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あつあつ餡に巨大な椎茸?! ふうふうしながら食べる長浜の郷土料理「のっぺいうどん」とは?

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【茂美志”や(もみじ)や/滋賀県長浜市】

とろりとした琥珀色の餡の真ん中に
大きくて肉厚なシイタケがドドン! 
創業120年の老舗「茂美志”や(もみじ)や」は
その歴史的なたたずまいと、
一度食べたら忘れられない「のっぺいうどん」が人気の名店。
滋賀の観光地、長浜の町あるきスポットである長浜大手門通りで
ひときわ目を引く「茂美志”や」をご紹介します。

 レトロ感漂う郷土料理の名店


店は現店主の辻喜八郎さんで3代目。
明治後期に喜八郎さんの祖母が始めたのだそう。
内装はその都度、手直しをしていますが、
素朴で親しみやすい雰囲気は変わっていません。

壁には店を訪れた著名人のサインや写真などが
所狭しと貼られており、とてもにぎやか。
年季の入った机には長浜の曳山が描かれていました。


奥行きのある細長い店内には
椅子席と座敷席があり、お昼にはほぼ満席に。

でも、他のお店のようにランチタイムを
あえて設けていないのも「茂美志”や」ならでは。
仕事で遅くなった時でも、
16時の閉店に間に合えば食事することもできます。

老舗店の歴史を物語る、壁にも注目!


かつてお店で使用されていた
藍染の半纏(はんてん)もディスプレイとして飾られています。

半纏に染めぬかれているように
もともとは「紅葉屋」という名前でしたが、
紅葉は秋=飽きにつながるため、
現在の「茂美志”や」に変更したといいます。


店の壁に貼られているサイン色紙の一部。
思わずクスっと吹き出してしまいそうになる、
ほほえましい作品ばかり。


障子の木枠一枚一枚に差し込まれた箸の袋は、
お客さんたちの「茂美志”や」に対するメッセージ。

「茂美志”や」がどれだけ多くの人々に愛されてきたかが、
よくわかります。


このレトロなメニュー表も、実際にお店で使われていたもの。
かつて「茂美志”や」は大衆食堂でした。
和食だけでなく、カレーライスやオムレツなどの
洋食も提供していました。

これは昭和15年頃、2代目喜三郎さん(現店主の父)が
第2店舗で営業していた時のものだそう。

2代目はやり手の実業家で、
この頃に店名を現在の「茂美志”や」に変更しました。

長浜の麺類業組合長、日本麺類業組合理事を務め、
他県にまで足を伸ばして地域の商工業のために活躍。
現店主の喜八郎さんもカバン持ちとして、父について歩いたといいます。

これぞ長浜名物、のっぺいうどん!とろみのある餡と巨大シイタケがうまい


さて、いよいよお待ちかねの長浜名物、
「茂美志”や」ののっぺいうどん(1100円 税込み)をいただきます。

大きな丼に、木のふたが乗せられて登場です。
もみじのハンコもかわいい。

のっぺいうどん
ふたをとると、とろりとした琥珀色の餡のほぼ真ん中に
大きくて肉厚なシイタケがドドン! 

その周りには色鮮やかなミツバやもみじ麩、生湯葉、
かまぼこ、すりおろした土ショウガが浮かんでいます。
うどんは冷めないよう餡で覆われています。

冬の寒い時期にふうふうしながら食べるのもいいですが、
夏に冷房の効いた涼しい店内で
熱々ののっぺいうどんを食べるのもまた格別ですね。

だしのしみたシイタケは、肉厚で食べ応え抜群!
土ショウガはピリッとして味のアクセントに。
真夏の暑い時には清涼感たっぷり、
寒い冬には体をポカポカと芯から温めてくれます。

店内で打つ自家製麺には、餡かけうどんならではのこだわりが

のっぺいうどん
「うどんがのびやすいので、早めに食べた方がいいですよ」
ご主人の喜八郎さんとともに60年近く店を切り盛りする
女将さんの辻芳子さんが、やさしく声をかけてくれました。

お言葉に甘えて、さっそくうどんをいただくと…
もっちりとしてコシがあって美味しい!
つるりとしてのど越しもよく、
噛みしめるほどに麺の美味しさがしっかりと伝わってきます。

店内手打ちの自家製麺は、伸縮性があるので餡によく絡み、
持ち上げた時に餡かけの重みで麺が切れることのないよう、
水分や粉の割合を調整。
寝かしたり熟成させる期間にもこだわっているとか。

秘伝のだしにつかわれているのは、
テーブルにも置かれている地元のお醤油。
甘味と旨味のバランスが絶妙で、
あっというまに食べてしまいました。

地元にも愛される、長浜の名物うどん


「茂美志”や」が郷土料理の専門店になったのは40年以上前。
黒壁スクエアができ、長浜の名物として、
店のメニューのひとつだったのっぺいうどんを売り出し、
多くの人々がその味を目当てに長浜を訪れるようになりました。


お店のどんぶりには、現当主・喜八郎さんの書いた、
のびやかな文字が。
こだわりをもって提供されてきたのっぺいうどんは、
長浜の町にも根づいていきました。

「出前をやめてからは、風邪ひいた、おなかが痛いという時は、
鍋やどんぶりなど器を持って、
近所のお客さんは店に取りに来られましたな。
『風邪をひくと“のっぺ”がとってもらえる』と、
ひそかに喜んでいた方もみえたようです」と芳子さん。

餡のおかげで冷めにくく、消化にも良いのっぺいうどんは、
町の人たちにも昔から愛されてきたのですね。

目で見る、味で見る。舌から舌へ受け継がれる伝統の味


今回、お話を聞かせてくださったのは、
芳子さんと孫にあたる長谷川菜摘(はせがわ なつみ)さん。

幼い頃から、帰省するたびにお店を手伝っていた菜摘さん。
コロナ禍で「茂美志”や」が経営の危機におちいった際に、
手伝いに戻ってきました。

「うちには書き記されたレシピはありません。
昔から『目で見る、味で見る』と言われていて、
秤がなくても舌だけでわかるようにしないと、
同じ味付けになりません。
味が変わらないようにするには、舌でみるしかないんです」

「茂美志”や」ののっぺいうどんにはスタンダードのほか、
月見とろろのっぺいうどんや、近江牛のっぺいうどんなど、
菜摘さんの両親が考え出したメニューも。

代々、家族で店のメニューを考案し、
味を守ってきた「茂美志”や」では、
長浜を訪れる人々をまるで故郷に戻った時のような、
あたたかいおもてなしの心で迎えてくれます。

それはのっぺいうどんがあつあつの餡で
具が冷めないように包み込んでくれるのに似ているかも…

(写真・文 松島頼子

記事を書いた人
松島頼子/岐阜県在住で、限りなく滋賀に近い所に住んでいる、滋賀と琵琶湖が大好きなフリーライター。先祖は滋賀から岐阜に移ったらしい。夏よりもどちらかといえば冬が好き。湖北の冬を取材したい。紙のお仕事もしてます。

「茂美志”や」を地図でみる

東海北陸道「長浜IC」から車で約10分!

「茂美志”や」の店舗情報

住所
滋賀県長浜市元浜町7-15 
電話番号
0749-62-0232
営業時間
10:30~16:00/平日 10:30~17:00/土日
公式サイト
http://www.momiji-ya.jp/

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