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25歳で3代目に!伝統の味を守り抜くピーナッツせんべい一筋45年の「みつとし本舗」

【みつとし本舗/滋賀県長浜市】

作るのは、ピーナッツせんべいだけ。
「新商品よりもこの味を極めたい」と話す
3代目の山口大智さん(写真左)は、
若干ハタチにしてこの道に入りました。

初代の味を守り抜く決意と、
そのおいしさを日夜研究する毎日。
奥琵琶湖で引き継がれる伝統の味
「みつとし本舗」をたずねました。

築140年の古民家で培われる、ここだけの味

場所は、「奥琵琶湖」と呼ばれる滋賀県の北部。

琵琶湖

琵琶湖を北から南に見下ろしているような景色に出会える、
長浜市西浅井町。

道

瓦屋根の民家が並ぶ道を、湖の形に沿って進んで行くと
「みつとし本舗」はありました。

みつとし本舗外観

雰囲気あるなぁ、と思って入るなり聞いてみると、
「今年で築140年になります」という驚きの答えが。

そして、お店のショーケースに並ぶのは
せんべいの詰め合わせ…と思いきや、
中身は全てピーナッツせんべい「丸子船(まるこぶね)」です。

ショーケース

これは話に聞いていた通り、完全にピーナッツせんべい専門店。

お盆と煎餅

なぜピーナッツせんべい一本に?
「丸子船」って何?
年季が感じられる店内、一体いつからここでせんべいを?
などなど、気になる疑問を次々に聞いてきました!

畳職人だった祖父が始めたピーナッツせんべい作り

みつとし本舗を営むのは、
お母さんと息子さん、お嫁さんの山口さんご一家。
ピーナッツせんべいの製造から販売、注文元への発送まで
全てを3人で分担して行います。

壁に並ぶ賞状には、よく見ると「昭和五十二年」の文字が。

賞状

「ピーナッツせんべいは、45年前に祖父が始めたんです。
それを母が継いで、今は僕が焼いています。」
そう答えてくれたのは、3代目の山口大智(だいち)さん。

機械と大智さん1

「小さい頃、夏休みと冬休みにはお店を手伝って
おこずかい稼ぎをしていました。
その時に食べていた”おじいちゃんの味”は
今でもはっきり覚えています。」

煎餅と大智さん

2代目を継いだお母さんは、
「父はもともと畳職人でした。
ある時、手術をして重い畳が持てなくなったのをきっかけに
兄弟の紹介でピーナッツせんべい作りを始めたんです。
当時父は42歳ぐらい。千葉県まで修行にも行ったんですよ。」
まさに一念発起、すごい決断力と実行力です。

木箱

創業当時に京都のお菓子屋さんから譲ってもらったという
保存用の木箱。今も現役です。

実は”麩”を焼く機械だった!直面した初代との超えられない壁

「父の後を継いでしばらくして、ずっとせんべいを
焼いてきた機械が壊れたんです。
修理しようとして分かったのは、実はそれが
”麩”を焼く機械だったこと。

それを父がせんべい用に改造して使ってたんです。
びっくりしました。
じゃあせんべい用の機械を入れたらもっと美味しく焼けるね、
と言って買い換えたら、全然上手くいかなかった。
味も全く違う。そこからが苦労の始まりでした。」

機械と大智さん2

機械の買い換えと同時に製造の中心は3代目の大智さんへ。
「機械の調節は、もうこの人(大智さん)じゃないとできません!」
とお母さん。
「今朝もここで焼いてたんですよ」と、大智さんが敷地内にある
工場を案内してくれました。

機械目盛り

「新しいせんべい用の機械では、調節できるのは火加減だけ。
それもこの4つのレバーだけで、大雑把に。」

季節によって機械自体の温度も変わり、
例えば寒いから部屋でヒーターをつけただけで
焼き上がりが変わるそうです!

「温度の調節はある意味、手焼きよりも難しいと思います。」
と大智さんは語ります。

機械と大智さん3

”元の味に近づけたい”と思うほど、
どうしても超えられない壁があったそうです。

「自分が焼くようになって、あまりに上手くいかなくて、
お店をたたんだ方がいいかも…とも考えました。
納得がいかなくて、全部割れせんべいにして配ったこともあります。
それでも、休まずやり続けました。自分たちが前の味を知っているから」

火加減を何度も調節して、それでも材料や配合は
一切変えなかったと言います。
機械を変えて今年で6年目。大智さんがせんべい作りを始めたのも、6年前。

「おじいちゃんがやってきたように、僕も今の機械と二人三脚で
やっていきたいです。全てと対話しながら。
文句を言いながら焼くと割れたり、表面が黒くなったりする。
不思議ですけど。生地も、生きているんです。」

ピーナッツせんべい「丸子船」が、おいしい理由

丸子船とお皿

一般的なピーナッツせんべいは、小麦粉、砂糖、たまご、ピーナッツ
で作られています。
そこに、”はちみつ”を入れているのが「丸子船」のおいしさの秘密。
はちみつを入れることで生地が保湿され、焼き上がりがしっとりと
柔らかくなるのだそうです。

確かに、その食感は「バリバリ」よりも「サクサク」。
更に、ピーナッツは細かくカットして生地に練り込むことで
油が出やすくなり、せんべい自体がよりジューシーに仕上がります。

これには「どこを食べてもピーナッツが入っているように」
という初代の思いが反映されています。

丸子船3枚

個包装の中身はあえて、3枚入りに。
提供する側として、「物足りない」よりも「もう十分」と
思って欲しいからで、これも始めからずっと変えていない
ことだそうです。

船

商品名の由来となったのは、江戸時代に琵琶湖で活躍した「丸子船」。
みつとし本舗のある西浅井町は、特にこの船を多く所有していた
ことから、「丸子船の郷」とも呼ばれました。

石碑

ピーナッツせんべいの曲がっている形を丸子船のイメージと重ね、
平成6年にこのお菓子を「丸子船」と名付けたそうです。

3代目が思う”これから”

他のせんべいは作らないんですか?という質問には、
「過去にピーナッツを抜いたせんべいを作ったことが
あるそうですが、すぐにやめたみたいです。
僕も今は新商品よりも、この味を極めたい。
ピーナッツせんべい1つでも、まだまだやることはあるんです」
という答え。

初代から少しも変えることなく、ずっと守ってきたレシピ。
それでもいつか「こうした方がいいかな?」
というところが出てきたら?と聞くと、
「その時は、別の商品にします」と潔い答えが返ってきました。

一家

あくまで守りたい”初代の味”。
一家にとって、ごく自然に「おいしい味=おじいちゃんの味」
になっているんだなぁと、受け継いだものへの尊敬の念を感じました。

お話を聞いている間にも、近所の方々が「お茶うけに」
「贈りものに」と訪れます。
毎年、桜の時期に県外から来られるリピーターも増えているのだとか。

袋入り

「今、だいぶ味が戻ってきていて。
ちょっとずつ僕の色も出てきています」
と言う3代目のこれからが楽しみです。

お土産に買って帰った袋入りは、案の定、
みんなの「止まらない!」の声と共に
あっという間に無くなりました!

(写真・文:林 由佳里)

『みつとし本舗』を地図でみる

北陸自動車道木之本I.Cから車で15分!

みつとし本舗

→大きい地図で見る

『みつとし本舗』の店舗詳細

住所
滋賀県長浜市西浅井町大浦1601【→地図】
営業時間
午前8時~午後6時
定休日
第2・3日曜日の午前中
電話番号
0749-89-0191(お電話での注文・配送も可能)
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