【美の滋賀trip!#02】
芸術の秋、不思議で幻想的なアートの世界に浸ってみませんか?
2年に1度、近江八幡の旧市街地で開かれるアートの祭典
『BIWAKOビエンナーレ2018』が始まりました!
国内外から集められた75組を超すアーティストたちの力で
長年放置され荒れた町屋が見事に蘇ります。
日本家屋独特の剥がれた漆喰や柱の傷も
すべてひっくるめて作品にしてしまうアートの力。
『BIWAKOビエンナーレ2018』は
近江八幡旧市街地で11月11日(日)まで開催中です!
町屋とアートが織り成す、幻想的な空間
豊臣秀次が開いた城下町・近江八幡の旧市街地は
近江商人の発祥の地でもあり、当時の面影を残す町並みが残っています。
一方で、長年放置された空き家が点在し
ガレージや洋風建築となって町全体が姿を変えていくという現状もあります。
そうした現状を打開し、近江八幡に残る町並みの美しさや尊さに気づいてほしいとの想いから始まったのが『BIWAKOビエンナーレ』です。
座敷はもちろん、土間や屋根裏部屋、蔵の中も会場になります。
庭園も展示スペース。
空き家が見事に蘇っています!
その陰には、庭の草をひき、建物を清掃し、展示ができる状態にまで手入れをした
有志のみなさんの努力も忘れてはなりません。
そんなところにも!?というちょっとした空間にも
作品が飾られているのが面白い!
じっくり見て回らないと見逃してしまいそうです。
運がよければ作家さんと出会えることも
蔵の中で展示をされていたのは
野洲在住の陶芸作家・田中哲也さん。
光を透過する陶器が淡いブルーの光を放っています。
「日本各地でビエンナーレが開催されるようになりましたが
古い町屋を主役にしたのはBIWAKOビエンナーレが先駆けだと思いますよ」
蔵の中に残っていた生活雑貨はあえて片付けず
作品の一部として表現しているそう。
制作中だったのはフィリピン在住の作家
ライアン・ヴィラマエルさん。
取材時はまだ制作途中でしたが
植物のようなもので屋根裏部屋が覆われていくそう。
よく見ると葉はすべて、フィリピンの地図で作られていました。
光や映像、音を使った作品も多数。
その空間でないと味わえない感動があります。
壊れた木戸の隙間から差し込む光も作品の一部。
自分が作品の一部になって楽しめるものもありました!
土間の高い天井を利用して、ロープが張られた作品。
中に入って見上げてみると・・・
吸い込まれていくような不思議な感覚に襲われます!
メイン会場となる古い酒蔵には30名ほどの作家が集結
メイン会場となるのは『まちや倶楽部』は
創業300年という老舗酒造の使われなくなった工場です。
酒造りの工程で使う室(むろ)や蔵などいくつもの部屋に分かれていて
複雑に入り組んだ迷路に迷いこんだよう。
たらいに映るシャボン玉の影を楽しむ作品。
見るたびに違った表現で飽きることなく見入ってしまいます。
フィリピンの作家・アントニオ・レア―ノさんは
その地にあるものを使って作品を作るそうで、琵琶湖のヨシが使われています。
この会場で展示の半数近いものが見られるので
時間がなくて全部をまわりきれないという方におすすめです。
作品に込められた想いが、明るい未来へとつながる“きざし”に
山のように積まれた使用済みの薬莢(やっきょう)。
反戦の意がコンセプトになっている作品です。
そのちょうど真上には岩塩で作られた銃が展示されていました。
岩塩は時間の経過とともに形が崩れていくもの。
いつか銃がなくなる社会になるよう願いが込められています。
今回のテーマは“きざし”。
作品に込められたメッセージからは
明るい未来へと紡がれていく“きざし”を感じさせてくれます。
作品に込められているものにも想いを馳せてみてはいかがでしょう?
期間中、さまざまなイベントも開催されます
湖国の風景や祭りを撮影する写真家・辻村耕司さんの会場。
しがトコにもいつも素敵な写真を提供いただいています。
天女の瓦は守山市にある東光寺の鬼瓦。
なんとこれが実物大なんだそう。
センターの写真は湖面に映る月光です。
辻村さんの前に並ぶのは滋賀の地酒!
同じ出展アーティストの藤居典子さんが
滋賀の老舗酒蔵・藤居総本家の娘さんだという縁で
10月7日(日)限定で、ここで利き酒会が開催されます。
他にも会期中には、ナイトツアー(土日限定)やワークショップ
コンサートなど、違った目線で作品を楽しめるイベントも予定されています。
詳細は公式ホームページをご確認ください。
一面の薔薇の世界の中に、よく見れば信楽焼のタヌキやサンタクロースが!
現代アートと難しく考えず、
目の前のものを丸ごと受けとめ、五感で感じてみてください。
各会場へは徒歩で2~10分程度。
青いのぼりが目印です。
懐かしい気分にさせてくれる古い町並みを散策しながら
1日かけてじっくりと芸術の秋を楽しんでみませんか?
「BIWAKOビエンナーレ2018」を地図でみる
近江八幡駅からバス利用、近隣駐車場もあり
→大きい地図で見る
「BIWAKOビエンナーレ2018」のデータ
- 会期
- 2018年9月15日(土)~11月11日(日)
- 開場時間
- 10:00~17:00(最終入場16:30)
- 場所
- 近江八幡旧市街地【→地図】
- 休場日
- 火曜日
- 料金
- 全館共通パスポート 一般2,200円 学生1,500円 15歳未満無料
※単館チケットあり ※ロープウェー利用は別途 - お問い合わせ
- BIWAKOビエンナーレ事務局 0748-36-3766
- 公式サイト
- BIWAKOビエンナーレ2018
※「美の滋賀trip!」は『しがトコ』が企画・取材を担当し制作しています。この記事は、滋賀県公式のポータルサイト『美の滋賀trip!』でも公開されています。