カフェ・お店

“琵琶湖の娘たち”と漁師さんが手がけるお店『BIWAKO DAUGHTERS』でふなずしの新しい食べ方発見!

【BIWAKO DAUGHTERS/滋賀県野洲市】

何ともおしゃれなパッケージの中身は、なんと佃煮!
ほかにも「ふな寿司サンド」や
琵琶湖の小エビを使った「えびパン」など珍しい商品が店内にずらり!

かつて漁師の町だった野洲市菖蒲にある、
『BIWAKO DAUGHTERS(ビワコドーターズ)』。

店名の「BIWAKO DAUGHTERS」
(=琵琶湖の娘たち)という名前にも
何か秘密がありそうです。

気になること満載のお店に、
早速おじゃましてきました!

溢れんばかりの”びわこ愛”に彩られたお店

外観

場所は琵琶湖沿岸のほど近く、住宅街を進むと突然、
パッと開けた空間が現れます。

ダークトーンの建物と、お店に向かってスッと
伸びる白い歩道。
お店の前の空間が駐車場になっています。

オオナマズ

屋根には風見鶏ならぬ、風見「オオナマズ」が!
店内に収まりきらないお魚への愛情を感じます。

ガラス張りのエントランスから、いざ店内へ!

店内

明るくて暖かい雰囲気の店内には、
丁寧にパッケージされた小魚の佃煮や
サンドイッチが並びます。

ロゴ

お店のロゴになっているこの魚は、フナだそう。

えびの生ふりかけ

ごはんのお供に人気の「えびの生ふりかけ」や、

ふなずしサンド

非常に気になる一品「ふなずしサンド」も並びます。

ところどころにある小さな水槽には、
水草に隠れて小さなお魚が!

水槽

漁に出た時に一緒に網にかかる小魚を、
連れて帰ってきて飼われているのだとか。

琵琶湖からやって来た本物のお魚は、
お店を訪れるお子さまに大人気だそうです!

ここで販売されている魚や貝、エビなどは
全て琵琶湖でとれたもの。
漁に出て調理して販売するまでを、
親子3代で切り盛りされています。

ちょうどふなずしをカットされている所
だったので、見せてもらいました。

まな板

真ん中が大きくくぼんだまな板が気になり、
聞いてみると

「気に入ってずっと同じものを
使っていたら、真ん中がどんどんすり減ってきて。
でも使いやすいから手放せないんです!」とのこと。

こんな風に年季が入った清潔なまな板1つからも、
素材やお店に対する一途な思いが伝わってきます。

常連さんも語らずにはいられない!地元の人も太鼓判の味

しばらくお店に居ると、気さくにドアを開ける
常連さんらしき方がちらほら。

接客

近くから来られたという男性は、
「ここのビワマスの煮付けは最高に美味しい。
お店ができて小分けで販売してもらえるから、
買いやすくなった」と話してくださいました。

今日のお目当てはふなずしだそうで、
「ふなずしは大の苦手やったけど、
ここのに出会って食べられるようになった。
びっくりするほど臭みがなくて、
本当に美味しい!」とのこと。

ふなずし

ふなずしを食べた後、魚のまわりについたごはん
が余ったら、それをタッパーに移してキュウリを
1日漬ける。

ごはんの発酵力により短時間で絶品の
「フナキュウ」が出来上がるよ、という豆知識も
披露してくださいました。

「ふなずしとフナキュウと日本酒、最高やで!
ぼくお酒飲めへんけど!」という言葉も清々しいです。

ふなずしは毎年改良しながら作られているそうで、
味は作る人によって全くの別物と言っていいほど
違うのだとか。

ふなずしポケット

「苦手な人にこそ、ぜひ食べて欲しい」との思いから、
お試しサイズにぴったりな少量パックも作られています。

他にも「前は裏にあるお家の方の作業場に買いに
来てたけど、こんなきれいなお店ができて!」
と以前からの様子を話してくださる方も。

訪れる方皆さんが、ここがどんなに素晴らしい場所かを
話さずにいられない様子でした。

ふなずしのイメージが一変!気になる『えびパン』も、いざ実食!

さて、来る前からずっと気になっていた
名物「ふなずしサンド」、そして琵琶湖でとれた
小エビが入っているという「えびパン」をさっそく購入。

えびパン

じっくり観察しながら食べてみました!
まずは大注目の「ふなずしサンド」から。

自家製のふなずしと、その風味に合うように
選び抜かれたチーズをフランスパンでサンド
したという1品です。

ふなずしサンド2

一口食べてその風味を確かめると…
すごく合う!

フランスパンの香ばしさ、チーズの香り、
ふなずしのまろやかな酸味、全てが絶妙に
引き立て合っています。

ふなずしサンド3

ふなずしの「珍味」「臭い」「おじさんが好き」
というイメージが一変!
気軽につまめるワインのお供感覚に。

数日前に来たお子さまが、「美味しい!」と
店頭でペロリと平らげてしまったというお話も
あり、これは万人にうける可能性大です。

ぜひ、先入観なしで挑戦してみてください!

えびパン2

続いて「えびパン」。
ツナとタマゴの2種類から、ツナをチョイスし、
エビはどこに?と観察するも、サンドされているのは
ツナとレタスとキュウリのみ。

奥に挟んであるのかしら〜?と凝視していると、
「海老はパンに練りこんであります」という
驚きの答えが!

よく見るとパン生地の粒々が、確かにエビです。

えびパン3

ほんのり海老風味…を想像していたのですが、
1口食べた瞬間に香ばしい海老の香りが
口の中いっぱいに広がり、2度ビックリ!

パンから溢れんばかりの海老の風味がするので、
具材はシンプルなたまごやツナがちょうど良い。
さすが、よく考えられています。

食べて欲しいから!と何でも盛り込むのではなく、
主役にしたい食材の本当に美味しい食べ方を追求して
作られているのがよく分かります。

店内にはテーブルなどの決まったイートインスペースは
ありませんが、ちょっと座れるベンチが用意されていて、
買ってすぐにそこでかぶりつく方も多いのだとか!

ぜひ、出来立てをお試しあれ。

※取材時に販売されていたメニューです。

親子3代、みんなで守る琵琶湖の恵みと伝統の味

お店のあるこの場所は、かつて漁師町だった
集落だそうですが、現在、漁師として残ったのは
2軒だけ。

中川さん

店頭に立つのは、娘さんの中川知美(なかがわともみ)さん。

中川さんは結婚してご実家を出られたものの、
琵琶湖でとれる「湖魚(こぎょ)」の減少と、
それらを使った料理が食べられなくなっていく
現状を見て、琵琶湖特有のこの文化を
「無くすのはもったいない!」と
新たにお店としてオープンされたのが
この『BIWAKO DAUGHTERS』です。

お店の名前は、「祖母、母、自分と代々
繋いできた味を守りたい」、との思いから
付けられたそう。

地面ロゴ

無くしたくない。
それならもっと若い人にも食べてもらわないと!
と考え、まずはパッケージを改良。

これまで使ってきた発泡スチロールの白いトレーを
やめて、デザイナーと共に考えたロゴ入りの小瓶や、
「ポケット」と名付けた少量のパックを導入しました。

ポケット

あえて少量パックにしたのは、まずは気軽に手に
とって食べてみて欲しいから。

この土地でとれたものを、この土地の人と環境で
よりいっそう美味しくする。

BIWAKO DAUGHTERS

この土地でずっと続いてきた湖魚の味を伝える
おばあちゃんの手、漁に出るお父さんの手から
お母さんの手、そして娘さんの手へ。

全てが1つの家族の中で完結するから、
ここにしかない味が生まれます。

“MOTHER LAKE”と呼ばれる琵琶湖。
その恵みを、食文化を守り続ける『BIWAKO DAUGHTERS』。

ふなずしを始め、湖魚料理に興味がある方はもちろん、
ちょっと苦手という方にこそ、ぜひ訪れて欲しい
滋賀県の新たなおすすめスポットです!

(写真・文=林 由佳里)

(記事公開日:2017年1月10日/最終更新日:2023年8月31日)

『BIWAKO DAUGHTERS』のデータ

住所
〒524-0202  滋賀県野洲市菖蒲230 
→地図
電話番号
077-532-7779
営業時間
10:00〜17:00
定休日
水曜日
公式サイト
https://biwakodaughters.jp/
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