【びわ湖があるから走るんだ!】
気持ちのいい風景を見ると、子どもも犬も走りだすように。
青いびわ湖と、青い空が、走りたい衝動をノックする。
びわ湖がそこにあったから。空が青かったから!
走る理由は、そんな単純なことでもぜんぜんOK!
そう言い切ってしまいたくなるような、
気持ちのいい風景が、大津市の湖岸沿いに広がっています。
絶好のロケーションで、お昼休みを過ごしている人たちをみかけて、
「ここで何してるんですか?」と、以前、取材して回ったことがありました。
関連記事▶︎琵琶湖岸を歩く人にインタビュー「ここで何をしてるんですか?」
その時に颯爽と湖岸を走り抜ける複数のランナーも見かけたのですが、
後日、別の取材で訪れた滋賀県庁で、
じつはあのランナーは、県職員さんだったことが発覚!
なんと、昼休みを利用して走る“昼休みランナー”なんだとか!
気になったので、ランニングに密着させていただきました。
県庁の“昼休みランナー”に密着!
訪れたのは滋賀県庁広報課。
お昼休みにはまだ早いため、
仕事の邪魔をしないように静かに待ちます。
今回密着させてもらう山中さん。
猫背気味にキーボードを打つ姿には、疲れが滲んでいます。
が、しかし!
お昼を告げるベルが鳴ると共に、おもむろに立ち上がり部屋を出ていく姿が。
一緒に歩いているのは、こちらも“昼休みランナー”の高木さん。
仕事中とは表情が違うようにも見えます(笑)
ふたりは「健康指導室」と書かれた部屋に入っていきます。
職員の健康維持のために開放されている部屋だそうで、
ここで“昼休みランナー”の姿にお着替えをします。
ジャーン!
ネクタイ姿から一転。昼休みランナーの登場です!
ここで総務事務・厚生課の中井さんも加わり、本日は3人でのラン。
多いときには5~6人集まることもあるようですが
走りたい人が自然と集まる、ゆる~いグループのようです。
昼休みは、12時から13時までの1時間だけ。
準備運動をすませたら、すぐにスタートです!
県庁から湖岸まで。約4kmのランニングコースはリフレッシュにぴったり!
颯爽と走り始めた3人。
編集部は、自転車で追いかけます。
県庁を出たあと、目指すはもちろん“びわ湖”。
普段は一緒に走るのではなく、個々で走っているそうですが、
今日は密着させてもらうために3人一緒に走ってもらいました。
街中を走り抜け、あっという間に「琵琶湖文化館」。
それにしてもいい天気!
真っ青な空、爽やかな風。
自然と気分もあがります。
気分爽快!!!
湖岸を走る、ただそれだけで気持ちいい!
すれ違う学生さんも、まさかこのおじさん3人が
仕事の合間の昼休みランナーだとは
思ってないのではないでしょうか。
びわ湖を眺めるスーツ姿の人も、同じように昼休み中でしょうか。
外の空気を吸うだけで頭もすっきりして、
昼からの仕事能率があがりそう。
ペースを落とすことなく、大津港に到着。
ここまで約2kmを、10分ちょっと。
ほど良いペースのランニングです。
大津港まで来ると、ここの公園で筋トレをします。
なんて贅沢な昼休み!
これが、昼休みの風景ですよ。
いやー、滋賀県ってやっぱりいいと思いませんか?
せっかくなんで、気持ちよさが伝わるように、
GIFアニメも作ってみました。
どうですか!気合の入った腕立て伏せ!
清々しい青空の下だと、筋トレにも力が入ります。
びわ湖の水平線とマッチしたヨガのポーズ。
奥には「びわ湖花噴水」の虹が美しい!
そういえば、滋賀県は虹と出会う確率が高い地域なんです。
とくに琵琶湖周辺は、山に囲まれているため、
にわか雨も多く、虹を観察しやすいエリア。
虹に向かってランニング!なんて
考えただけで気持ちよさそう~。
ちょっと3人にお話を伺ってみました。
なぜ、昼休みに走るのか?
ランナー歴は20年以上という高木さん。
走りだしたきっかけは、
スキーのオフシーズン中のトレーニングだとか。
「最初は仕事が終わってから、走ってたんですよ。
夕方から夜にかけて。でも、帰宅してからだと、
残業があったり、疲れてたりで走れないことが増えて。
朝走ることにしたんだけど、朝もなかなか続けるのは難しくて・・・。
それで、お昼休みに走ることにしたんです。
お昼だと、安定して時間がとれるからね」
昼休みに走るようになってから、もう6年が経つそうです。
いつも決まった時間に走れる環境づくりが、
続ける秘訣なのかもしれませんね。
「僕は季節ランナーですよ(笑)
天気や気候が良いときだけ走ってます」
と話すのは、山中さん。
「今の課に異動になって、高木さんと同じ部署になったんです。
お昼休みに熱心に走っておられる姿に影響されました。
とにかく、湖岸を走るのが気持ちいいんですよ。
最近はびわ湖レイクサイドマラソンにも興味が出てきましたね」
清々しい笑顔を見せる中井さんは、
走ることでダイエットにも成功したのだとか。
せっかくなんで、昔の写真と比べてみましょう。
じゃじゃん!なんと、10kg減!
見た目にもはっきりと変化がわかりますね。
毎日、走れば、痩せられる。
当たり前かもしれませんが、大きな発見です。
ここまで痩せられたのには、続けることができたからだそう。
「最初は続かなったですよ。
昼休みに走ってることを職場の仲間に言ったんです。
それからは、昼休みに席に座ってると、
“今日は走らないの?”とか声かけらるようになって。
良い意味で、サボれなくなりましたね(笑)」
やっぱり、継続はチカラ。
3人が口を揃えて言うのが、滋賀県庁のお昼休み。
庁舎では節電のため、フロアの電気が消えます。
そのため、昼間でも室内は暗い感じ。
「だったら、この空気を吸いに外に出た方が気持ちいいですよ」
「走ることでスッキリすることもできますしね」
「びわ湖って良いですよ」
みなさん、ほんとに楽しそう。
ちなみに、取材時は11月で気持ちよさそうでしたが、
年間を通じて走っておられるとのこと。
大変なのは、8月と2月。
暑い中、寒い中でどれだけ続けられるか。
まわりから見ると、かなりストイックな印象ですが、
でも、本人たちは楽しそうなのが良い感じです。
そんな話をしてるウチに、帰路へ。
昼休みは、12時から13時までの1時間だけ。
タイムマネジメントがけっこう重要そうですね。
更衣室に戻り、汗をふきながら、
これからお昼ご飯です。
でも、野菜ジュースやクラッカーなど、簡単なもので済ますそう。
「ぷはー!この一杯がたまらない!」
という声が聴こえてきそうですが、飲んでいるのはプロテイン。
どこまでもストイックな中井さん!
山中さんは、自席に戻ってから、
お昼はこれだけで済ますんだとか。
疲れたり、お腹が空いたりして、
午後の仕事能率が落ちたりはしないんですか?
「いや、体を動かすほうが頭がすっきりして、集中力が高まる気がします。
雨で走れなくて、昼休み中じっと座ってるほうが眠くなるかも」。
たしかに、一緒に追いかけた私たちもなんだかいつもよりすっきりとした気分。
気分転換にも、お昼休みの運動はちょうどよいのかもしれませんね。
びわ湖が近くにある、滋賀ならではの環境。
その環境をフル活用してるところが素敵です。
走る場所をわざわざ選ばなくとも、そこに琵琶湖があるのだから。
走りたい人の衝動を後押ししてくれる、懐の深い琵琶湖。
青い空が広がっている、その景色だけでも充分なのに、
どこまでも青い琵琶湖までもがそこにある!
空と、湖面と、見渡す限りの青の風景を走り抜ける爽快感!
恵まれた環境のことを改めて思う“昼休みランナー”取材でした。
おまけ:健康しが
じつは滋賀県は、全国平均寿命ランキングで、
男性が1位、女性が4位という長寿県!!
ということで、庁舎内では「健康しが」のPRを、
ところどころに見つけました。
毎日走ってるのも、「健康しが」の一環ですか?!
と聞いてみましたが、直接的には関係ないそうです。
でも、県でも様々な事業をされてます。
ぜひチェックしてみてくださいね。