カルチャー

ローカルから全国・世界へ!びわ湖畔の生きもの発信基地『びわこベース』

小さな水族館 外観

【びわこベース/滋賀県大津市】

小さな扉を開けると、
そこには「びわ湖」の生き物がたくさん!
ローカルを拠点に、全国・世界へ
生きものの情報を発信する
新しい形の水族館『びわこベース』が
2022年7月30日、滋賀県大津市にオープンしました。

立ち上げたのは、琵琶湖博物館の飼育員を経て、
京都水族館副館長をつとめた関慎太郎さん。
(じつは自然写真家としても活躍されています)

展示だけでなく、実際に触れたり、
生きものを守る取り組みも学べる小さな水族館です。
ここから、生きもの博士が誕生する日も近い?!
そんな『びわこベース』の様子をご紹介します。

びわ湖の絶景に建つ小さな水族館

小さな水族館 デッキ

JR志賀駅から徒歩約15分。
比良山をバックに、びわ湖が一望できる絶景のロケーションに
たたずむ水族館があります。

小さな水族館 外観

白と水色のコントラストが可愛い
小さな建物が『びわこベース』です。

館内のようす

扉を開けると開放的な空間に、ずらりと並んだ水槽が約150。
どれから見ようかワクワクします!

生きものを愛する人が集まる基地

みんなのサイン
ふとみると、水族館の中央にある木のテーブルには
サインがたくさん!
あの生きもの番組の名前もありましたよ。
なんと、ここを拠点にして撮影に挑んだそう。

本棚
身近な生きものや自然をテーマにした本が並ぶ「ちいさな図書館」。
製作したのは、京都市立芸術大学院生。
地域の人たちと、ベースを作っていきたいという
関さんの思いに共感し、力を貸してくれました。

写真集
実は、代表の関さんは魚の図鑑など70冊以上を出版する自然写真家。
関さんの作品も、本棚に沢山ありました。
可愛いいきものたちの表情に顔がほころびます。

生きものを身近に感じられる空間

小さな水族館 カエルさわり
入ってすぐ左手は「カエルゾーン」。
日本固有のカエルを中心に展示しています。
下段のヒキガエル3種は、実際に触ることもできて、
感触の違いや、体のつくりを肌で感じることができます。

その横には「びわ湖にいる魚ゾーン」。
二ゴロブナやモロコなど、びわ湖に生息する魚が展示されています。

小さな水族館 希少いきもの
一番の水槽数をほこるのが、
絶滅の恐れがあるドジョウやタナゴの仲間などの
「希少ないきものゾーン」。
ここでは展示だけでなく、繁殖実験も行われていて
人工授精など踏み込んだ取り組みにも挑戦しています。

生きものの保護を目的とした「生息域外保全」の場

小さな水族館 生息域外保全

ただ展示するだけでなく、生息環境を失った生きものを
一時的に預かる「生息域外保全」にも力を入れているそう。
奥の部屋では、開発地から保全されたサンショウウオが、
温度管理されたワインセラーで飼育されていました。

「ほら、可愛いでしょう」とそっと手に乗せてみせる関さん。
繁殖後には元いた環境へと戻されます。

小さな水族館 学生さん
(写真提供:びわこベース)

この取り組みや淡水生物について学びたい学生たちが、
飼育や来館者への対応も担当してくれているので
分からないことをその場ですぐ聞けるのも『びわこベース』の魅力です!

小さな水族館 手作りマニュアル
これは、来館者への解説をする学生さん用の説明マニュアル。
この関さんお手製ノートには知識のみならず、
関さんのこだわりと優しさが詰まっていました。

ここでしか買えない!可愛いオリジナルグッズ

ずっと魚を眺めていたくなる『びわこベース』ですが、
帰ってからも楽しめるオリジナルグッズが沢山!
ここでしか購入できない、水辺の生きものをモチーフにした、
クリアファイルやポスターなど魅力的なグッズの数々に、
目移りしちゃいます。

小さな水族館 お土産缶バッチ

オオサンショウウオ・アユなどの『びわこベース』オリジナルシールや
缶バッチも全部揃えたくなる可愛さです。

小さな水族館 お土産本

もちろん、関さんが携わった書籍もあります。
こちらも要チェックです!

生きものへの興味が始まる場所に

小さな水族館 関さん

兵庫県神戸市出身の関さん。
子どもの頃から川での魚とりが大好きで、
将来は淡水生物に関わる仕事をしたいと考えていたそう。
琵琶湖博物館の飼育員、京都水族館の副館長を務めながら
自然写真家としても活動してきました。

長年培った飼育技術を生かし、希少生物の保全にも取り組める場所として
集客だけにとらわれない『びわこベース』を開館しました。

小さな水族館 みんなで水族館
(写真提供:びわこベース)

子どもたちに身近な生きものに興味を持ってほしいと、
参加型水族館「みんなで水族館」を各地で実施。
会場近くの川で捕まえた生きものを軽トラに乗せた水槽に収容し、
その土地オリジナルの水族館を開館しています。

小さな水族館 関さん語り

「身近ないきものに興味をもつことが、
生きものの保全につながります。
ここはびわ湖が近いから『びわこベース』ですが
同じように生きものの情報発信をする基地(ベース)が全国に広がり、
保全の拠点が増えれば嬉しいです」と関さん。


(写真提供:びわこベース)

『びわこベース』では毎月、様々な分野のゲストスピーカーの話を聞き、
直接質問をできる機会もあります。
日程・内容はホームページから確認できますので、
ぜひ、チェックしてみてくださいね!

大きな大きな展望を見据えて、小さな水族館の
新しい取り組みは続いていきます。

(文・安部愛子 写真・しがトコ編集部)

記事を書いた人
安部愛子/滋賀県大津市出身・在住。びわ湖から唯一流れ出る川・瀬田川を身近に感じながら育ちました。大学進学を機に県外に出るも、びわ湖のない土地に窮屈さを感じ、びわ湖のありがたみを実感!
滋賀の地域情報紙記者を経て、現在は子と共に育ちながら滋賀の魅力を再発見しています。

『びわこベース』の情報

住所
〒520-0514 滋賀県大津市木戸1383-1
開館日
金・土・日曜日(変更時ありHPで要確認)
開館時間
10:00~17:00(変更時ありHPで要確認)
入館料
大人(18歳以上) 300円
HP
https://www.biwako-base.com
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