ方ができる人気のスポットです。
そんなヒカリエの8階にある『d47 design travel store』でイベントが開催されました!
ここは47都道府県の様々なアイテムを購入することができるお店です。
店内をうろうろしていると、滋賀県の観光ガイドブックを発見しました!
つるやパンの大きなオブジェも発見!
滋賀のアイテムがお店のあちこちにちりばめられています。
もちろん『大與(だいよ)』さんの和ろうそくもラインナップされています。
その奥のスペースで、和ろうそく作りのワークショップがスタート!
どんな感じで作るのか興味津々でのぞいてきました!
ろうそく作りは人生と一緒!ワークショップスタート
講師は、大與の四代目当主・大西巧さん。
和ろうそく作りのポイントを分かりやすく丁寧に説明していきます。
今回作るのは2本の和ろうそく。
いまみなさんが手にしている花火のようなものは串にささったろうそくの芯です。
それを、溶かしたろうが入っている缶に浸して、ろうをつけていきます。
すべてが植物でできている和ろうそく
この板に乗っている木の実が、ろうの原料となる「櫨(はぜ)」です。
実の中にろうがはいっていて、それを絞り出してろうをとります。
この櫨(はぜ)という植物は、日本でしか採取できない、とても貴重な原料なんです。
ろうそくの芯の中心部分は和紙、まわりにぐるぐると巻いてあるのは、
い草の仲間である「灯心草(とうしんそう)」からできています。
ろうも植物、芯も植物。全部植物だけでできているのが和ろうそくの特徴です。
つけて、乾かして、またつける。焦りは禁物!
大西さんからアドバイスをもらいながら、ろうをつけていく参加者の皆さん。
少し緊張しながら、でもワクワクした表情でろうをつけていきます。
つけて、乾かして、またつける、という作業を繰り返します。
ポイントは、焦らないこと!
ろうが乾ききっていない状態でつけると、うまくつかずに太くなっていかないそう。
「焦って早く作ろうとしないこと。急がば回れ。人生と一緒。」と大西さん。
大西さんの言葉をうけて、皆さんしっかりと乾いているかどうか、
じっくり確認しながら作業を進めていきます。
この作業を5回ほど繰り返すと・・・
最初は細かったものが、どんどん太くなっていきます!
表面がツヤツヤとしていて、まるで高級なポッキーのよう。美味しそう(笑)
次は手でろうをこすりながら・・・繊細な作業が続きます
ろうが固まったら、次の工程に移ります。
右手で串をまわして、左手はこする動き。
こすりながらろうをつけていくのですが
左右違う動きをしないといけないので、これがなかなか難しそう。
大西さんの動きを真似しながら、まずは手の動きだけを練習。
動きに慣れてきたら、実際にろうをつけながら手を動かします。
この動きがとにかく難しい!
気を抜くと2本のろうそくがくっつきそうになります。
表面がだんだん白くなってきたら動きを止める合図。
力を入れすぎると、せっかく固まったろうが削れてしまうので、力加減も重要なんだそう。
だんだん質感がろうそくっぽくなってきました。
ついに、自分だけの和ろうそくが完成!
大西さんにチェックしてもらいながら、最後の工程を数回繰り返します。
そしてついに・・・
完成!世界に一つだけの和ろうそくが出来上がりました!!!
ここから先は、大西さんの職人技。
串からろうそくを外して、仕上げてもらいます。
とても繊細な作業を手際よく進めていく大西さん。
大西さんの手元を皆さん食い入るように見ていました。
今回和ろうそく体験に参加されていた方は、関東在住の方がほとんど。
d47 design travel storeや、お店の母体であるD&DEPARTMENTが好きで参加された方、
滋賀に旅行で訪れたことがある方など、みなさん理由は様々ですが、
滋賀県に興味を持ったことがきっかけで参加したという人が多かったです。
とてもアットホームな雰囲気のワークショップで、
最初は緊張した面持ちだった人も、ろうそくが完成する頃には
明るい表情で参加者同士の会話を楽しんでる様子でした。
体験ブースのそばでは、大與さんのろうそくの販売も!
実際にお寺で使われていた櫨ろうそくの量り売りや、色とりどりの和ろうそくが並びます。
和ろうそくと一緒に滋賀区のパンフレットを持って帰る人も多く、
和ろうそくを通して、滋賀県にもっと興味をもっていただけたようです。
※取材当日に開催されていた特集コーナーです。店舗での店頭定番商品は異なる場合があります。
作るだけじゃなく、使ってほしい。大西さんの想い
電気に頼る時代に、ろうそくが灯る生活を見直して欲しいと『hitohito』を立ち上げ、
ろうそくの魅力を発信している大與の四代目当主・大西巧さん。
ここでのワークショップは今回で3回目になるそうです。
「もともと色々な場所でワークショップをしてきましたが、
皆さんろうそくを作っても、実際にろうそくに火を灯さない人が多くて。
自分が伝えたいことと、参加者の中にギャップがあるなと感じてました」
そのギャップを埋めるために、どうすればいいか考えたときに
思いついたのが“お盆”でした。
「お盆にろうそくは使いますよね。お盆前にワークショップを開催したら、
自然と自分が作ったろうそくを使うという動機に繋がるかなと思って。
東京は7月がお盆だから、毎年この時期にここでワークショップをしているんです」
確かに、普段ろうそくが身近ではない私たちにとって、
使用するシーンが用意されていると、ろうそくの日常での使い方がイメージしやすいですね。
「特に東京だと家に仏壇がない人や初めて和ろうそくに触れる人も多いので、
もっと生活の中でこういうシーンで使えますよっていうことが言えたらいいなあと思ってます」
イベントの会場となっている「d47 design travel store」の母体であるD&DEPARTMENTは、
ロングライフをテーマに、暮らしや観光をデザインの視点で見つめ直し、
47都道府県の魅力を発信しています。
滋賀県担当の門脇万莉奈さんは
「私は大阪出身なので、もちろん滋賀県のことは知っていましたが、
電車で通り過ぎてしまうイメージしかありませんでした(笑)
でも、d47 design travel storeで働き始めてから、滋賀の人々に会うことも増え、滋賀に足を運べばあたたかく迎えてくれて。
みなさんアットホームで、業種を超えて横に繋がってる感じがしました」と話してくれました。
実際に滋賀を訪れて感動したのは、琵琶湖の風景が見る場所によって違って見えたことだそう。
お話しているだけで、滋賀愛に溢れた人物だということが伝わってきました。
自分で作った和ろうそくを実際に灯してみました!
自宅で実際に和ろうそくに火を灯してみました。
じわじわと火が大きくなり、こんなに大きくてあたたかい光が灯るんですね!
ろうをほとんど垂らさずに燃え続けるのが和ろうそくの特長。
煤(すす)が少なく、より美しく燃やすことを大切にして作られています。
あたたかくて、それでいて綺麗なろうそくの灯りにとても癒されました。
「大與」の詳細情報
- 住所
- 滋賀県高島市今津町住吉2-5-8
(→地図) - 電話番号
- 0740-22-0557
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 土曜日、日曜日
- 公式サイト
- http://warousokudaiyo.com/
「d47 design travel store」の詳細情報
- 住所
- 東京都渋谷区渋谷2丁目21-1 渋谷ヒカリエ8F
(→地図) - 電話番号
- 03-6427-2301
- 営業時間
- 11:00〜20:00
- 定休日
- なし
- 公式サイト
- https://www.d-department.com/ext/shop/d47.html