【滋賀をみんなの美術館に:しがトコPR】
これまで10年間続いてきた『美の滋賀』を引き継ぐ形で
スタートした『滋賀をみんなの美術館に』プロジェクト。
初開催となる今年も、これまでの思いを受け継ぎ、
8団体が活動をおこないました。
その成果報告会が、2022年3月8日に開催されました。
昨年同様オンラインの形をとりながらも、
例年と変わらず見ごたえある報告会となりました。
各拠点をつなぐ、フルリモートでの成果報告会
今年は各拠点をつなぐ、フルリモートでの開催。
参加者のみなさんが、ずらりと画面上に並びます。
司会は、しがトコの代表でもある林正隆。
各団体は資料を画面共有しながら成果発表をおこないます。
評価委員のみなさまからはその場でチャットにコメントをいただき、
その指摘や気づきを共有しながら聞きすすめるという
オンラインならではの報告会となりました。
滋賀県立美術館 副館長の木村元彦さんのあいさつから
報告会はスタート。
「2021年6月にリニューアルオープンした
美術館の中でみなさまの活動を展開していただき、
非常にありがたい取り組みでした」との言葉に、
美術館との連携も確認できたオープニングとなりました。
びわ湖を身体で感じ、あらわすワークショップー身・水・湖!『ながらの座・座』
『ながらの座・座』は、10月・11月におこなった
3回のワークショップ「身・水・湖」を報告しました。
11月には滋賀県立美術館で、音楽やダンスをもとに、
これまでの集大成となるワークショップについて発表。
活動の様子を撮影した動画も映し出され、
参加者の歓声や驚きの声がリアルに伝わってきました。
あらゆる立場の人の技術交流の架け橋に!『ナガハマグラスフェス』
開催2年目となる『ナガハマグラスフェス』は、
子どもの描いたグラスの絵から職人が作品を生み出したり、
著名なガラス作家と若手作家の交流の場を設けるなど、
境目のない技術・情報交流のイベントの様子を発表。
毎年大人気の「サケグラス公募展」の人気投票では、
過去最高1964名の投票が集まりました。
琵琶湖源流の暮らしを記録、『湖北アーカイブ研究所』
1969年から1995年にかけて、高時川周辺の7つの村が集団離村。
その記録を追い写真におさめてきたのが
『湖北アーカイブ研究所』の吉田一郎さんです。
滋賀県4ヶ所でおこなわれた写真展では、
写真を食い入るように見つめる人々の様子が印象的で、
今後も展示会や常設展示をのぞむ声があがっているとのこと。
「写真を閲覧した人の記憶を呼び起こし、未来に思いを馳せること」の
重要性を考える機会となりました。
写真で地域の魅力を伝える『長浜ローカルフォト』
長浜市尾上地区ならではの原風景を、漁や暮らしの関係性を通じて
取材・撮影をおこなった『長浜ローカルフォト』。
写真展「湖港の光り」は、地元長浜と滋賀県立美術館の2会場で
開催され、フォトブックも配布されました。
写真評論家飯沢耕太郎さんを招いたオンライントークイベントでは
「アートはプロのものではなく、
市民団体である長浜ローカルフォトがおこなう
リレーショナル・フォトというありかたが画期的」
という評価もあり、今後ますますの飛躍が期待される
取り組みとなりました。
大学生有志が企画開催!『地域とアートプロジェクト実行委員会』
成安造形大学の学生有志が中心となっておこなわれた
「堅田*はまさんぽ」アートプロジェクト。
堅田の人たちと関係を作りながら、空き家やショーウィンドウを活用した展覧会や、
落ち葉を使ったワークショップを開催。
SNSをつかった広報や、カラフルで大学生らしい工夫が
ふんだんにつまっていて、
発表後には自然に拍手がわき起こりました。
市民の手で遺産を選定して発信『長浜城下町まちづくり勉強会』
『長浜城下町まちづくり勉強会』は、
自分たち市民の手で長浜の遺産を選定し、
観光客に広く周遊してもらうことを目的に発足したプロジェクト。
公募や見学会、市民の投票を経て、令和3年度は10ヶ所が選定。
今後5年かけて52ヶ所の選定を目指し、
遺産をめぐる観光客向けのツアーも企画されています。
美術展示から産業活性化へ『国際芸術祭BIWAKOビエンナーレ実行委員会』
『国際芸術祭BIWAKOビエンナーレ実行委員会』は、
ヨシを使った展示「内湖」を動画で発表。
展示作品に使用されたのは、
滋賀県立大学の研究室が中心となり開発した建築材料
「ヨシストランドボード」。
単なる美術展示としてだけでなく、
地元の資源を産業活性化につなげたいというメッセージも
込められていました。
猫から自由な発想や動物保護へ繋げる『コニャンナーレ実行委員会』
今年は2022年2月22日の「猫の日」がある特別なタイミング。
この日を節目として活動してきた『コニャンナーレ実行委員会』は、
和紙を使った「猫ねぷた」のワークショップや
作品展示などを開催(参加者222名のこだわりも!)。
なかなか人が集まりにくいアートイベントに、
「好き」の力で人を集める猫の力はすごい!という話も飛び出しました。
今後は動物全体に視点を向けた活動を継続していきます。
『美の滋賀』から継承された、高いクオリティとユニークさ
各団体の発表後は、評価委員3名からのコメントが伝えられました。
アサダワタルさんは、
「日常にある滋賀ならではの美しいものを、どういう方法で、
どう体感するかを、みなさんそれぞれの方法で考えたのが伝わってきました。
大切なのは”参加・鑑賞・対話”。
個人的な感性と、事業としてのバランスが大切ですね」と話します。
大澤寅雄さんからは「『美の滋賀』から見させていただき、感慨深いです。
名前が変わっただけでなく、それ以上にいろいろと変わり
スタートからクオリティ高い水準点が見えています。
『美の滋賀』にはなかった、美術館での展示を
もっとうまく使えば、さらなる高みを目指せると思います」という指摘も。
上田洋平さんは「滋賀県のいろいろな場所でおこなわれている取り組みが、
美術館に集まり、展示される。
そうすることで、”県民のリビング”という美術館のコンセプトと呼応しながら、
ますます発展していくと思いました」と話してくれました。
滋賀県立美術館の保坂健二朗ディレクターからは、
「地域文化に関心のある評価委員の方々から、
継続的にコメントをいただける機会はなかなかないこと。
今後も、多くの団体が参加して切磋琢磨がうまれることが、
”滋賀をみんなの美術館に”が継続してくカギになるのでは」と
総括の言葉がありました。
名称は新しくなりましたが、10年間『美の滋賀』で育んできた
ユニークさとクオリティはそのままに
高い水準点からスタートを切ったプロジェクト初年度となりました。
令和3年度「滋賀をみんなの美術館に」プロジェクトの取り組み
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提供:滋賀県 「滋賀をみんなの美術館に」プロジェクト http://bino-shiga.net/