カルチャー

滋賀のお宝を発掘せよ!学芸員スペシャル座談会(前編)

【美の魅力発信5館ネットワーク】

しがトコではこれまで、滋賀の美術館や博物館をいくつも取材してきました。
そのたびに感じていたのは、とにかく学芸員さんが魅力的!ということ。

学芸員さんに出会うと、展示はぐっと面白くなる。
なんなら、学芸員さん自身がとても面白い。
その言葉を通してまだ知らない「滋賀のお宝」に出会えるのではないか。
そんな思いから、滋賀の5つの館をつなぐ「学芸員による座談会」を開催しました。

考古学、アールブリュット、生態学、陶芸、仏教美術。
一見まったく異なる専門分野の学芸員たち。
その語りを通して見えてきたのは、分野を越えて広がる博物館や美術館の新しい魅力でした。

各学芸員が選ぶぞれぞれの館のお宝や、
学芸員だからこそ知っている見どころや穴場、
さらには思わず唸った“これまで出会ったすごい質問”まで
それぞれの視点からたっぷり語っていただき、2本の動画にまとめました。

前編・後編の主なトピックを2回に分けてご紹介します。
ぜひご覧ください!

きらびやかな瓦に残る“未解明のロマン”(安土城考古博物館)

安土城考古博物館の佐藤佑樹さん
考古学を専門とする安土城考古博物館の佐藤佑樹さんが選んだお宝は、金箔が貼られた瓦。屋根の先端を飾る部分に使われたもので、ほんものの金が施されています。信長から秀吉の時代、建物を豪華に見せるために広がったものだそう。きらびやかな見た目とは裏腹に、どこで作られていたのかはまだ分かっていないのだとか。今も続く発掘作業の中で新たな事実が見つかるのを待つ。そんなロマンを感じさせるお宝です。

芸術を“使う”という発想。岡本太郎の作品(陶芸の森美術館)

陶芸の森の三浦弘子さん
近現代美術や陶芸を専門とする陶芸の森の三浦弘子さんが紹介してくれたのは、岡本太郎が1954年に制作した作品。犬の背中に穴が開いたユニークな形で、植物を植える「植木鉢」だったと考えられています。芸術作品でありながら、日常の中で使われることも意識されていた点が印象的。多くの人が自然に芸術に触れられるように。そんな思いが込められているそうですよ。

モノじゃない。“人”こそが博物館のお宝(琵琶湖博物館)

琵琶湖博物館の金尾滋史さん
生態学を専門とする琵琶湖博物館の金尾滋史さんが選んだのは、意外にも“モノ”ではなく“人”。博物館の活動を支える「はしかけ制度」の参加者をはじめ、さまざまな関わり方が用意されており、誰でも参加できる気軽な活動でありながら、日常的な調査や観察の積み重ねが研究にも直結しているのが特徴。中には小学生が、これまで滋賀県内で誰も見つけられずにいた魚を発見してきたこともあるそうです。誰かの「好き」や好奇心が集まってできる博物館。そのあり方自体が、お宝なのかもしれません。

1300年前の仏像に残る、小さな謎

琵琶湖文化感の和澄浩介さん
仏教美術や文化財を専門とする琵琶湖文化館の和澄浩介さんが選んだのは、大津市の聖衆来迎寺に伝わる小さな薬師如来像。奈良時代初期、約1300年前につくられたもので、やわらかな表情は”当時の流行りの顔”だそうです。よく見ると衣の裾をぎゅっと握る少し珍しい手の形。このタイプの仏像は全国でもわずか4例しかなく、そのうち3つが滋賀県で見つかっているのだとか。なぜここに集まっているのかは分かっていないそうで、静かな佇まいの中に大きな謎が残されています。

これは作品?それとも記録?不思議な日記の正体

県立美術館の山田創さん
アール・ブリュットを専門とする滋賀県立美術館の山田創さんが選んだのは、一見するとただの紙の束。福祉施設に所属されていた方が毎日書かれていたもので、ある日職員の方が、日付や気温が記された「日記」だということに気づきました。動画の中で、山田さんがその内容をすらすらと読み上げるシーンは圧巻です!フランス語で「生の芸術」を意味するアールブリュットならではの自由さにひきこまれます。

学芸員たちが語る滋賀の美術の”ディープな魅力”は後編へ

5館の学芸員たちが選ぶ「わが館のお宝」たち。
記事では紹介しきれなかったディープなトークはぜひ動画をチェックしてみてください!

まだまだ続く座談会。
後編では、学芸員だからこそ知っている館の見どころや穴場スポット、ちょっと意外な裏話も飛び出します!
前編では紹介しきれなかった滋賀の“ディープな魅力”、後編でぜひチェックしてみてください。

【学芸員がこっそり教える穴場スポット!学芸員スペシャル座談会(後半)】

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