カフェ・お店

まるで童話の世界。“猫の湧く本棚”がある古民家喫茶『山猫軒』

山猫軒

【山猫軒/滋賀県高島市】

“猫の湧く本棚”をご存知でしょうか?
喫茶店の本棚から続々と出てくる猫たちの動画が
ツイッターを中心に注目を集めました。

のんびりとくつろぐ猫たちと一緒に
思い思いの時間を過ごせる喫茶店『山猫軒』。

霧のたちこめるマキノ町の山奥へ、
猫が遊びに来る喫茶店を訪ねてみました。

奥琵琶湖の山村集落にたたずむ古民家喫茶

山猫軒へはメタセコイア並木を通過する

湖西バイパスを『沢ランプ』で降りて、走ること15分ほど。
人気スポットのメタセコイア並木を通り抜け、
高原の澄んだ空気の中をさらに奥へ進んだところに、
猫の集まる喫茶『山猫軒』があります。

細く曲がりくねった山道を奥へ奥へと進むと、
分厚い茅葺き屋根の家が立ち並ぶ
昔話の舞台のような集落が現れます。

山猫軒の外観
この集落の一画にある、小さな喫茶店『山猫軒』。
茅葺き屋根の古民家を改修して、
2020年10月にオープンしました。

(集落の神社の前に駐車場があり、
お店までは少し歩きます。)

山猫軒のエントランス

入り口の前まで来ると、
レトロな金文字の看板がパッと目に入ります。
看板の上には、明治のガス灯を思わせる玄関灯が。

日本瓦の渋い佇まいの中に、
モダンで華やかなあしらいが溶けこんでいます。

山猫軒の看板

立て札を見ると、見慣れない注意書きが。
「当軒は注文の多い喫茶店ですからどうかそこはご承知ください」。

お客を料理にして食べようとする、
あの料理店を思わせるような、クスッと笑える注意書き。
足を踏み入れる前から、『山猫軒』の世界観が感じ取れます。

それでは注文にしたがって靴をぬぎ、スリッパをはいて
お店に入ってみましょう。

これがうわさの猫が湧く本棚

山猫軒の"猫の湧く本棚"

早速、うわさに聞く“猫の湧く本棚”を見せていただきました。
お店のオープン当初にTwitterでバズった動画の通り、
本棚のスキマから続々と猫たちが!

山猫軒の猫たち

こちらのツイートで一躍人気者になった猫たち。
モフモフの長い毛が特徴のラグドールです。

『山猫軒』は、いわゆる猫カフェではありません。
気高い猫を抱っこしたり無理やりなでたりは御法度。

しかし、こんな瞳で見つめられたら・・・!
「なでられたがりの子が多いので、
近くにきたら優しくなでてあげてください」と、店主。
そういうことなら、ありがたくモフモフさせていただきます。

寝転ぶ猫

確かに、人がいてもあまり気にならない様子の猫たち。
みてください、このくつろぎよう!

くつろぐ猫

いたるところにコロンコロンと猫が転がる、
夢のような空間です。

猫と取材スタッフ

何度も通ううちに、猫たちと仲良くなるお客さんも。
常連さんの来店時には、
玄関前でお出迎えしているんだとか。

しがトコ取材スタッフも、猫たちにメロメロ。
あやうく、後の予定に遅れてしまうところでした。

児童書とレトロな家具が並ぶ、注文の多い喫茶店

山猫軒の内観

「在原出身の夫が家業を継ぐことになり、家族で移住することに。
古民家を購入し、自宅兼カフェとしてリノベーションしました。」
と、店主の本田三智(ほんだみさと)さん。

もともと牛舎だったという、この空間。
店主自らプロデュースし、
1年かけて喫茶店に生まれ変わりました。

家具のコーディネートはもちろん、本棚も店主の手作り。
なんと、建物の間取りも店主が設計したそう。
吹き抜けの太い梁は、キャットウォークも兼ねています。

山猫軒の内観

店内の家具の多くは、使い込まれた年代もの。
客席のテーブルと椅子は、
大学の下宿を営んでいた方から譲り受けたんだとか。

丁寧に使い込まれた家具に、
築100年の古民家の大きな梁。
レトロな香りで満たされた、
物語に出てきそうな空間です。

山猫軒の児童書

本棚にずらりと並んでいるのは、
店主が子供の頃から愛読していた児童書。
中央の段には、宮沢賢治童話集からチョイスした
名作3冊が並んでいます。

山猫軒のメニュー

メニューやショップカードを制作したのは、
デザイナーをしていたという、店主の夫。
活版印刷風の紙面が、店内の世界観とマッチしています。

物語の登場人物になった気分で静かな時間を過ごせるカフェ

山猫軒のコーヒーとレモンピールパウンド

猫たちとたっぷり触れ合った後、ケーキとコーヒーをいただきました。
しっとりとしたレモンピールのパウンドケーキに、
高島の珈琲専門店の飲みやすいホットコーヒー。
自家製ケーキは日によって内容が変わります。

山猫軒のカウンターとコーヒー

取材に訪れた日は、雨模様の1日でした。
薄いモヤのかかる田園風景がなんとも幻想的。

大きな窓のあるカウンターでいただく、
おいしい焼き菓子とコーヒー。
山奥のこの場所にしかない、静かな時間を味わえます。

大変人気のため、土曜日は予約が詰まっています。
当日の来店もOKですが、席が埋まっていることも。
臨時休業になる日もあるため、
公式Twitterを確認した上での来店がおすすめです。

山猫軒の猫たち

猫たちの姿に癒されたり、
大きな窓から田園風景を眺めたり。
お気に入りの挿絵を眺めるような時間を過ごしに
『山猫軒』を訪れてみてはいかがでしょう。

(写真・文 伊東朋子)

記事を書いた人
伊東朋子/滋賀県北部のログハウス在住。ライター・webデザイナー。びわ湖の見える作業場所を見つけてはローカルノマドに勤しむ。趣味は節約レジャー、カメラ、カフェ・ラーメンめぐり。自分なりのスローライフを探しています。「びわ湖でSUPヨガ」の夢に向けて、ヨガはじめました。(Instagram@slow_life_quest)

『山猫軒』を地図でみる

湖西バイパス「沢ランプ」から車で約15分!

山猫軒

→大きい地図で見る

『山猫軒』の店舗詳細

住所
〒520-1801 滋賀県高島市マキノ町在原541 【→地図】
営業時間
午前11時~午後3時
定休日
日、月、火、水曜日(木、金、土曜日のみの営業)
公式SNS
Twitter@山猫軒(滋賀)
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