【千丸屋/滋賀県大津市】
ふわっふわの、削りたての“かつお節”。
お店いっぱいに広がるのは、日本の文化・かつお節の良い香り。
昔から料亭などでは「かつお節はお客様の顔を見てから削れ」と言われてきたほど、
かつお節は削りたてが一番おいしいもの。
大津駅から歩いて10分。
中央銀座商店街にある乾物屋「千丸屋」さんは、
削りたてのかつお節を買える、昔ながらのお店です。
懐かしい雰囲気の店内は削りたてかつお節のいい香り!
懐かしい店構えの「千丸屋」さん。
大津駅からもほど近い中町通りの端にある乾物店です。
店頭に並ぶのは、かつお節、だし昆布、海苔、乾しいたけ、かんぴょうなど
日本の伝統的な食文化に欠かせないものばかり。
なかでも一番に目を引くのは、このふわふわの削りかつお。
スーパーで売られているかつお節とは、見た目からして違いますね。
この年季の入った特製削り器がお店の歴史を物語っています。
ここにかつお節を差し込むと・・・
でてきました!削りたてのかつお節!!
店の中にもかつおのいい香りが充満しています。
こちらはお吸い物のだしをとるのに適した“花かつお”。
血合いがどれくらい含まれているかによって味や風味が違うそう。
線のように細く削った“糸削り”はお料理のトッピングにぴったり。
削り方によって、使い方を変えればさらに美味しくいただけます。
お店の奥さんからは、
「うちの子の友達なんかはおやつ代わりにつまんでいったりしますよ(笑)」
なんてお話も。とても健康的で贅沢なおやつですよね。
京の料亭にも卸す、100年続く老舗の名店
創業は明治1918年。
今年でちょうど創業100周年を迎えた歴史あるお店です。
現在は4代目の清水康晶さんと奥様・美緒さんが主になり
お店を切り盛りされています。
ご主人は料亭やレストランなどの配達も忙しく
元気いっぱいの笑顔が素敵な奥様が店番されています。
“だし文化”は日本の宝。母から子へ受け継がれる味
お店を手伝い始めた当初、年配のお客さんばかりで店の先行きを心配していた美緒さんに
お義父さんが『ここの味で育った子は必ず戻る』と言ったそうです。
「いまそれをすごく実感しますね。舌に残る母の味を求めて来てくれる若いお客さんが増えました」
たしかに母の味って大人になっても忘れられないものですよね。
自然食ブームもあり、小さい子どもを持つ母親の間でも“だし”が見直されてきているそうです。
化学調味料ではだせない、豊潤な旨味とコクの上品な“だし”。
子どもにこそ本物の味を伝えていきたいですよね。
「使いきれない分はすぐに冷凍保存しといてくださいね」
「ご飯にのせてショウガとめんつゆかけるのがおいしいですよ!」
なんて会話をしながら買い物できるのもこのお店のいいところ。
思わず商品を手にとりたくなるようなポップは美緒さんの手作り。
手書きならではの絶妙な雰囲気で、ひとつひとつの商品への愛情も伝わってきます。
知らなければふと通り過ぎてしまいそうなお店ですが、
話を聞けばなんとも奥深く面白い!
滋賀に残る名店は、まだまだ他にもありそうですね。
もちろん帰ってから奥さんのおすすめの食べ方、試してみました!
目からうろこの美味しさ。ぜひみなさんもお試しあれ。
『千丸屋』を地図でみる
大津駅より徒歩約10分
→大きい地図で見る
『千丸屋』の店舗詳細
- 住所
- 滋賀県大津市中央2-1-15【→地図】
- 営業時間
- 午前8時30分~午後7時
- 定休日
- 日曜日・祝日
- 電話番号
- 077-522-3961
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