カルチャー

「滋賀は仏ゾーンだ!」みうらじゅん&いとうせいこうさんの『見仏記』楽屋インタビュー

【みうらじゅん&いとうせいこうさん 楽屋インタビュー】

滋賀名物の“飛び出し坊や”の名を世に広めた第一人者であり
「ゆるキャラ」や「マイブーム」の生みの親としても知られる
イラストレーターのみうらじゅんさんと、
作家・タレントとマルチに活躍するいとうせいこうさん。

どちらも仏像マニアであることから
“仏友(ぶつゆう)”として、
全国各地の寺を巡り、独自の視点で仏像と向き合い続けています。

90年代よりスタートした仏像をめぐる旅は『見仏』と名付けられ、
2人の共著である紀行文『見仏記』が刊行された後は、
TV、トークショーへと幅を広げ、仏像の新たな見方を世に浸透させています。

そんな『見仏記』トークショーが10月5日(金)、
滋賀県甲賀市の「あいこうか市民ホール」で開催されました。
滋賀県でのイベントは、なんと20年ぶりだとか!

せっかくのチャンス!ということで、
しがトコで取材依頼をさせて頂いたところ、
メディア向けに、少しだけ時間を頂けるとのこと。

「“滋賀のええトコ”について話を聞きたい!」
そう意気込んで、会場へと向かいました。

ポスター

『見仏記』のトークショーは19時からスタート。
その直前、18時すぎから、数分だけ取材OKということ。

「何社くらいのメディアが来てるのかなぁ?」と、
楽屋に行ってみると、なんと、取材申し込みしたのは、
しがトコの一社だけとのこと!

突然に訪れた独占取材の機会!
急な展開にドキドキしたまま、
編集部は、取材用の部屋へとお邪魔しました。

がびってる?


緊張する編集部の前に、みうらじゅんさんといとうせいこうさんが登場。

――こんにちは。今日はよろしくお願いします。
私たちは「しがトコ」というインターネットメディアをやっており、
「自慢したくなる滋賀」をコンセプトに記事を作っていまして・・・

いとう:あ、ゴメンね。ちょっと良いですか?
琵琶湖の周りで、一番目立つ山ってなんですか?


突然、山について質問をする、いとうせいこうさん。

――え、琵琶湖の周りですか?滋賀県で一番高い山は、伊吹山で・・・

いとう:あ、伊吹山か。どんな形してるんだろう、山頂は?

――山頂のカタチは、ちょっと削れちゃってますかね。

いとう:削れちゃってるんだぁ。

――あとは、湖南で目立つのは、“近江富士”とか。

いとう:それは富士山に似てるの?

――はい。三上山っていう名前ですが、地元では近江富士と言われてて

みうら:うん、近江富士はきれいな山だよ。

いとう:そうなんですか。

みうら:でも、がびってない、近江富士は。

いとう:そうか、がびってないか。


“がび“について、納得し合うおふたり。

――がびっ?がびですか??

みうら:そう。あとは比叡山か。

いとう:あ、比叡山があるか。
そりゃそうだよね。分かりました。
峨眉(がび)の話は、また後でしますね。[注1]
では、質問お願いします。

――(呆気にとられながら)あ、はい。
では、いくつか質問をさせて頂こうと・・・

みうら:(取材現場を見渡して)あれ?そうか!
ここにいる人は、みんな「しがトコ」なんだね?


のっけから自由な雰囲気で、質問がなかなか進まず・・・

――はい、そうなんです。
じつは、うち1社での取材させて頂けることになりまして。

みうら:なんだ、良かった。
人がいっぱいいるから焦ったよ〜。
大変だなぁと思ってたけど。

いとう:この取材は「しがトコ」だけなんだね。

みうら:な〜んだ。じゃあ気が楽じゃん!

――どうぞ、気楽にお願いします!(笑)

まずは、仏様のお話から

――今日は時間があまりありませんので、ポイント絞って質問させて頂きます。
まずは滋賀の仏像のお話から。
甲賀の『擽野寺(らくやじ)』が33年に1度の大開帳を迎えますが、[注2]
おふたりが注目されているのはどこでしょう?

いとう:そりゃまあ、でっかいあの方でしょ。

みうら:うん、十一面ですよね。

――やっぱり、十一面観世音菩薩さんですね!

いとう:それはもうあの方は、ものすごいものをお持ちだからね。
東京でももちろん、国立博物館でお招きした[注3]けど、
本来あるべき所は、ここなんですよ。
滋賀にお帰りになったわけだから、
それを見ない手はないってことじゃない。

みうら:でもね。期間が短いんだよね。

いとう:あ、そうなの?

――今回の大開帳は、12月9日までですね。

みうら:前はもっと開いてたのよ、じつは。
秋の季節とかにも、なんか開いてたこととかがあってね。
そういうときに、けっこう見たりしてますね。

――2年前に東京国立博物館であった平安の秘仏展でも、多くの方に見てもらえ、
それは、ものすごい大盛況でした。

みうら:いや、だって、あれ、
東京の人は初めて見たんですよ、あんなすごい仏像。
でも、滋賀県の人だってあまり知らないでしょ?ここにおられるっていうことを。

――あんなすごい仏さまが甲賀にいるっていうことは、
滋賀の人でも知らない人は多いと思います。

みうら:でしょ、甲賀までは見に来てないよね。
湖北の方は、結構行くんじゃないですか。“観音めぐり”って。

――そうですね、今は観音めぐりのバス、結構あります

みうら:僕らが行ったときは、バスもなかったから、あそこ。

いとう:そうだ、うん。
だからタクシーを借りきって行ってた。

――あ、布団の重ね敷きのお話とか、見仏記の本で読みました(笑)

みうら:そうだよ!ほんとあのときはさ・・・
って、ゴメン!その話は、トークショーでするから!
ここでしちゃったら、本番で話すネタなくなるから(笑)

――すみません!(笑)
トークショーが楽しみです!

改めまして、滋賀の仏様のお話を・・・

――えーっと、櫟野寺と言えば、やっぱり十一面観音菩薩さんですね。

いとう:あとは、毘沙門(びしゃもん)ね。毘沙門天もいいわけ。

みうら:袖のとこをくくってる。

――今日は、仏像の写真集も持ってきました。この方ですね。

みうら:あ、これ、東京での展覧会のパンフですね。持ってる持ってる。

いとう:ここんとこね。袖をくくってる。


木造毘沙門天立像(出典:「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」図録より)

いとう:そのくくってるかくくってないかで、
どういう毘沙門かを判断するんだと、先代の・・・

みうら:先々代だね、それ。

いとう:先々代か。

みうら:おじいちゃんだよ。

いとう:先々代の三浦皎英(コウエイ)和尚[注4]はおっしゃってましたよ。

みうら:うん、コウエイさんは、特に地蔵がお好きだった。

いとう:そう、地蔵って言ってた。

――コウエイさんと言うと、櫟野寺の先々代のご住職ですね。
コウエイ和尚の好きなお地蔵さんというと、これですか?


櫟野寺の先々代のご住職、三浦皎英和尚が好きだったお地蔵さん。

いとう:これ、これ!

みうら:そうそう。コウエイさんイチオシの地蔵。

いとう:ああ、この方。顔がいいもん。

――なかなか切れ長ですね。


長年連れ添う夫婦のように、肩を寄せ合うおふたり。

いとう:そうそう。なんか不思議な顔してる。赤ちゃんみたいなさ。

みうら:同じこと亡くなったコウエイさんも言っておられましたよ。

いとう:言ってた?

みうら:ほら、顔が素敵だって。

いとう:神秘的な顔してんだ、宇宙人みたいな。

――この方も、平安の秘仏展で東京に来られてましたね。

みうら:来たよ、来たよ。

いとう:みんな東京に行っちゃったんだ。

みうら:もう、全部来られてましたからね。
櫟野寺はさ、その間に改修しようとされてたんですね。お堂を。

――宝物殿と本堂の改修工事をされてましたね。

いとう:だから、工事中は仏さんはいないほうが良かったんだ。

みうら:おられない間にビフォーアフターだから。

いとう:滋賀の実家を直してる間に、東京のマンションに住んで、
また帰るってくるパターンだ。

せっかくなので、滋賀の話も!

――滋賀県についても、もう少し聞かせてください!
おふたりは、滋賀県にはよく来られてるんですか?

みうら:仏像を見るのによく来てるんですけどね。

――どのあたりですか?やっぱり湖北が多いですか?

みうら:うん、やっぱ湖の周りですよ。ぐるぐる回ってる。
見仏記でも、二人だけで最初に来たのが滋賀県だったと思います。

――そうなんですか!

みうら:もう20年以上前のことだよ。

いとう:そうだ。20年前に、テレビ見仏記もあるから、
湖北、湖南とか、湖西とか回って、また湖北に行ったり、湖東も行ったりして。
結局、何かあるたびに来てるよね。

みうら:飛び出し坊や[注5]を発見したのは、45年前だったけどね。

――そんな前!

みうら:もう随分たちますね。

いとう:飛び出してたんだね。

みうら:ぼく、高校のとき初めて見たんだもん。

いとう:高校んとき見たの?その時はもう古びてたの?

みうら:あの頃はまだ古びてないよ。それが“0号”って後に呼んでたやつ。

いとう:まだ、じゃあ新しかったんだ。

みうら:久田さん[注6]のが0号だったからね。

いとう:そうなんだ。みうらさんは生まれが京都だから、来るんだよね。滋賀県。

みうら:こないだも滋賀には家族旅行で来ましたよ。

――そうなんですか!ちなみに、どちらに?

みうら:温泉。

いとう:なに、温泉、いいとこあんの?

みうら:「おごと温泉」。
昔は、ちょっと、オヤジ向けの場所で有名だったりしたんだけど、
今は、オシャレないい温泉になってたりして。

いとう:温泉はどうなの?いいの?

みうら:泉質いいんですよ。

いとう:いい、そうなんだ、いいんだ。

みうら:でも、一角だけ、まだフーゾク街も残ってて。
家族旅行で間違えて車で入ったりすると、ちょっとね(笑)。

いとう:それは困るね。

「滋賀県のイメージが良くなってきた」

――ほかには、滋賀でお気に入りのお店とかあったりしますか?

みうら:うなぎが、うまかったよ。

――滋賀県ってじつは、うなぎの名店が多いんですよ!

いとうせいこうさん

いとう:鮒寿司(ふなずし)とかじゃないんだ?

みうら:昔は鮒寿司がメインだったけどね。いや、はっきり言うけど、昔は鮒寿司しかなかったような(笑)。

――そんな、はっきりと・・・(笑)

いとう:でもお茶漬けにすると美味いんでしょ。

みうら:そう、お茶漬けとか。
あとは、酒のアテになったし、うちのおやじは好きだったから食べてた。
でも、鮒寿司がお土産として売られてるようになったのは、もう最近のことでしょ。

いとう:最近なんだ?

みうら:珍味だからね。

いとう:鮒寿司って、ローカルフードだもんね。
みんながほら、ブルーチーズとかいろいろ食べるようになって、
そういう目線で見ると、鮒寿司ってチーズみたいで新しいよね。
俺もそういう気持ちで食べてるから、そんなに臭いとも思わないし。

みうら:そうだ、試食のとこに、鮒寿司が置いてたりするの。知らない?

――試食で、鮒寿司ですか?

みうら:あれはね、試食で食べるもんじゃないでしょ?(笑)。

いとう:そりゃそうだ。覚悟が要るね(笑)

みうら:普通は試食ったら、おかきとか、イカとかですよ。

いとう:そうですよ。

――匂いが心配になります(笑)

みうら:でもね、ここ数年、本当、開けたよね、滋賀県は。
昔は、ほんとに、もう・・・

いとう:奥地だった?

みうら:京都の人間はよく、山越えって言ってね。
山を一つ二つ越えてから来るの、滋賀には。

いとう:それが、なんで開けたの?

みうら:いまね、京都になかなか泊まれないからじゃないの?

いとう:ああ、観光客が多いからね。
それで、みんなが滋賀に来てるの?

――大津とか、湖南エリアは、京都観光の方もよく宿泊してるそうです。

みうら:じつはすごい近いんですよね。
滋賀県って京都からすごい近いんだけど、遠いイメージがあったんだよ、今まで。

いとう:イメージが変わったの?

みうら:そう、変わりましたね。

いとう:なるほど、なるほど。
ちょっと足を伸ばしてみようか、っていう。

みうら:僕がちっちゃい頃は、琵琶湖ホテルっていうところに夏休みよく泊まってた。
ぼてじゃこが釣れんだよね[注7]、あそこ。

いとう:何?ぼてじゃこ?

みうら:ぼてじゃこっていう魚がいて、餌付けなくても釣れるって有名で(笑)。

いとう:へぇ。

みうら:うん。もう釣り針入れたら、すぐ食いつくというか。

いとう:ワカサギみたいなもん?

みうら:『ぼてじゃこ物語』っていうの[注8]、知らない?

いとう:なに?知らないわ。ドラマ?

みうら:よみうりテレビのドラマだったんじゃないかな。
多分、花登筺(はなとこばこ)[注9]の脚本のドラマで。

いとう:そうなんだ。

みうら:「何でも食らいついたる!」みたいなとこが、ぼてじゃこ精神というかさ。

――・・・はい。

みうら:あ、聞いてない?
こんな昔の話、おもしろくない?

――そんなことないです!(笑)
ただ、スタッフさんが、時間がもう厳しいと。
・・・あ、まだ大丈夫?はい。
大丈夫みたいです!(笑)

いまは仏様が必要な時代

みうら:あと、滋賀といえば、千手千足観音。

いとう:あー、ある、ある。いいよー。

――正妙寺さんですね。
いや、あそこもこないだの台風で、ちょっと・・・

みうら:え?

いとう:そうなの?

――いえ、大丈夫なんですよ!
ただ、ちょっと扉が飛んじゃって、直してたりしました。

みうら:そらそうだよね。
猿たちも大変だったろうね。

――そうですね。滋賀県もけっこう被害が出ました。

みうら:いやー、大変だったろうね。

いとう:ほんとにもう心配してます。

みうら:今年は大きな台風が多かったからね。

――風で木が倒れたりしてます。

いとう:やっぱり、仏様が必要な時代なんじゃない?

みうら:特に現代はね。

――確かに。

いとう:大仏、勧進したほうがいいんじゃないのって、
もう半ば本気で言ってるぐらいでさ。
みんなの気持ちがね。何とかしようよ、変えようよっていう時代になってるから。

――大仏建立の気運が。

いとう:そう、そうだよ。
だから滋賀県が、どっかいい土地くれればいいんじゃないの。
新しい大仏、建てた方がいいんじゃないの。

滋賀は仏(ぶつ)ゾーン?!

――最後なんですが、まとめ的なお話をさせてください。
今回は、擽野寺をテーマにしたトークショーなんですが、
お二人の見仏人として、滋賀のエリアについて伺いたいんですが。

みうら:僕が思うのは、滋賀が、
“仏(ぶつ)ゾーン”だったんじゃないかと。

――“仏ゾーン”ですか。

みうら:大陸からやって来て、京都に入る前。若狭から滋賀にね。だからここは“仏ゾーン”だったに違いない。でもなかなか、観光としては開けなかった。

いとう:そうなのよ。

みうら:バスが土日しか出ないでしょ、ほんとにバスがない。

――交通手段は少ないですね。

みうら:でもね、だからこそ良かったのかもしんない。
ひなびた感じが残ったから。

いとう:そうだね、そのまま残ってるのがね。

みうら:京都・奈良に、それこそ匹敵するような仏像がわんさかおられますから。

いとう:そうそう。

みうら:でもそれは、逆に交通のことで開かれなかったっていう感じはするけどね。

いとう:だからコミュニティーバスを、きちんと走らせてくれれば[注10]
観音の里の湖北から始まって、甲賀『櫟野寺』の十一面の里のまで。
知らない人間だって、僕みたいな関東の人間も、来れば回れるふうにしてもらえると、
その良さは、とてもよく伝わると思うから。交通手段をなんとかできればね。

みうら:湖北まではあるんだけどね。

いとう:そっからの甲賀『櫟野寺』のあたりまで。

みうら:そこだよね。
甲賀が陸の孤島になってるから、そのへんがつながればね。

――そうですね、ありがとうございます。
本日は時間の無い中、本当にありがとうございました!

ということで、トークショーの始まる前の15分くらい。
ホントに短い時間でしたが、
みうらじゅんさん&いとうせいこうさんに、
滋賀の魅力(?)について伺ってきました。

おまけ

取材を終えても、なにやらきゃっきゃと雑談しているおふたり。
「これ、反対じゃない?」と、おもむろに立ち上がるいとうせいこうさん。

「並ぶ位置が違ってたよね」
どうやら、みうらじゅんさんが右、いとうせいこうさんが左。
これが本来の並びのようです。

そんなことを話ながらも、気づけば自然と同じポーズになっているふたり。

「そうか!なんかおかしいと思ってたんだよ」
「こっちが本当だよね」。
なんか、普通の会話をしてるはずなのに、すごく楽しそうです。

「もう一回もとに戻ってみよっか」「うん、うん」
やっぱり、きゃっきゃしているおふたり。

楽屋の座る位置で盛り上がっているところに、
「そろそろ控室の方にお願いします!」と焦るスタッフの声が。

あと30分後に、約800人の前でトークショーをしようという緊張感は皆無(失礼)の、
終始ふんわり、ゆったり、あるがままで。
仏のような穏やかな空気に包まれていた楽屋トークでした!

聞き手=對馬佳菜子(観音ガール)/取材・文=亀口美穂/撮影=林正隆

楽屋トークの注釈と補足

[注1]がびってる/峨嵋ってる
・・・みうらじゅん&いとうせいこうさんの造語。山頂が、がびがびしてる険しい山のこと。中国にある峨眉(がび)山に似ている山を「がびってる山」と呼ぶ。峨嵋山の麓には高名なお寺があるため、中国から仏教が伝来した際に来日した僧が、峨嵋山に似た山の麓にお寺を建てた可能性があるため、「がびってる山」の麓には、だいたいお寺があるという。

[注2]櫟野寺(らくやじ)
・・・滋賀県甲賀市にあるお寺。日本最大の十一面観音坐像や聖観音など多数が安置された平安仏の宝庫。随筆家・白洲正子が愛した「かくれ里」としても知られる。『「櫟野寺」って誰も「らくやじ」と読めないじゃん!!!』という“大問題”を解決するために、みうらじゅんさん、いとうせいこうさんの発案により「『櫟』普及委員会」も発足された。この日、おふたりが着てたTシャツも、『櫟』普及委員会のオリジナルTシャツ。略して、櫟T。

[注3]東京国立博物館でもお招きした
・・・2016年9月、滋賀県甲賀市の櫟野寺のほとけが、東京国立博物館で展示された。大盛況のため会期を延長し、約21万人が訪れた。
■参照記事☆巨大秘仏が滋賀を飛び出して東京上野の国立博物館へ!『特別展 平安の秘仏-滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち』が本日開幕! | しがトコ

[注4]コウエイ和尚
・・・三浦皎英(ミウラコウエイ)和尚。擽野寺のご住職だった名物和尚。見仏記のトークショーでは、まるでコウエイ和尚が乗り移ったように見事なしゃがれ声でモノマネをするみうらじゅんさん。その形態模写は神がかり的なうまさで、コウエイ和尚への愛にあふれています。

[注5]飛び出し坊や
・・・児童が通る道路などに、ドライバーへの注意喚起の目的で設置されている看板。飛び出し坊や研究の第一人者であるみうらじゅんさん。それまでとくに注目されることもないまま雨風に耐える日々だった『とび太くん』が、全国的に有名になり、グッズ化されたり、展覧会まで開催されるようになったのは、みうらじゅんさんのおかげ。

[注6]久田さん
・・・とび太くんの生みの親、看板製作業の『久田工芸』さんの、代表者久田泰平さん。『とび太くん』第1号が製作されたのは昭和48年(1973年)。その後、滋賀県内で広がり、地域ごとにオリジナルの飛び出し坊や看板も誕生。みうらじゅんさんは久田さんの元祖飛び出し坊やを基本形だという分析のもと、新幹線の型番にちなんで「0系」と呼ぶ。

[注7]ぼてじゃこ
・・・琵琶湖に生息するお腹のふくれた雑魚の一種。貪欲な魚で、鈎(はり)を下ろすとすぐに喰いつく。湖南のどこの湖岸でもよく釣れていたが、ブラックバスの大量出現で激減し、希少種になったと言われている。

[注8]ぼてじゃこ物語
・・・1971年に三田佳子主演で放送されたテレビドラマ。「ぼてじゃこになったら、あかんえ」という亡き母の言葉を胸に、ひとり立ちしていく主人公を描いたこの作品で、琵琶湖の『ぼてじゃこ』の名は全国に知れ渡った。

[注9]花登筺(はなとこばこ)
・・・滋賀県大津市出身の放送作家、小説家。昭和23年、大津で自立劇団人間座の結成に参加、後に文芸座を創立するなど演劇活動に励む。56歳で死去。「泣くは人生、笑うは修業、勝つは根性」が人生訓。生涯の舞台脚本数500本、テレビ脚本6,000本に及ぶ。

[注10]コミュニティーバスを、きちんと走らせてくれれば
・・・駅から遠いうえに、バスの本数が1日に1本の甲賀市『櫟野寺』。あまりの不便さを嘆き、運転免許を持っていないみうらじゅんさんと、いとうせいこうさんが真剣にバス会社設立を考えるほど。*2018年12月9日まで『櫟野寺』の大開帳に合わせ、JR甲賀駅を発着する臨時巡回バスを期間中、毎日7便運行。詳細は甲賀市観光協会のホームページよりご確認ください。

記事公開日:2018年11月27日
最終更新日:2020年11月25日

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