【てまひまうつわ/滋賀県甲賀市】
登り窯のあった風景を窓からのんびりと眺めながら、
信楽焼のうつわでランチをいただく穏やかな時間。
陶芸家の妻がひとりで営む、
小さな隠れ家のようなカフェ『てまひまうつわ』。
“信楽焼を気軽に楽しんでほしい”
そんな想いがこの場所につまっています。
信楽焼の魅力を日常にも
壁一面にずらりと並ぶ信楽焼は、
店主のご主人である陶芸家、篠原希さんの作品。
もちろんカフェでいただくメニューのうつわも、すべて信楽焼。
釉薬(ゆうやく)を使わず、土そのものの色を活かした
焼締(やきしめ)という技法が特徴です。
薪ストーブのある店内には、
信楽の風景を眺められる窓際に3席と、
古いミシン台を脚に使ったテーブルに2席。
もともと物置だったこの場所に、
窓をはめて、壁を打って。
テーブルや床に使った板は、ご近所の方が下さったのだとか。
『てまひまうつわ』は、お子さんと一緒に家族で手作りした
秘密基地のような小さなカフェ。
「私たちがいつも見ている信楽の大切な景色を、
お客さまにも見てもらいながら、ゆったりと過ごしていただけたら」
そう店主は話します。
こだわりのメニューを、信楽焼のうつわで
『てまひまうつわ』のメニューは、
旬の野菜にとてもこだわっています。
取材した4月のメニューは、「春のパエリアランチ」。
フキやコゴミ、タケノコなどを使った和風のパエリアは、
口の中いっぱいに信楽の春が広がります。
ランチメニューは月替わりで、
5月は「小さなお料理のプレートランチ」、
6月は「平土鍋パエリアのランチ」の予定だそう。
詳しい内容は、Instagramでぜひチェックしてみてください。
おいしそうな写真や、素敵な信楽焼の写真がいっぱいですよ!
パエリアに使っているうつわは、ご主人がつくった「平土鍋」。
使いやすさも重視しながら、信楽焼の味わい深さを大切に残す、
想いが詰まった作品です。
そのまま火にかけて調理できるので、
使うほどに味が出て、色も変化していくそう。
こちらはデザートにいただいた、
「プリンアラモードのようなパフェ」。
たくさんのフルーツと、少し固めのプリンが絶妙です!
写真はミニサイズですが、トールサイズのパフェや
酒粕のガトーショコラもありましたよ。
デザートに使っているお花のうつわは、
店主がデザインしたもの。
「若い方にも親しんでもらえるような、
かわいらしい信楽焼もあったらいいな」
という想いでつくられたそう。
はじまりは、陶芸家の暮らしをつづったブログから
こちらが『てまひまうつわ』の店主、篠原佳江(よしえ)さんと、
陶芸家のご主人、篠原希(のぞむ)さん。
この場所の原点は、佳江さんのブログだそう。
管理栄養士の佳江さんがお料理をつくり、
信楽焼のうつわでたのしむ毎日の暮らし。
陶芸家の希さんがつくった信楽焼のうつわを、
日常のなかでどんなふうに使うのか。
その様子をブログで紹介していると、
「食べてみたい!」という人が続出。
それならば、陶房の隣をカフェとして使ってもらおうと、
2年前に『てまひまうつわ』をオープンしました。
店内の奥にはギャラリースペースがあり、
希さんの作品を買うこともできます。
人が使って、うつわが育っていく
「アメリカに行った時、作家の陶房で、
その方がつくったうつわでごはんを食べられたことが、
とっても嬉しかったんです。
信楽にも、そんな場所をつくりたい。
陶房に来てくれた人に、喜んで帰ってもらいたいと思って」
そう希さんは語ります。
日々の暮らしと、お客さまのこと、そしてお互いのことを
とても大切にされている篠原さんご夫妻。
おふたりの素敵な人柄も、この場所の魅力のひとつ。
「小さなカフェですが、
ここでしかできないことがあると思うんです。
陶芸家の陶房に気軽に訪れてもらって、
コーヒーを飲んで。
この場所が、信楽や陶器に興味をもってもらえる
きっかけになれればいいなと思って」と佳江さん。
“お客さまのおかげで、うつわが育っていくんです”
そんな言葉が印象的でした。
陶芸家の妻が営む、信楽焼の魅力がつまった小さなカフェ、
『てまひまうつわ』。
コーヒーを片手に、
登り窯のあった風景を窓からのんびりと眺めながら、
信楽焼に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
(写真・文/しがトコ編集部)
『てまひまうつわ』を地図でみる
新名神高速道路「信楽IC」から車で約5分!
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『てまひまうつわ』の店舗詳細
篠原希さんが信楽焼の魅力を語る動画も!
しがトコでは篠原希さんのインタビュー動画も制作しています。
ぜひご覧ください!