カルチャー

彦根市では一家に1台”カロム”が常識?!大人も子どもも熱中する不思議なボードゲーム

【カロム:滋賀県彦根市】

「大阪では”一家に1台たこ焼き機”があるらしい」
「奈良県民は”マイ鹿”で通勤通学している・・・」などなど、
地域にまつわる独創的なウワサがささやかれる関西地方。

そして近ごろ聞こえ始めた、
「彦根市民は一家に1台”カロム”を持っているらしい」
というウワサ。

その真相は?そもそも”カロム”って何!?
そんな声にお応えするべく、滋賀県彦根市にある
「日本カロム協会」にお邪魔して、
お話をうかがってきました!

昔なつかしいカロムの思い出

と言いながら、実は彦根生まれ彦根育ちの筆者。
実際、カロムとは小学生〜中学生時代、
親しく付き合っていました。

盤上整列

カロムとは、正方形の盤を2人もしくは4人で囲んで
対戦する、一種のボードゲーム。

盤上ゲーム中

盤上に並べた平たい円形の玉を、おはじきのように
指で弾いて盤の四隅にある穴に落としていく、
ビリヤードによく似たゲームです。

盤上アップ

シンプルなルールと、ほどよく要求される技術と戦略。
その”ちょうどいい感じ”に子供心をガッツリ掴まれ、
小学生の頃はどっぷりハマって、休み時間になる度に
友達と大盛り上がりで楽しんでいました。

ちなみにカロム盤は、校内に複数台常備されていました。

カロム盤を囲む

その後、ぜひ家でも遊びたいと
クリスマスプレゼントにカロムを要求。
つまり、わが家にはウワサ通り「一家に1台”カロム”」があったのです。

その当時、遊んでいたカロムがこちら!


記事を書きながら、そういえばだいぶ遊んだな〜
なんて久しぶりに思い出しました。

実家のカロムはもう無いと思っていたのですが、
母に聞いてみたら「彦根市内の親戚の家にあるよ」とのことで
思わず取りに行ってしまいました!

友達間でのブームが去った後も、
お正月に親戚が集まった時などは引っぱり出してきて
よく遊びました。

マイブームの終わりとともに、世間でも下火になっていると
勝手に思い込んでいたカロム。
「その現在とは?」という興味もあり、
「日本カロム協会」の扉を叩きました!

今年で30回目!「カロム日本選手権大会」が6/18(日)彦根で開催

温かく迎え入れてくれた日本カロム協会の方々は、
名簿をまとめたり打ち合わせがあったりと、忙しそう。

それもそのはず、今年で第30回を迎える「カロム日本選手権大会」が
今月、6月18日(日)に開催されるのです。


こちらは昨年の大会の様子。壮観です!
全国各地から参加者が集い、昨年はシングルス、ダブルス合せて670名、
今年はそれを上回る過去最多の参加が見込まれるそうです。

全国最大のカロムの公式大会とあって、
ここで優勝すれば実質「カロム日本一」。

Tシャツ

お揃いのTシャツで参加する、気合いの入ったチームも。

毎年、上手いなぁ、と感心するのは小学生。
県外からの参加も多くて、大学で彦根に来てカロムを知った、
という方もいます。

決勝には「黄金カロム盤」が登場!

黄金カロム盤

「決勝からは、特注の”黄金カロム盤”を使います。
ひこにゃんも応援に来てくれますよ!」
と、教えてくださいました。

黄金カロム盤アップ
この黄金カロム盤は漆塗りの金箔仕様!
決勝に残った人だけが楽しめる特別なものです。

今年の参加募集は既に終了していますが、当日の応援や
見学は自由とのこと。
気になった方、百聞は一見にしかずです!

スポーツ?ゲーム?球技大会の種目にもカロムが!

さらに驚いたのは、担当者の方の
「うちの子が通っている高校では、
球技大会の種目にカロムがあるんですよ」
という発言!

高校生

サッカーやバスケットボールと並んで、カロムが行われるそうです。
「指で行うビリヤード」とも呼ばれるカロム。
確かに、スポーツとしての一面もあるのかもしれません。

実は、世界中にカロムはあった!彦根で根付いた理由とは?

小さい頃から親しんできたゆえに当然のごとく
「彦根が発祥」だと思っていたカロム。
実は、インドから世界中に広まったものだそうです。

説明

日本に伝わったのは明治末期。
滋賀県にゆかりの深い建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズが
持ち込んだという説が有力です。

一時は全国的に普及したものの、根付いたのはここ滋賀県彦根市だけ。
これは、彦根の伝統産業である「仏壇づくり」と関わりがあるのだとか。

「彦根に根付いたのは、作る技術があったからかもしれません。
カロム盤は昔から、仏壇の材料で作られてきました。
カロム協会で販売しているカロムは、今も彦根の仏壇屋さんで
作ってもらっています」と教えてくれました。

黄金カロム盤上から

そういえば、大会決勝で使われる黄金カロム盤は
漆塗りの金箔仕様。
ただ豪華な訳ではなく、伝統ある彦根仏壇の技術が
ふんだんに生かされていたのです。

近年でも年間100〜200台の注文が入り、
カロム人口は増え続けている様子。

老若男女

お子さまからお年寄りまで、気軽に楽しめるカロム。
彦根市民じゃなくても”一家に1台”、いかがですか?

(写真提供:日本カロム協会・文:林由佳里)

記事公開日:2017年6月14日/最終更新日:2021年6月15日

「第30回カロム日本選手権大会」のデータ

場所
滋賀県彦根市松原町3751-7(彦根市市民体育センター) 
→地図
電話番号
0749-22-7522
日本カロム協会事務局(公益社団法人 彦根青年会議所内)
開催日
2017年6月18日(日)
開催時間
午前9時〜午後5時
公式サイト
第30回カロム日本選手権大会
日本カロム協会
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