カフェ・お店

自分で淹れる”サイフォン”が理科の実験みたいに楽しい路地裏の『ふくろう珈琲店』

【ふくろう珈琲店/滋賀県大津市】

「はい、どうぞ!」と出てきたのは、手挽きのコーヒーミル。
ガリガリと音を立てながら挽いていくと、
ふわりと香ばしい香りが漂います。

滋賀県大津市桐生にある『ふくろう珈琲店』は、
「本当は誰にも教えたくないんだけど・・・」と
思わず言ってしまいたくなるような隠れ家喫茶店。

ずらりと並んだ、自家焙煎の珈琲豆の中から
お好みを選び「サイフォン」を使って淹れることができる、
こだわりのスタイルが魅力です。

まるで理科の実験!”サイフォンコーヒー”に初挑戦

ふくろう珈琲店外観

「本当にここ?車は通れるの?」と不安になるくらいの
細い路地を通り、たどり着いたのは
手入れの行き届いた、美しい佇まいの喫茶店。

カウンター席に案内してもらって、
さっそく“噂”の珈琲をいただくことにします。

自家焙煎の豆

まずはずらりと並んだ、自家焙煎の珈琲豆の中から
好みのものを選びます。

コーヒーミル

「はい、どうぞ!」と出てきたのは、
手挽きのコーヒーミル!
喫茶店でミルを出されたのは初めての経験です。

ガリガリと音を立てながら挽いていくと、
ふわりと香ばしい香りが漂ってきました。

挽きたての豆

この挽きたての香りが広がる瞬間がたまりません!

初めての方は、マスターが丁寧に淹れ方を
教えてくれるので心配無用ですよ。

温め中

『サイフォン』とはアルコールランプで水を温め、
蒸気圧の差で湯を移動させてコーヒーを抽出する器具のこと。
団塊世代の方には、「懐かしいなぁ」と感じる方も
多いのではないでしょうか。

アルコールランプの柔らかい炎、
丸みを帯びたガラスボールの中で
ポコポコと沸騰するお湯を眺めていると、
まるで理科の実験をしているような気分になります!

お湯の移動

お湯が上の部分に、ゆっくりと移動し始めました。

上にあがったお湯

沸騰し始めたら、砂時計をひっくり返して待ちます。
時間によって濃さが変わるので、あらかじめマスターに
好みの濃さを伝えておきましょう!

だいたい30秒から1分程度だそうなので、
ここからは目が離せません!

下へ降りてくる珈琲

砂時計の砂が全部落ちたらアルコールランプを消し、
ゆっくりと下のボールにコーヒーが降りてくる様子を
見守ります。

一つ一つの工程ごとに、思わず「わ!」とか
「おー!」とか声が出てしまうほど新鮮な体験でした。

唐橋焼

淹れたてのコーヒーは、『唐橋焼』の美しいブルーの
カップアンドソーサーに注いでいただきます。

プロに淹れていただく美味しいコーヒーも良いですが、
こうして自分でじっくり丁寧に淹れたコーヒーは
特別な味わいがありますね。

「こんな田舎にわざわざ来てもらうのに、
これ以上はもらえないよ。」と笑いながら
話されるマスター。

こんなユニークなお店のマスターは
いったいどんな方なのでしょうか?

定年後の夢を、全て詰め込んだようなこだわりの空間!

マスターの浦谷さん

以前は工業高校の先生をされていたという、
マスターの浦谷裕隆さん。
定年退職を迎える数年前から、将来のことを考え出し
喫茶店を開くことを目標とされました。

“他にはないお店”にするために研究を重ね、
気になるお店を訪れるために、奥様と二人で
北海道にまで足を運んだこともあるのだとか。

店内

農業小屋だったこの建物とついに出会い、
こだわりや夢をたくさん詰め込んでいきます。

薪ストーブとロッキングチェア

薪ストーブの前にはロッキングチェアを。
奥に二つ並んだ「昔の小学校をイメージした」
という椅子は、浦谷さんの手作りです。

囲炉裏テーブル

冬にはこちらの囲炉裏を囲んで、
暖をとることもできます。

古いスピーカーとレコード

ご友人が修理してくれた古いスピーカー。
「聞いてみる?」と嬉しそうに
レコードをかけてくださいました。

自家製薪窯

こちらの薪窯も、なんとご友人と一緒に
手作りされたそうです!

ピザのメニュー

11時から15時までは釜に火を入れて、
自家製のピザや、10食限定の焼きチーズカレーも
提供しています。
大人気メニューで、リピーターも多いのだとか。

ピザにはご自身の育てたお米を使用しているという
こだわりようです!

夢の薪ストーブ

誰もが一度は夢見たことがあるのでは?
というものを詰め込んだ憧れの空間。

「ここで“珈琲を淹れる過程”も含めて、
ゆったりとした特別な時間をすごしてもらいたい」
と笑顔で語る浦谷さん。

ご自身が育て上げたお店を見回すその眼差しは、
かわいい生徒を眺める優しい先生そのものでした。

細い路地の先にある“隠れ家感”も人気の秘密!

道路沿いの看板

ふくろう珈琲店がある桐生は、国道1号線から
10分程度の場所にあるにもかかわらず、
驚くほど自然豊かでのどかな地域です。

草津川沿いに走っていると、ひょっこり現れる木の看板。
看板を過ぎてすぐの細い側道を降りて、住宅街へ入ります。
すぐに右折をするのですが、ここは切り替えしが
必要なので要注意!

細い路地

車1台やっと通れるほどの細い路地を
ドキドキしながら進むと、お店が見えてきて
ほっとしました。

「やっとたどり着いた!」という達成感。
これも、この素敵な喫茶店が自分にとって
特別な存在になる理由の一つかもしれません。

ふくろう珈琲店入り口

「本当は誰にも教えたくないんだけど、、、」と
思わず言ってしまいたくなるような隠れ家喫茶店。
こだわり抜いた店内で、“自分流の珈琲の楽しみ方”を
見つけに訪れてみてはいかがでしょうか。

(写真・文:汐崎 わか子)

『ふくろう珈琲店』を地図でみる

草津田上ICから約10分

滋賀県大津市桐生2丁目10

→大きい地図で見る

『ふくろう珈琲店』の店舗詳細

住所
滋賀県大津市桐生2-10【→地図】
営業時間
午前9時~午後6時
営業日
毎週金・土・日曜日の3日間
電話番号
090-5128-8299
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