【洗堰レトロカフェ/滋賀県大津市】
普段は立ち入り禁止ですが、
月に一度だけカフェがオープンする、
知る人ぞ知るスポット『洗堰レトロカフェ』。
琵琶湖から水が出ていく
たった一つの出口となる瀬田川の上に、
毎月第4土曜日だけ出現するカフェです。
瀬田川沿いをドライブすると、
大津市南郷の辺りで目に飛び込んでくる、
橋のような姿をしたレンガ造りの重厚な建造物。
じつはこれ、明治時代に造られた
深い歴史がある旧瀬田川洗堰(通称:南郷洗堰)なんです。
この場所を利用して、月に一度だけオープンする『洗堰レトロカフェ』。
大津市民はもちろん、県内外から訪れるサイクリストや
観光客の、憩いの場となっています。
瀬田川の上でティータイム。歴史を感じながら絶景も楽しめる!
瀬田川に位置する南郷洗堰の上で、
毎月第4土曜日オープンする『洗堰レトロカフェ』。
取材に訪れた日は、6月の蒸し暑い日でしたが、
この日も県内外からのお客さんが
ひっきりなしに立ち寄り賑わっていました。
歴史的建造物の上で、こんな雄大な景色を眺めながら、
ゆっくりとティータイムだなんて、ロマンチックですよね。
しかも、飲食代はなんと無料なんです!!
南郷洗堰に関する資料や、フリーペーパーとともに
小さな小さな木製の”募金箱”が置かれています。
こちらのカフェは訪れた方々の善意で
運営されているのだそうです。
無料と言っても、コーヒーや青森直送のリンゴジュース、
紅茶専門店のオリジナルブレンドティーと
こだわりもたっぷり!
『旧瀬田川洗堰(通称:南郷洗堰)』とは?
明治38年から昭和36年まで使用されていたこの南郷洗堰。
かつては瀬田川の“放流量の調整”という、
重要な役割を果たしていました。
堰の開閉は人力で角材を上げ下ろしており、
全閉するのに丸2日ほどかかっていたそうです。
現在は下流に建造されたコンクリート製の可動堰に
その役目を譲り、南郷洗堰は一部を残すのみとなっています。
普段は立ち入り禁止とされている明治の土木遺産に
月に一度だけカフェがオープンするとあって、
歴史好き、遺産好きの方のみならず、
昔の姿を知る方や、お散歩中の市民の方、
たくさんの方がそれぞれの想いでここに集まってくるのです。
新旧二つの洗堰のすぐそばには
『水のめぐみ館 アクア琵琶』があり、
南郷洗堰の歴史や当時の様子、
琵琶湖や淀川について知ることができます。
興味のある方は、こちらも合わせてぜひ足を運んでみてくださいね。
思い出の1ページに南郷洗堰を。川と人が繋がるきっかけ作り
「誰かの思い返す風景の1ページに、南郷洗堰があってほしい」
と語ってくださったのは、
『洗堰レトロカフェ』代表の佐々木和之さん。
本業のかたわら、龍谷大学や立命館大学の
ボランティアの学生さんと一緒に
このカフェを運営されています。
100年以上の歴史を持つこの南郷洗堰が、
忘れ去られてしまわないように、
人と河川を繋ぐきっかけを作れるように、
との想いでこの場所を作ってこられました。
2009年にスタートしたカフェには
常連さんもいらっしゃり、月に一度の開催を
心待ちにしているそうです。
「昔はよく来ていたけど、ずっと足が遠のいててね。
このカフェが出来てから、お友達を誘って
また来るようになったのよ」
と嬉しそうに話してくださいました。
昨年3月まで「琵琶湖河川レンジャー」としても
活躍されていた佐々木さん。
その知識量を活かして、訪れた方に琵琶湖のこと、
洗堰のことを積極的に伝えています。
「思い出に残ることで、この場所は永遠に続いていくのだと思います」
と語る目には、琵琶湖やこの土地を、この美しい景観を想う気持ちが
強くこめられていました。
いつもと違う景色を思い出に残してみませんか?
深い歴史がある南郷洗堰の上から眺める風景は、
いつもの見慣れたそれとはちょっと違い、
不思議と彩り豊かに映ります。
洗堰に落ちる水音や、蝉の声を聞きながら、
時を忘れて過ごしてみませんか?
皆さんの思い出の1ページにも、
この美しい景観をぜひ加えてみてはいかがでしょうか。
(写真・文:汐崎 わか子)
『洗堰レトロカフェ』を地図でみる
「水のめぐみ館アクア琵琶」の目の前!
→大きい地図で見る
『洗堰レトロカフェ』の店舗詳細
- 住所
- 滋賀県大津市黒津4丁目地先【→地図】
- 営業時間
- 午後1時~午後5時(または日没)悪天時中止
※冬期は5時より前に暗くなった場合は早めに閉まります - 営業日
- 毎月第4土曜日(2017年7月は16日(日)・17(祝・月)も開催)
- 公式サイト
- http://retrocafe.info/