カルチャー

目の前には琵琶湖と水鳥の世界!”観察”の楽しさにハマる『高島市新旭水鳥観察センター』

【高島市新旭水鳥観察センター/滋賀県高島市】

目の前に広がるのは、
秘境のような琵琶湖の原風景と、
水鳥の世界。

何をするでもなくただ”観察”を楽しむ。
ちょっと特別で贅沢な時間を過ごせる場所が
滋賀県高島市にありました。

関西有数の水鳥観察スポット

紅葉

閑静な琵琶湖畔。
色づく紅葉などの自然に囲まれた場所に、
『高島市新旭水鳥観察センター』の建物があります。

カフェスペース

大きな窓が張りめぐらされた、
ウッド調の落ち着いた館内。

館内の窓からは、
ヨシなどが生いしげる手つかずの湖畔、
広い湖の上に浮かぶ竹生島、
対岸にそびえる伊吹山や霊仙山などの
琵琶湖の絶景を一望できます。

室内

まるで、ログハウスのようなおしゃれな空間。
そこから琵琶湖に熱い視線を注いでいるのは……
ずらりと並ぶ望遠鏡や双眼鏡たち!

望遠鏡

ここ『高島市新旭水鳥観察センター』は、
関西有数の水鳥の観察スポットとして知られています。

水鳥たちの日常や珍しい野鳥の姿を目にするために、
県内はもちろん、京都や大阪そして福井といった地域から
訪れる人も珍しくありません。

鳥

しかし観察といっても、
窓から琵琶湖を見渡してみた限り、
水鳥らしき姿は見当たりません。

野鳥観察は我々のような素人には難しい世界なのでしょうか……?

初心者でも楽しめる水鳥観察

「ここ覗いてみてください。沖合に水鳥の群れがいますよ」

おろおろする私たちに望遠鏡のピントを合わせてくれたのは、
館長の石川悠(いしかわゆう)さんです。

館長

調整してもらえた望遠鏡を覗きこむと、
頭にモヒカンのような毛を生やしたカンムリカイツブリの姿が!

観察中

「やった、見つけた!」
「あ、今カモが水中に潜ったよ!」

日常で見かけない水鳥たちの姿に、
取材そっちのけで夢中になってしまった私たち。

案内

このように鳥が見つからない時は、
スタッフに尋ねてもらえたらいいとのことで、
初心者でも気軽に水鳥観察を楽しめます。

ボード

また館内のホワイトボードには、
水鳥の絵や特徴が細かく記されていて、
現在何の水鳥が観察できるのかをここで知ることができます。
(なんと水鳥の絵などはすべて石川館長の手描き!)

見頃はほぼ一年中!水鳥観察の楽しみ方

この辺りは入り江であることから波は穏やか。
遠浅で小魚や水草といったエサが豊富という好条件から、
中国やロシア、果ては北極圏から数多くの渡り鳥たちが飛来し、
ここで冬を越します。

日記

取材した12月は「10月後半~11月」というピークから少し過ぎていましたが、
それでもカモだけで約15種、カイツブリで3種、
他の鳥とあわせて何と30種以上の鳥が過ごしているそうです!

ホオジロ

冬から春にかけては、
石川館長お気に入りのホオジロガモをはじめ、
コハクチョウなどの冬鳥の時期。

そして夏と冬の鳥が入れ替わる秋の時期が、
鳥の数が増える一番のピークとのこと。

観察中

夏は夏で、鳥たちの繁殖期かつ子育てシーズン!
ヒナを背中に乗せるカイツブリの姿を見られたり、
運が良ければ巣を見られたりと、
冬とは違った豊かな情景を楽しめるそうです。

つまり水鳥の見頃は一年中!
一度訪れてもまた別の季節に来れば、
以前とは違った景色を見られることでしょう。

自分のペースで発見を楽しむ

受付
また『高島市新旭水鳥観察センター』では
ガイドウォーク(事前予約制)を受け付けており、
スタッフの案内で周辺の遊歩道などを巡りつつ
野鳥観察を体験できます。

遊歩道

ガイドウォークは各回1組限定。
じっくり自分たちのペースで観察できるので、
親子連れでも初心者でも気兼ねなく楽しめます!

小さいお子さんが、大人より先に珍しい鳥を発見……
という場面もたびたびあるとのこと!

おしどり

また見たい鳥の種類を告げれば、田んぼ沿いを歩くなど、
ルート変更も可能なのだとか。

ギャラリー

そしてこちらは、様々な企画展が行われている館内のギャラリースペース。
訪れた時は高島市内の探鳥地を紹介する展示の最中でした。

ヒノキ

床に敷き詰められたヒノキのチップを、
パキ、パキ、と踏みながら野鳥の写真を見ていると、
まるでのんびりと森の中を散策しているようでした。

「そこにある自然をすべて楽しめる」水鳥観察の魅力

棚

『高島市新旭水鳥観察センター』の入館料は
16歳以上は200円、15歳以下は無料。

再入場も可能で一日中過ごすことだってできますが、
この場所ならではの水鳥観察の醍醐味とは何なのか、
石川館長にあらためて話を伺いました。

館長2

「色んな仕草を見やすいのが魅力ですね。
水中に潜ったり、居眠りしたり、
エサやメスをめぐってケンカをしたり。
バラエティー豊かな鳥たちが
こうして同じ場所に集まる風景を見られるのが
ここの大きな魅力です」

植物

また鳥たちがこれだけ集まってくれるというのは、
それだけ多様な植物や昆虫の姿も見られるということ。

あらゆる生物の生息に適した環境であることから、
陸からはタカなどの猛禽類や、
キツツキといった野鳥がやってくるほか、
キツネやイタチなども姿を見せることがあるそうです。

ユリカモメ

毎日観察していても、滅多に来ない冬鳥が
渡りの途中に立ち寄ってくれるなど、
ここが日々変化に富んだ場所であることを証明するかのように、

「あ、ユリカモメが沖の方に来ましたよ」

短い取材時間中に白い羽の一団が次々と湖に飛来しました。

内装

これから本格的に冬が到来しますが、
天気が変わりやすいこの場所からは
虹が頻繁に見えるのだとか。

雪の後の晴れた日には、
水鳥の羽が陽光でキラキラ反射して、
本当に綺麗なのだそうです。

正面玄関

窓の外に広がっているのは、
県内でもなかなか見られない琵琶湖の原風景と絶景。

ここから見える自然をのんびりと楽しむのもよし。

気になるものがあったら望遠鏡を覗き、
様々な仕草をみせる水鳥たちを観察するのもよし。

ただそこにいるだけで、一日中のんびりしていられる場所。

普段頑張っていることに疲れたら、
たまには少し、羽を伸ばしに来ませんか?

(取材・文:結城弘 写真:山本陽子)

記事を書いた人
結城弘/滋賀県出身。小説家・ライター。滋賀が舞台として登場する小説『二十世紀電氣目録』『モボモガ』を執筆。趣味は旅行、レトロ建築巡り、ご当地マグネット集め、地酒。noteにて滋賀の話題や旅行記事を発信中。各SNS⇒ X(旧Twitter) Instagram

『高島市新旭水鳥観察センター』の詳細

住所
滋賀県高島市新旭町饗庭1600-1
開館時間
10:00〜17:00
定休日
火曜日
電話番号
0740-25-5803
公式サイト
https://mizudori.net
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