カルチャー

“水を守る決意”から40周年!7月1日は『びわ湖の日』

びわ湖

【びわ湖の日】

7月1日が『びわ湖の日』に制定されて今年で40周年。
びわ湖が真っ赤な赤潮に染まったあの日。
汚れてしまったその姿を前に
地元に暮らす人々の「びわ湖を守りたい」という
純粋な想いから生まれた大切な記念日です。

毎年7月1日前後には、県内各地で清掃活動が行われ、
びわ湖がびわ湖らしくあるために、
たくさんの人の手によって守られています。

『びわ湖の日』を知っている人も、知らなかった人も。
この機会に少しマジメにびわ湖について考えてみませんか?

『びわ湖の日』が生まれたきっかけやこれからについて、
環境に関わる滋賀県庁の職員さんにお話を聞いてみました!

滋賀の真ん中にある、日本一のびわ湖

びわ湖

「これは海?」。

初めて見る人は、きっと誰もがそう思うはず。

一般的な湖の想像を遥かに超える、
まるで海のようなスケール感。
それが、日本一の湖「びわ湖」です。

滋賀県では東西南北を示す場合、
びわ湖を中心として考えるため
「湖東」「湖西」「湖南」「湖北」と
“湖”とセットで紹介されることがほとんど。

湖北の沿岸

びわ湖をぐるりと取り囲むように暮らしの営みがあり、
湖がみせる表情も、東西南北のどこから見るかによって
大きく違います。

滋賀県の真ん中にある日本一の湖。
その巨大なスケールは、多様な文化や暮らしを生み出し、
また、びわ湖だけにしか存在しない
生き生きとした生態系も形作っています。

びわ湖の夕日

始まりも、終わりも、びわ湖から。
そんな命の循環さえも想像させる『びわ湖』は
“自慢したくなる滋賀”をコンセプトにする
しがトコにとっても特別な存在です。

びわ湖のある日常をもっと身近に。
そんな思いから、しがトコではこれまでに、
さまざまな記事をご紹介してきました。

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たくさんの人が愛する「びわ湖」。
その環境を守るために制定された『びわ湖の日』が40周年を迎えるこの機会に
びわ湖について改めて考えるべく、
滋賀県庁の担当課さんにオンラインで話を聞いてみました。

県民の環境意識の高まりから誕生した『びわ湖の日』

県庁の担当者3人

環境政策課の三浦さん(左)
琵琶湖保全再生課の一伊達(いちだて)さん(中央)
循環社会推進課の横川さん(右)です。

「びわ湖の日について教えてください!」と
気軽な気持ちで依頼したところ3名もの方が取材に対応いただけるとのこと!

県庁内でもたくさんの課がびわ湖に関わっていることを知り
改めてびわ湖って特別な存在なんだと再確認。

まずはびわ湖の日が生まれた背景について教えていただきました。

赤潮が発生したびわ湖
(写真提供:滋賀県)

びわ湖の日が制定されるより以前。
1977年頃のびわ湖は、“富栄養化”が進み“赤潮”が発生していました。

赤潮の原因の一つが合成洗剤に含まれる“リン”にあると知った
滋賀の人々は、自分たちの力でびわ湖をきれいにしようと
合成洗剤をやめて粉石けんを使う「石けん運動」をはじめました。

県民による石けん運動の盛り上がりもあり
1980年7月1日に、窒素やリンの排出規制などを定めた
「琵琶湖条例」が施行されます。
そしてそのちょうど1年後の7月1日に『びわ湖の日』が制定されました。

清掃活動
(写真提供:滋賀県)

それ以降、毎年7月1日前後には「びわ湖を美しくする運動」として
県内全域の湖岸や河川、道路などで清掃活動が行われています。
参加しているのも、企業やNPO法人、学校、地域団体などさまざま。

びわ湖の日の背景にある「石けん運動」は
昨今注目されている“持続可能な社会への取り組み”そのもの。
滋賀に住む人は、40年前から身をもって
その大切さを知っていたんですね。

横川さん

「昨年からは新型コロナ感染拡大防止の観点により
一斉に大人数が集まることは難しくなっていますが
それ以前は延べ12万人以上が参加していました。
多くの市民団体や学生、企業が参加するので
びわ湖をきっかけにさまざまな人と関われる日になっていると思います」
と、横川さん。

単純計算でも県民の約10人に1人は参加してることに!
県で把握しきれてない活動もあるようなので、
実際にはもっと多くの人がびわ湖を美しくする活動に
関わっているのかもしれません。

40周年となる今年は、7月1日に一斉に
県内7か所で清掃活動が実施され、より一体感のある活動が展開されます。

また、清掃活動だけではなく、関連のイベントもいろいろ!
『びわ活ガイド』からチェックしてみてください。

びわ活ガイドはこちらから

びわ湖のこれからに向けて考える『マザーレイクゴールズ(MLGs)』

大津の湖岸

県民の努力のかいもあり、
びわ湖の水質は高度成長期以前と同じくらいにまで戻ったそう。
ただし、これで安心できる単純な話ではありません。

水質は数値上戻っていますが、
当時といまのびわ湖がまったく同じではないんです。
事実、漁獲量などは減ったまま。

MLGs

そこでこれからの10年を見据えて
滋賀県独自の13のゴール目標「マザーレイクゴールズ(MLGs)」が決まりました。

びわ湖に関わるさまざまな立場の人の想いを詰め込んだ
誰もがいつからでも始められる目標です。

マザーレイクゴールズ(MLGs)について
詳しくはこちらから

びわ湖の日やMLGsをわかりやすく解説した
YouTube番組もあります。

マザーレイクゴールズchannelこちらから

一伊達さん

「山で捨てたゴミも川をたどってびわ湖へ流れつく。
そういう意味では滋賀はすべての暮らしが
びわ湖へつながっていると言えるでしょう。
びわ湖は私たちの暮らしを映し出す鏡のようなもの。
びわ湖を考えることは、自分たちの暮らしを考えることです」
と一伊達さんは話します。

三浦さん

「びわ湖の日は環境問題を背景に制定されましたが、
環境を守る取り組みを行うだけでなく
びわ湖の多様な魅力に気づく日にしてほしいと思います」
と話すのは三浦さん。

三浦さんおすすめのびわ湖の魅力は、湖魚の佃煮なんだとか。
「一般的に湖魚の佃煮って買って食べるもの
というイメージだと思うんですけど、
意外に簡単に自分でも炊けるので、
ぜひ炊きたての湖魚を食べてみてほしいです!
ふんわりやわらかい、熱々の佃煮は最高ですよ!!」

湖水浴

いつも当たり前にそこにあって
私たちの日常を受け止めてくれるびわ湖。

そんなびわ湖に想いをよせる日が
『びわ湖の日』なのかもしれません。

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