観光

昭和初期の米問屋をゲストハウスに!大津町家の宿「粋世」で宿場町の風情を味わう旅を

【大津町家の宿  粋世(いなせ)/大津市】

東海道最大の宿場町として栄えた大津。
現代に合わせ街の風景は変化したものの、古い町並みが残るエリアもあり、
新旧それぞれの顔が楽しめるのも魅力のひとつ。

商店街の近く、旧市街地の一角に、古い町家を活かしたゲストハウスがあるのをご存知ですか?

粋な世界、という造語を文字って付けられた「大津町家の宿  粋世」の
古き良き佇まいの中のある「かっこいい」「粋」な空間をたっぷりご紹介します。

大津ではじめての“町家リノベーション”の宿

粋世の外観

ビルやマンション、オシャレなテナントビルなどが建ち、
都会に負けじと発展を目指しているJR大津駅、京阪浜大津駅周辺ですが、
旧市街・旧街道などには今も昔ながらの建物が残っており、風情が感じられます。

大津町家の宿 粋世も、そんなエリアに立地。
京阪浜大津駅から歩いて行ける好立地でありながら、
のんびりとした雰囲気が漂う界隈です。

2017年4月にオープンした粋世は、町家をリノベーションした宿で趣のある建物が特徴。
昭和8年頃に建てられたそうで、実に築80年以上。
米穀店として時代を担っていたそうで、登録有形文化財にも指定されている由緒正しい建物。

説明

建物が使われなくなり取り壊しの話まであったそうですが、
それはもったいないとゲストハウスへと再生。

宿として使えるよう耐震補強など取り入れながらも、
当時のものを残せるよう、なるべく同じ材料を使い改修工事を行ったそうです。

全国的に、町家や古民家をリノベーションしたゲストハウスが数多くありますが、
実は大津でははじめての試みなんだそうです。

町家ならではのしつらえや重厚さに息を呑む

町家らしさの象徴「走り庭」もしっかり残されています。

走り庭の吹き抜けは通常の高さは2階の屋根あたりですが、
こちらは3階分はゆうにありそうな高さ。
これほどの高さは珍しく一見の価値あり!

玄関ホールもかなり広く取られていて、
このお米屋さんはおそらくこの界隈で力があったのでしょう。
そんな気がする贅沢な造りです。

高い天井や太い梁など、思わず「わぁ…」と声が出てしまうぐらい立派な玄関。
はやる気持ちを抑えながら靴を脱ぎ、上がってすぐの受付(フロント)で
チェックインを済ませます。

フロントでの対応が、その宿での印象を決定づけるといっても過言ではないと
思うのですが、こちらのスタッフは皆さん笑顔でとても気さく。
緊張がほっと和らぎ、宿への期待も高まります。

質問や旅の相談に乗ってくださるのはもちろんですが、英語が堪能な
スタッフもいて、これなら外国人ゲストにも自信を持ってオススメできますね。

チェックインが終わると部屋へ案内されますが、
至るところにこのような説明書きが張られています。

町家ならではの設えが多数残されていて、今となっては貴重なものばかり。
せっかくならばと、説明を入れゲストに理解を深めてもらっているそうです。

建築に詳しくない人でもわかりやすく、建築に詳しい人には
更に興味がそそられるのでは。
英語表記もされているので、外国人ゲストにも好評なのだそう。

改修工事の際も、当時と同じ自然素材の材料を使っているそうなので、
その辺りも合わせてチェックみてくださいね。

和室?洋室?気分で選べる5室の客室

暮雪
(写真提供:大津町家の宿  粋世)

夕照
(写真提供:大津町家の宿  粋世)

母屋と離れ合わせて計5室・最大17名収容できる客室は、
畳敷きの和室はじめ、洋室もあってバラエティ豊か。
外観から洋室がある事が想像できなかったので、ちょっと意外で驚き。

「秋月 Shugetsu」「夕照 Sekisho」など、
客室には美しい響きの名前が付けられていますが、
いずれも『近江八景』の言葉から用いられたもの。

500年前より語り継がれている滋賀の情景が
客室に垣間見えるかのようです。

こちらはベッドですが、よく見ると畳が敷かれています。
初めて見ましたが、客室に合っていていいですよね。

ホテルのようなふかふかベッドもいいですが、
程よい硬さの畳のベッドはしっくり馴染みそうですし、
いぐさの香りにも癒やされそう。

この画像は2階の客室。シンプルだけどレトロモダンな雰囲気が懐かしくも新しく、
まるで洋館を思わせるような窓が印象的。
もともとこういう窓の造りだったそうで、当時のハイカラなセンスが感じられます。

ランプ

客室や廊下などの電球に使われているランプシェードは、
昭和初期のものを集められているそう。
こういったところにも粋世らしい、
古き良きものを大切にしたいというこだわりが伝わってきます。

古いもので同じ形のものが揃わないそうで
いろいろな大きさやデザインのものがありますので、
そんな細かな変化も楽しんでみてください。

窓からの光が優しい、書斎にしたくなる部屋

2階の「晴嵐 Seiran」は、粋世の中で一番広い客室だそう。
他の部屋が定員2〜4名に対してこちらは6名なので、
家族連れはもちろんグループ利用もOK。

書斎

縁側がある部屋に、窓際に小さな机が置かれた部屋の二間続きになっていて、
風格のある純和室の造り。
棚や机などはもともとこちらで使われていたもので、
年代物らしい使い込まれた風合いがいい味を出しています。

自分の書斎が持てるのなら、こんな風にしてみたい…!

縁側

2階に縁側という珍しい造り。
中庭を見下ろせる窓からは光がたっぷり降り注ぎ、明るくて気持ちがよく
何もせずぼーっとしていたくなる、何とも居心地のいい縁側。

景色は「絶景」ではありませんが、のんびりした大津の町並みが見えて何だかほのぼの。
そして右手山の中腹には、少しですが三井寺の観音堂が望めます。
この宿一番のビュースポットで贅沢なひとときを。

和洋両方の良さが楽しめる、離れの部屋

中庭を挟んで向かい側にあるのは、この宿唯一の離れのお部屋「晩鐘 Bansho」です。

和と洋が両方楽しめる客室で、客間はちゃぶ台でゆったり、寝室はベッドになっていて
足腰に不安がある人でも楽に利用できます。

他の4室は浴室は共用ですが、この部屋は離れという事もあり専用浴室付き。
よりプライベート感が味わえるので、マイペースに過ごしたい人にはもってこい。
定員4名なので、家族利用にもちょうどよいサイズ感です。

窓からは中庭の向こうに母屋が望めます。
全館通して言える事なのですが、プライベート空間を保ちながらも
他の部屋や他のゲストの息づかいが感じられるのも、大きな魅力であり特徴。
時には窓越しにアイコンタクトしたり、手を振り合ったりできるかも!?

この部屋は庭に囲まれるように配置されているのですが
中庭と反対側にはテラス席が設けられています。

こちらはゲストなら誰でも利用OK。
天気のいい日に日向ぼっこというのも、贅沢な時間なのでは。

館内は禁煙ですがこのテラスでは喫煙が可能なので、
タバコを吸う方はこちらでどうぞ。

大広間みたいなコミュニティスペースで、旬の朝ごはんを

母屋1階には、庭が望める16畳のコミュニティスペースがあります。
粋世では1泊朝食付きを基本としていて、朝食はこちらで提供されます。
(夕食の提供はありません)

Happy New Year! We wish you have a happy and joyful year! あけましておめでとうございます。 今年もより良い宿になるべく、スタッフ一同日々頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願い致します。 粋世最初の朝ごはんはお正月バージョン。 ここから歩いて5分の老舗お味噌屋さん”九重味噌”さんの白味噌を使ったお雑煮です! 優しい味でほっこり癒されます(´ー`) #japanesefood #travelgram #airbnb #travel #loves_nippon #inase_otsu #instatravel #japan #newyear #お正月 #guesthouse #ゲストハウス #滋賀 #町家 #traditional

粋世 Inase Otsu Machiya B&Bさん(@inase_otsu)がシェアした投稿 –

旅の楽しみは何と言っても食事ですよね。
ご飯に味噌汁といった和食が用意されるそうで、大晦日には年越しそば、
年始にはおせちなど、季節を大事にした献立がゲストに大好評。

ゲスト同士交流が楽しめる工夫も

コミュニティスペースの畳の一部が、よく見ると正方形の形…
お茶をされる方ならお分かりだと思いますが、茶道に使う炉が用意されています。
もともとはなかったそうですが、『粋世』の代表が
「朝食後にお茶でゲストをもてなしたい」と新たに作られたそうです。

The first tea ceremony of 2018 当館代表による2018年初のお茶会開催です🍵 #inase_otsu #teaceremony #matcha #newyear #町家 #accommodation #guesthouse #japantrip #ゲストハウス #滋賀

粋世 Inase Otsu Machiya B&Bさん(@inase_otsu)がシェアした投稿 –

粋世のInstagramでも、その時の様子が紹介されています。
参加できるのは宿泊しているゲストのみで、開催は今のところ不定期。
なので参加できた人はラッキー!
感想を言い合ったりして、ゲスト同士盛り上がりそうですよね。

これまでにお茶と巻き寿司体験が行われたそうですが、
今後は書道や華道の文化体験も開催予定とか。
これからの展開が楽しみです。

テーブルにさりげなく置かれている、数冊のゲストブック。
ゲストが思い思いに感想を書かれるそうですが、内容も国籍も実にさまざま。

ゲストブック2

家族やグループ旅行、あるいは仕事で滋賀に来た人や外国人まで、
皆さん「スタッフの対応がよかった」、「朝食がおいしかった」などの
喜びのコメントばかり。

それだけ粋世が満足度の高い宿という事なのでしょう。
見ているだけでも楽しいですが、泊まった記念に書き込んで、
更に印象深いものにしてみてください。

コミュニティスペースは23時まで開放されていて、
本を読んだりお酒とアテでくつろいだりと、思い思いに過ごせます。
時には顔を合わせたゲスト同士、会話に花が咲く事もあるそうですよ。

踊り場

2階踊り場には、この建物から出てきたという
年代物のゲームや将棋が置かれていて、自由に遊んでいいそうです。

将棋

ボーリングゲームは大人も子供も楽しめますし
将棋は今ブームで話題なので、年代問わず大いに楽しめそう。

本棚

写真集

本棚には滋賀の本などが置いてあり、役立つ情報がゲットできるかも?!
そして段上には写真集が。
リピーターのゲストが作られた写真集で、粋世にもとプレゼントされたのだそう。
それほどまでにゲストに愛されているのが、よくわかりますよね。

滋賀は日本観光の穴場スポット!『粋世』を拠点にゆっくりと魅力を感じて

フロント横にマップが貼ってあり、ゲストがどこから訪れたのか
書きこめるようになっています。

近づいて見てみると、近畿圏や関東圏からが多いようですが、
海外からのゲストもちらほら。

日本を訪れる外国人観光客が増えて久しいですが、
有名観光地などは、落ち着いて観光できないなどの声が聞かれます。

その点大津や滋賀は落ち着いて日本の風情を感じることができる、
いわば“穴場”なスポット。最近は外国人観光客も増えているそうです。

「大津を知らない人にはもちろん、
大津を知っている人にもゆっくりと滞在してもらい、
滋賀の魅力を多くの方に知ってほしい。
粋世がそのきっかけになれば嬉しいですね」

これはスタッフの世一康博さんの言葉ですが、
粋世を起点に大津・滋賀の魅力に惹かれ二度、三度と訪れたり
他の人をも巻き込んで滋賀のファンが増えていくのなら
これほどうれしい事はありませんよね。

有名観光地のような華やかさはないけど、
地元の方との距離が近く、のんびりゆったり過ごしながら
名所、歴史に触れる事ができる・・・
大津はそんなところではないでしょうか。

もうすぐ1周年を迎える、大津ではじめての町家ゲストハウス。
駅から近く、琵琶湖もすぐそばで、滋賀県内の観光スポットや、
京都へのアクセスもよく、観光拠点として最適です。

落ち着いた町並みで、あたたかいおもてなしや
ゲストとのふれあいを程よい距離感で楽しみながら
旅の思い出を刻んでみてはいかがでしょうか。

「大津町家の宿  粋世」を地図でみる

京阪電車 京津線・浜大津駅より徒歩約5分!

粋世

→大きい地図で見る

「大津町家の宿  粋世」のデータ

住所
〒520-0046 滋賀県大津市長等3丁目3-33
→地図
電話番号
077-510-0005
チェックイン
15:00〜21:00
*21時以降に到着の場合は要事前連絡
チェックアウト
7:00〜10:00
*24時間出入り自由
駐車場・駐車場
ナシ
有料駐車場・駐輪場を利用の事
(向かいにコインパーキングあり)
電話対応時間
8:00〜21:00
公式サイト
https://www.inaseotsu.com/
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